2台の端末に同時接続できる「マルチポイント対応」イヤホンは増えてきましたが、2台じゃもの足りなくないっすか?
僕は最低でも4台の機器で接続を行き来するので、「マルチポイント対応」だけでは、不完全なこともあり、モヤモヤしてきました。
この記事では、そんな方の救世主になるかもしれない「端末側ワンタップで接続切り替えできる完全ワイヤレスイヤホン」を紹介します!
新しいイヤホンと合わせて、ぜひ!
「端末側ワンタップで接続切り替えできる」(オーバーライド接続)とは
この機能には名前がないので、当記事では「オーバーライド接続」と勝手に呼ぶことにします。
一般的なオーバーライド接続できないイヤホンで、AからBに接続デバイスを切り替える場合、
- AのBluetooth設定から、接続を解除する
- BのBluetooth設定から、接続する
という2ステップが必要です。
この1の「解除」の作業をせずに、いきなり新しいデバイスから接続を試みることで、切り替えられるのが、オーバーライド接続機能です。
普段からたくさんのデバイスで接続切り替えされている方であれば、この一手間がなくなることが、どれだけ楽ちんなことかわかっていただけるかと思います。
オーバーライドできれば、ペアリング上限まで自由に行き来できる
オーバーライド接続できることによって、理屈上はそのイヤホンがペアリング登録できる上限まで、シームレスにデバイスを行き来できるようになります。
例えば
- マルチポイント対応だけど、オーバライド接続非対応
- マルチポイント非対応だけど、オーバーライド接続対応
の2つのイヤホンがあったとします。
2つのデバイスまでの接続であれば、マルチポイントに対応していることで、事足ります。
一方で3デバイス以上で接続するのであれば、マルチポイントに対応していなくても、オーバーライド接続に対応している方が、使い勝手はいいことが多いです。
もちろん、マルチポイント対応&オーバライド接続対応という、完璧なイヤホンも存在します。
【メーカー別】オーバーライド接続(端末側で接続切り替え)できる完全ワイヤレスイヤホン
メーカー | 端末 | 参考価格 | 発売 | マルチポイント 対応 |
---|---|---|---|---|
Pixel Buds Pro | 23,800円 | 2022年7月 | ◯ | |
Pixel Buds A-Series | 7,780円 | 2021年8月 | ー | |
Apple | Air Pods Pro ほか | 39,800円 ほか | ー | ー |
Beats | Beats Fit Pro ほか | 22,545円 ほか | ー | ー |
Technics | EAH-AZ60 | 27,720円 | 2021年10月 | ◯ |
EAH-AZ40 | 14,850円 | 2021年10月 | ◯ | |
ソニー | LinkBuds S | 22,600円 | 2022年6月 | ◯ |
WF-1000XM4 | 24,900円 | 2021年6月 | ◯ | |
サムスン | Galaxy Buds2 Proほか | 29,918円 ほか | ー | ー |
NOTHING | Ear (1) | 16,017円 | 2021年8月 | ー |
Ear (stick) | 16,800円 | 2022年11月 | ー | |
Amazon | Echo Buds(第2世代) | 12,980円 | 2022年2月 | ◯ |
2022年7月に発売したPixel Buds Proは、オーバーライド接続に加えて、Audio Switch(音声の切り替え機能)にも対応しています。
これはAir PodsのMac製品におけるシームレスな接続切り替えの「Android版」と言える機能で、過去にペアリングしたことがあるAndroidデバイスから再生を始めると、自動で接続が切り替わります。
Android8以降で、同一のGoogleアカウントでFast Pairでデバイス登録している必要があります。そのため、Android↔Windows PC、Android↔iPhone のような組み合わせでは、シームレスな切り替えはできません(もちろん、マルチポイント接続、オーバーライド接続はできます)。
【デバイスの組み合わせと使える機能】
Android | Windows | iOS (iPhone) |
Mac | |
---|---|---|---|---|
Android | ・Audio Switch ・マルチポイント ・オーバーライド |
・マルチポイント ・オーバーライド |
・マルチポイント ・オーバーライド |
・マルチポイント ・オーバーライド |
Windows | ・マルチポイント ・オーバーライド |
・マルチポイント ・オーバーライド |
・マルチポイント ・オーバーライド |
|
iOS (iPhone) |
・マルチポイント ・オーバーライド |
・マルチポイント ・オーバーライド |
||
Mac | ・マルチポイント ・オーバーライド |
また、7,000円台で買える廉価版のPixel Buds A-Seriesは、Audio Switchとマルチポイントには非対応なものの、オーバーライド接続はできます。
Apple・Beats by Dr. Dre
Air Pods Proを始めとしたAppleのイヤホンは、マルチポイント接続には対応していないものの、Apple製品間であれば、再生したデバイスに自動で音声が切り替わります。
さらに、地味にオーバーライド接続にも対応しているので、iPhone↔Androidのような接続であっても、端末側からワンタップで切り替えできます。
オーバーライド目的でAirPodsの型落ちモデルを買うのとか、全然アリですね!
