2台の端末に同時接続できる「マルチポイント対応」イヤホンは増えてきましたが、2台じゃもの足りないと感じること、ありませんか?
僕は最低でも4台の機器で接続を行き来するので、「マルチポイント対応」だけでは不完全で、モヤモヤしてきました。
この記事では、そんな方の救世主になるかもしれない「端末側ワンタップで接続切り替えできる完全ワイヤレスイヤホン」を紹介します!
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「端末側ワンタップで上書き接続切り替えできる」とは
この機能には名前がないので、当記事では便宜的に「オーバーライド接続」と呼ぶことがあります。
一般的なオーバーライド接続できないイヤホンで、AからBに接続デバイスを切り替える場合、
- AのBluetooth設定から、接続を解除する
- BのBluetooth設定から、接続する
という2ステップが必要です。
この1の「解除」の作業をせずに、いきなり新しいデバイスから接続を試みることで、切り替えられるのが、オーバーライド接続機能です。
普段からたくさんのデバイスで接続切り替えされている方であれば、この一手間がなくなることでどれだけ楽になるかわかっていただけると思います。
「端末側ワンタップで上書き接続切り替え」できれば、ペアリング上限まで自由に行き来できる
オーバーライド接続できることによって、理屈上はそのイヤホンがペアリング登録できる上限まで、シームレスにデバイスを行き来できるようになります。
例えば
- マルチポイント対応だけど、オーバライド接続非対応
- マルチポイント非対応だけど、オーバーライド接続対応
の2つのイヤホンがあったとします。
2つのデバイスまでの接続であれば、マルチポイントに対応していることで、事足ります。
一方で3デバイス以上で接続するのであれば、マルチポイントに対応していなくても、オーバーライド接続に対応している方が、使い勝手はいいことが多いです。
もちろん、マルチポイント対応&オーバライド接続対応という、完璧なイヤホンも存在します。
【メーカー別】「端末側ワンタップで上書き接続切り替え」できる完全ワイヤレスイヤホン
以下ではメーカー別にオーバーライド接続に対応したモデルを紹介します。
オーバーライド接続はメーカーによって対応/非対応がハッキリと分かれる傾向にあります。つまり、以下で紹介していない製品でも、同メーカーの他の製品が対応していれば、対応している可能性があります。
メーカー | 端末 | 参考価格 | 発売 | マルチポイント 対応 |
---|---|---|---|---|
Pixel Buds Pro 2 | 36,800円 | 2024年9月 | ◯ | |
Pixel Buds A-Series | 7,780円 | 2021年8月 | ー | |
Apple | Air Pods Pro ほか | 39,800円 ほか | 2022年9月 ほか | ー |
Beats | Beats Fit Pro ほか | 22,545円 ほか | 2023年7月 ほか | ー |
Amazon | Echo Buds(第2世代) | 12,980円 | 2022年2月 | ◯ |
Bose | QuietComfort Ultra Earbuds | 35,492円 | 2023年10月 | ◯ |
Edifier | W320TN | 11,990円 | 2023年8月 | ◯ |
HUAWEI | HUAWEI FreeBuds 5i ほか | 11,800円 ほか | 2023年3月 ほか | ◯ |
JBL | LIVE BEAM 3 ほか | 25,500円 ほか | 2024年6月 ほか | ◯ |
Marshall | MINOR Ⅳ | 19,980円 | 2024年6月 | ◯ |
NOTHING | Ear ほか | 22,800円 ほか | 2024年4月 ほか | ◯ |
Samsung | Galaxy Buds3 Pro ほか | 38,500円 ほか | 2024年7月 ほか | ー |
Skullcandy | Dime3 ほか | 6,480円 ほか | 2023年11月 ほか | ◯ |
SONY | WF-1000XM5 ほか | 35,500円 ほか | 2023年9月 | ◯ |
Technics | EAH-AZ80 ほか | 37,000円 ほか | 2023年6月 ほか | ◯ |
Xiaomi | Redmi Buds 6 ほか | 5,480円 ほか | 2025年1月 | ○ |
2022年7月に発売したPixel Buds Pro、後継のPixel Buds Pro 2(2024)はマルチポイント、オーバーライド接続に加えて、Audio Switch(音声の切り替え機能)にも対応しています。
これはAir PodsのMac製品におけるシームレスな接続切り替えの「Android版」と言える機能で、過去にペアリングしたことがあるAndroidデバイスから再生を始めると、自動で接続が切り替わります。
※Audio Switch(音声の切り替え機能)補足
Android8以降で、同一のGoogleアカウントでFast Pairでデバイス登録している必要があります。そのため、Android↔Windows PC、Android↔iPhone のような組み合わせでは、シームレスな切り替えはできません(もちろん、マルチポイント接続、オーバーライド接続はできます)。
