ソニーは2022年10月、完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「WF-1000XM4」が今冬にマルチポイントに対応することを発表しました。
しかし、その後は音沙汰なし……。
気づけば春の足音が聞こえてきた2月の最終日。ついにマルチポイント対応のアップデートが行われました。
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WF-1000XM4 のスペック
タイプ | カナル型 | ANC | ◯ |
---|---|---|---|
カラー | ・ブラック ・プラチナシルバー | 外部音取込 | ◯ |
重量 | ・片耳 7.3g ・ケース込 53g(実測) | 装着検出 | ◯ |
連続再生 | ・単体:12時間 (ANCオン8時間) ・ケース込:36時間 (ANCオン24時間) | 片耳 | ◯ |
充電時間 | ・約1.5時間 | ワイヤレス 充電 | ◯ |
充電コネクタ | USB タイプC | 専用アプリ | ◯ イコライザ設定 操作カスタマイズ 接続機器の管理 など |
防水 | IPX4 | 低遅延 | ー |
対応 コーデック | SBC / AAC / LDAC | 価格 | 28,299円 (Amazon) |
Bluetooth | 5.2 | その他機能 | ・DSEE Extreme |
接続・マルチポイントの挙動
2023年3月4日、ソフトウェアバージョン2.0.0時点での挙動は以下のとおり。
操作 | 挙動 |
---|---|
端末側からペアリングモードへ移行 | 左右イヤホンを装着した状態で5秒間 センサーをタップ |
電源オン時の挙動 | 前回、電源をオフにしたときに接続されていた 端末(最大2台)に自動で接続 |
A再生中に停止 →続けざまにBを再生 | たまに0.5秒くらいの遅れがあるものの スムーズな切り替え |
A再生時にBを再生 | Aの再生は止まらず、Bの再生もできない |
A再生時にBが着信 | Aの再生が停止してBが鳴動 →通話終了後、自動でAの再生が復帰 |
A再生時にBが通知 | Aの再生は止まらず、Bの通知音は鳴らない ※アプリ、サービス、環境によって異なる |
A・B接続時に、登録済み端末C のBluetooth設定から選択 | 上書き接続(オーバーライド接続)可能 以下、いずれかの端末の接続が優先して残る ・A・B直近で再生されていた方 ・A・Bで再生機器が固定されている方 |
マルチポイント接続時のコーデック | LDAC接続可能 |
アプリで再生機器を固定する | Aに固定したときにBを再生すると、 音楽は無音で再生される |
WF-1000XM4 実機レビュー
今回、マルチポイントに対応した報を受け、急遽、e☆イヤホンさんでAランク品を購入しました。
さすがは天下のソニー。マットでサラサラとした質感のケースから放たれる威厳に緊張してしまいます。
AirPods Proよりも一回り大きいです。
本体の筐体は……デカイです。
この大きさがネックで購入を諦める、または、手放してしまうユーザーも少なくないようです。
イヤーピースの大きさは3種類。
ソニー独自の「ノイズアイソレーションイヤーピース」は遮音性を高める効果があるとのこと。
僕はこの手のウレタン製のイヤーピースがどうしても苦手なので使っていません。
装着感
幸いなことに、僕の耳との相性は良かったです。
初めて装着したときの耳の上にイヤホンが乗っている感は半端なかったものの、数時間付けていても、疲れたり、痛くなることはありませんでした。
でもこの存在感は人を選びそう……。
ノイズアイソレーションイヤーピースを使わずとも、遮音性は高めな方でした。
自宅など、静かな環境であれば、アクティブ・ノイズキャンセリングはオフでも良さそうです。
操作性
筐体が大きいのでセンサーはタップしやすいです。
WF-1000XM4のセンサー操作の考え方は少し独特で、以下の4つのパッケージングされた機能を、左右のどちらかに割り当てる、という考え方をします(言ってること、伝わりますかね……)。
- 外音コントロール
- 1タップ:ANC
- 長押し:クイックアテンション
- 再生コントロール
- 1タップ:再生/停止
- 2タップ:曲送り
- 3タップ:曲戻し
- 長押し:音声アシスタント
- 音量コントロール
- 1タップ:音量アップ
- 長押し:音量ダウン
- 割当なし
デフォルトでは左に「外音コントロール」、右に「再生コントロール」が割り当てられています。
また、以下の操作はどの機能を割り当てても、共通で作動します。
左 | 操作 | 右 |
---|---|---|
・受話/終話 | 2タップ | ・受話/終話 |
・通話移管 (通話中にイヤホン↔スマホの切り替え) ・着信拒否(着信中) | 長押し | ・通話移管 (通話中にイヤホン↔スマホの切り替え) ・着信拒否(着信中) |
ペアリングモード | 同時に5秒長押し | ペアリングモード |
またデフォルトではイヤホンを耳に装着していない状態ではタッチセンサーは操作できません。
アプリの設定から「装着検出による自動電源オフ機能」をオフにすると、操作できるようになります。
アプリ
専用アプリ「Headphones Connect」でできることは以下のとおり。
アクティブ・ノイズキャンセリング
AirPods Pro(第1世代)ほどの強さはないかな、という印象です。
しかしノイズアイソレーションイヤーピースを装着した状態であれば、さらに強力な静寂を作れると思います。
外部音取り込み
特にホワイトノイズが気になることもなく、実用的です。
一時的に音楽の音量を絞って、周囲の音を取り込む「クイックアテンションモード」、音楽を再生中に発話すると、自動で音楽を停止して、外部音取り込み機能に切り替わる「スピーク・トゥ・チャット」機能などがあります。
音質
音質については他のレビューがたくさんあるので、そちらを参照していただきたいのですが、限りなく有線に近い繊細さを感じました。
どちらかというと低音〜中音域重視という印象で、特に低音には上品さがあり、とても心地よいです。低音で高度な解像度を感じられたことは、貴重な体験でした。
それもあってか、全体的には繊細でありながら、柔らかい包容力のようなものを感じました。
音場は奥行き(向かって前方・後方)の広さを感じました。
マイク音質は以下のとおり。
音量の段階
- iPhone:30段階(端末操作では0〜16)
- Android:30段階(端末操作では0〜26)
バッテリーの片減り問題に遭遇
中古商品の購入なので断言することはできませんが、前提として公称値のようなバッテリー持続は期待できません。
多機能であるが故に、使わない機能はオフにしたほうが、バッテリー持ちの改善に貢献すると思います。
また、すでにいろいろなところで話題になっている片側のバッテリーだけが以上に消費する問題にも直面しました。
WF-1000XM4、個人的にはマルチポイントはとても安定していて良いんですが、僕の個体はバッテリーの片減りがキツイですね。
公式的には「3時間持てば問題なし」とのことですが、3時間超えたくらいでこんな感じ。これを「問題なし」と見るかは、難しい判断……。 pic.twitter.com/Ze7chH9j36
— spkNote (@spk__note) March 4, 2023
無償・有償での修理が行われているようです。すでに有償修理を受けたユーザーがいることを考えると、アップデートで改善されることは期待できないかもしれませんね。
後継モデルが出ても売れそう
今回のWF-1000XM4のマルチポイントへの対応は、日本におけるマルチポイント史に残る出来事だったといっても良いと思います。
マルチポイント接続ができるようになったことで、完全ワイヤレスイヤホンのひとつのゴールに到達した感があります。
発売からまもなく2年が経ち、後継モデルの発売も噂されていますが、値下がりしたタイミングで買うユーザーも増えそうですね。
今後もしばらくはTWS界の雄であり続けることでしょう。
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