【デバイスの組み合わせと使える機能】
Android | Windows | iOS (iPhone) |
Mac | |
---|---|---|---|---|
Android | ・オーバーライド | ・オーバーライド | ・オーバーライド | ・オーバーライド |
Windows | ・オーバーライド | ・オーバーライド | ・オーバーライド | |
iOS (iPhone) |
・自動切り替え ・オーバーライド |
・自動切り替え ・オーバーライド |
||
Mac | ・自動切り替え ・オーバーライド |
また、Apple傘下のBeats by Dr. Dre(ビーツ)製品のイヤホンでも、オーバーライド接続ができます。
◎Beatsのイヤホン
- Beats Fit Pro
(Apple製品間の自動切り替えにも対応) - Beats Studio Buds
(Apple製品間の自動切り替えは非対応)
Technics(パナソニック)
パナソニックのオーディオブランド・Technics(テクニクス)のフラッグシップモデルEAH-AZ60と、スタンダードモデルEAH-AZ40。
ともにオーバーライド接続に加えて、マルチポイント接続にも対応しています。
ANCが不要であれば、安いAZ40でも十分、満足できるかと思います。
また少し古いですが、同じくパナソニックのRZシリーズRZ-S50W、RZ-S30Wもオーバーライド接続できます。
ソニー
高音質、最高レベルのANC性能で圧倒的な人気を誇るソニーのフラッグシップモデルWF-1000XM4、ながら聴き・軽量をコンセプトにしたLinkBuds Sは、オーバーライド接続に対応。
さらに2022〜23年に、アップデートによってマルチポイントにも対応しました!
サムスン
サムスンは「Galaxy Buds2 Pro」などの完全ワイヤレスイヤホンを展開しています。
Galaxy Budsシリーズは、AppleにおけるAirpods同様に、Galaxy端末間ではシームレスな接続切り替え(疑似マルチポイント)ができます。
また、Galaxy端末間にかかわらずオーバーライド接続にも対応しています。
オーバーライドが目的なら、型落ちの安いモデルでも十分ですね。
▼最新フラッグシップ(2022)
▼型落ちフラッグシップ(2021)
▼下位モデル(2021)
▼開放型モデル(2020)
NOTHING
コモディティ化が進む市場に、革新的なデザインで一石を投じるNOTHING社から販売されている2つのイヤホン「Ear (1)」と「Ear (stick)」。
カナル型のEar (1)、ハーフインイヤー型(インナーイヤー型)のEar (stick)は、ともにマルチポイントには対応していませんが、オーバーライド接続ができます。
また、2023年3月に発表されたEar (2)は、オーバライド接続に加えて、マルチポイントにも対応しました。
Amazon
2022年2月に発売したAmazon初のANC搭載イヤホンEcho Buds(第2世代)も、マルチポイントは非対応ですが、オーバーライド接続に対応しています。

標準でAlexaを搭載しており、ボイスコマンドで様々な操作が可能な点は、他のイヤホンにはないメリット。
他のAmazonデバイスと異なり、セールで常に安くなるわけではありませんが、過去には6,000円程度まで下がったことも。
おまけ:「イヤホンでペアリングモードに移行できる」かも確認しておくと良いよ
現状、この記事のような個人の情報以外でオーバーライド接続に対応しているか購入前に確認する術がなく、実際に使ってみるまでわかりません。
そこで、オーバーライド接続を期待している人が、購入前に確認できる、あると便利な機能(操作)をお伝えしておきます。
それが「イヤホン単体でペアリングモードに移行できるか」です。
以下の図をご覧ください。
イヤホン単体でペアリングモードに移行できる場合、デバイスとの接続をイヤホンセンサーの長押しなどの操作で解除できます。
解除後に、接続したい新しい端末で接続すれば、A→Bに接続を切り替えられます。
「お、おう……。普通にA解除→Bに接続の方が便利じゃね?」
と思われるかもですが、これ、やってみると、楽ちん具合が全然違います。
ポイントはケースに戻さなくても、イヤホン単体操作でペアリングモードに移行できるかどうかです。
オーバーライド接続できるかは、買ってみないとわかりませんが、ペアリングモードの移行方法であれば、事前に公式が公開している説明書やサイトで確認できることが多いです。
■ 「端末単体でペアリングモード移行可」を確認したイヤホン一例
- Skullcandy Mod
1clic+長押し - AVIOT Openpiece m
右側を4.5秒長押し - SOUNDPEATS T2
左右どちらかを6秒長押し
以上、2台以上の複数のデバイスで完全ワイヤレスイヤホンを使いたいと思っている方は、参考にしてもらえるとうれしいです!
新しいイヤホンと合わせて、ぜひ!
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