【デバイスの組み合わせと使える機能】
Android | Windows | iOS (iPhone) | Mac | |
---|---|---|---|---|
Android | ・Audio Switch ・マルチポイント ・オーバーライド | ・マルチポイント ・オーバーライド | ・マルチポイント ・オーバーライド | ・マルチポイント ・オーバーライド |
Windows | ・マルチポイント ・オーバーライド | ・マルチポイント ・オーバーライド | ・マルチポイント ・オーバーライド | |
iOS (iPhone) | ・マルチポイント ・オーバーライド | ・マルチポイント ・オーバーライド | ||
Mac | ・マルチポイント ・オーバーライド |
また、9,000円台で買える廉価版のPixel Buds A-Seriesは、Audio Switchとマルチポイントには非対応なものの、オーバーライド接続はできます。
Apple・Beats by Dr. Dre
Air Pods Proを始めとしたAppleのイヤホンは、マルチポイント接続には対応していないものの、Apple製品間であれば、再生したデバイスに自動で音声が切り替わります。
さらに、地味にオーバーライド接続にも対応しているので、iPhone↔Androidのような接続であっても、端末側からワンタップで切り替えできます。
【デバイスの組み合わせと使える機能】
Android | Windows | iOS (iPhone) | Mac | |
---|---|---|---|---|
Android | ・オーバーライド | ・オーバーライド | ・オーバーライド | ・オーバーライド |
Windows | ・オーバーライド | ・オーバーライド | ・オーバーライド | |
iOS (iPhone) | ・自動切り替え ・オーバーライド | ・自動切り替え ・オーバーライド | ||
Mac | ・自動切り替え ・オーバーライド |
オーバーライド目的でAirPodsの型落ちモデルを買うのとかも、全然アリですね。
【AirPodsのオーバーライド接続対応モデル】
また、Apple傘下のBeats by Dr. Dre(ビーツ)製品のイヤホンでも、オーバーライド接続ができます。
出典:Beats Studio Buds + ワイヤレスノイズキャンセリングイヤフォン – Apple(日本)
【Beatsのオーバーライド接続対応モデル】
- Beats Fit Pro
Apple製品間の自動切り替えにも対応 - Beats Studio Buds +
- Apple製品間の自動切り替えは非対応
- Audio Switchに対応
- Beats Studio Buds
Apple製品間の自動切り替えは非対応
Amazon
2022年2月に発売したAmazon初のANC搭載イヤホンEcho Buds(第2世代)は、もともとオーバーライド接続のみできましたが、ソフトウェアのアップデートでマルチポイントにも対応しました。
標準でAlexaを搭載しており、ボイスコマンドで様々な操作が可能な点は、他のイヤホンにはないメリット。
他のAmazonデバイスと異なり、セールで常に安くなるわけではありませんが、過去には6,000円程度まで下がったことも。
Bose
2023年10月に発売したBoseのフラッグシップモデル「QuietComfort Ultra Earbuds」は、将来的なマルチポイントへの対応がアナウンスされています。
2024年2月現在はオーバーライド接続のみできます。
(2024/07/12追記)
ソフトウェアのアップデートにより、マルチポイントに対応しました!
Edifier
2023年8月にEdifierから発売されたEdifier W320TNは貴重なインナーイヤーでオーバーライド接続に対応したモデルです。もちろん、マルチポイントにも対応しています。
マルチポイント接続機能を有効にするとLDAC接続ができませんが、マルチポイントをオフにした状態(最大1台接続)でもオーバーライドできるという、かなり珍しい製品です。
LDACを求めるAndroidユーザーがオーバーライド目当てで買うのも全然アリなんじゃないでしょうか。
HUAWEI
日本国内ではイヤホン分野でも評価が高いHUAWEIの製品。
フラッグシップのHUAWEI FreeBuds Pro 3をはじめ、2023年3月に発売したお手頃な「i」シリーズのFreeBuds 5iもマルチポイントかつオーバーライド接続に対応。
(後継のFreeBuds 6iもオーバーライドできる可能性が高いですが、未確認。)
JBL
2024年に6月に発売したJBLの「JBL Live Beam 3」はマルチポイント、オーバーライド接続に対応しています。
JBL製品はオーバーライド接続に積極的で、1万円そこそこで購入できるTune Beamも狙い目です。
こちらもマルチポイント、オーバーライド、さらにはAndroidの「音声の切り替え」にも対応しています。
Marshall
出典:Amazon
英国のアンプで有名な「Marshall」は、ワイヤレスイヤホンも販売しています。
2024年6月に発売したインナーイヤータイプの「MINOR Ⅳ」は、マルチポイントとオーバーライド接続に対応しています。
NOTHING
コモディティ化が進む市場に、前衛的なデザインで一石を投じるNOTHING社から販売されているイヤホン「Ear」シリーズ。
カナル型モデル「Ear(2024モデル)」「Ear (a)」はマルチポイント・オーバーライド接続に対応。
ハーフインイヤー型(インナーイヤー型)のEar (stick)はオーバーライド接続に対応しています。
また同社の廉価ブランド「CMF」のCMF Buds Pro 2、CMF Budsもオーバーライド接続に対応しています。
Samsung(サムスン)
サムスンのGalaxy Budsシリーズは、AppleにおけるAirpods同様に、Galaxy端末間ではシームレスな接続切り替え(疑似マルチポイント)ができます。
また、Galaxy端末間にかかわらずオーバーライド接続にも対応しています。
オーバーライドが目的なら、価格が落ちているインナーイヤータイプや廉価モデルでも十分ですね。
▼最新フラッグシップ(2024)
▼インナーイヤー(2024)
▼廉価モデル(2023)
Skullcandy(スカルキャンディ)
Skullcandyのエントリーモデル「Dime3」実売5,000円台ながら、マルチポイント、オーバーライド接続両方に対応しています。
筆者が知る限り、マルチポイント/オーバーライド対応モデルとしては、最安水準で購入できます。
同社初のマルチポイント対応モデル「Mod」も、オーバーライド接続できます。
SONY(ソニー)
高音質、最高レベルのANC性能で圧倒的な人気を誇るソニーのフラッグシップモデルWF-1000XM5とその前モデルのWF-1000XM4、LinkBudsシリーズのLinkBuds Fit、LinkBuds open、LinkBuds Sは、マルチポイント・オーバーライド接続両方に対応しています。
Technics(テクニクス)
パナソニックのオーディオブランド・Technics(テクニクス)の2023年モデルEAH-AZ80、EAH-AZ60M2、EAH-AZ40M2は、いずれもオーバーライド接続に対応。さらに業界初のマルチポイント3台同時接続に対応しています。
個人的には複数端末での接続が目的なのであれば、無理に高価な3台同時接続モデルを買う必要はないと考えています。安い型落ちのAZ40でも十分、満足できると思います。
▼2023年モデル(3台同時接続に対応)
また少し古いですが、同じくパナソニックのRZシリーズRZ-S50W、RZ-S30Wもオーバーライド接続できます。
Xiaomi(シャオミ)
2025年1月に発売した5,000円台でマルチポイント接続できるRedmi Buds 6はオーバーライド接続にも対応していることが確認できました
おまけ:「イヤホンでペアリングモードに移行できるか」も確認しておくのが良き
現状、この記事のような個人の情報以外でオーバーライド接続に対応しているか購入前に確認する術がなく、実際に使ってみるまでわかりません。
そこで、オーバーライド接続を期待している人が、購入前に確認できる、あると便利な機能(操作)をお伝えしておきます。
それが「イヤホン単体でペアリングモードに移行できるか」です。
以下の図をご覧ください。
イヤホン単体でペアリングモードに移行できる場合、デバイスとの接続をイヤホンセンサーの長押しなどの操作で解除できます。
解除後に、接続したい新しい端末で接続すれば、A→Bに接続を切り替えられます。

お、おう……。普通にA解除→Bに接続の方が便利じゃね?
と思われるかもですが、これ、やってみると、ラクさが全然違います。
ポイントはケースに戻さなくても、イヤホン単体操作でペアリングモードに移行できるかどうかです。
オーバーライド接続できるかは、買ってみないとわかりませんが、ペアリングモードの移行方法であれば、事前に公式が公開している説明書やサイトで確認できることが多いです。
※「端末単体でペアリングモード移行可」を確認したイヤホン一例
- AVIOT製品各種
右側を4.5〜5秒長押し - Skullcandy Dime3
1clic+長押し - Skullcandy Mod
1clic+長押し - SOUNDPEATS GoFree2
6秒長押し
以上、2台以上の複数のデバイスで完全ワイヤレスイヤホンを使いたいと思っている方は、参考にしてもらえるとうれしいです!
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コメント
aptxコーディック対応でオーバーライド接続ができるワイヤレスイヤホンはありますか?
こちらの記載の一覧表から、1機種ずつご確認いただくのが、確実かと思われます^^
上記のご紹介のイヤホンは、全てaptx対応ではなかったです。
ゼンハイザー Sennheiser ワイヤレスイヤホン bluetooth MOMENTUM True Wireless 3
は、オーバーライド接続できますか?
Sennheiser ワイヤレスイヤホン bluetooth MOMENTUM True Wireless 3
は実際に使用したことがないので、わかりかねます。
お力になれず、申し訳ございません。