2022年11月、AmazonのEcho Buds がマルチポイントに対応したという口コミを目にしました。
ちょうどAmazonブラックフライデーで5,980円まで値下げされていたので購入。
【結論】マルチポイントに対応したことで、ふつうにコスパが高い「全部入り」に進化。
1万円以下(セール時であれば)のマルチポイント対応モデルの中では、最も「何でもできる」イヤホンになりました。
ただし、アクティブノイズキャンセリング(ANC)をオン時のホワイトノイズが、けっこう気になります。
新しいイヤホンと合わせて、ぜひ!
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Echo Buds 第2世代のスペック
タイプ | カナル型 | ANC | ◯ |
---|---|---|---|
カラー | ・ブラック ・グレーシャーホワイト | 外部音取込 | ◯ (5段階で調整可) |
重量 | ・片耳 5.7g (チップ、ウイング除く) ・ケース 44.4g (ワイヤレス非搭載モデル) | 装着検出 | ◯ |
連続再生 | ・単体:5時間 ・ケース込:15時間 | 片耳 | ◯ |
充電時間 | ・ー ・15分で120分再生 | ワイヤレス 充電 | 対応モデルあり |
充電コネクタ | USB タイプC | 専用アプリ | ◯ 操作カスタム EQ など フィットテスト デバイス探知 他 |
防水 | IPX4 | 低遅延 | ◯ |
対応 コーデック | SBC / AAC | 価格 | 12,980円 (Amazon) |
Bluetooth | 5.0 | その他機能 | ・Alexa ・ワークアウト |
対応コーデックは非公開なため、Androidスマホで確認しています。
2022年発売の端末なのに、Bluetooth5.0というのは少し物足りない感はあります。
Echo Buds 第2世代 実機レビュー
今回はグレーシャーホワイトを購入。
ケースは横長で小ぶり。表面はサラサラとした質感で、ひっかき傷が付きやすそう。
パット見の印象では、そこまで安っぽい感じはしません。
本体はこんな感じ。
質感が内外で分かれていて、外側はケースと同じサラサラとした感じ、内側(耳に当たる側)はツルツルしています。
ずんぐりむっくりで、ちょっと不細工。
装着感
Echo Buds は他のイヤホンよりも耳に入る部分の丈が短いです。それもあってか、十分な遮音性を確保できない、という印象を受けました。
(アプリを使ったフィットチェックでは「最適」と出ましたが……)
逆に言えば、カナル型の完全に密閉されるのが苦手な人にも使いやすいかもしれません。
イヤーチップ(4種類)は耳垢が入らないタイプのしっかりとしたつくり。
ウイングチップも2サイズ(3ペア)付いてきます。
イヤーウイングによって装着感が劇的に向上する感じはありません。
初期設定
Echo Budsの接続自体はスマホなどのデバイスの「Bluetooth設定」からできます。
しかし「初期設定」を完了させるためにはAlexaアプリが必要です。
で、これはいろんなところで言われているみたいですが、iPhoneのAlexaアプリでは初期設定がうまくいかないことがあります。
僕もまったく初期設定が進まず、iPadにAlexaアプリをインストールして設定を完了させました。
■ ポイント
「iPhoneの言語を英語にすると、初期設定がうまくいく」という情報もあります。
操作性
ボタンはセンサータイプで、感度は良好です。この辺のクオリティは、さすがAmazon。
デフォの操作と、それぞれのアクションへ割当てられる操作は以下のとおり。
操作 | デフォ操作 (左右共通) | カスタマイズ 可能な操作 |
---|---|---|
1click | 再生、一時停止 | 無効 |
2click | 次の曲 通話応答・終了 | 前の曲、 ANC/外音取り込み、 無効 |
3click | 前の曲 | 次の曲、 ANC/外音取り込み、 音量を上げる、 音量を下げる、 Googleアシスタント/Siri、 タップでAlexa、 マイクオン/ミュート、 無効 |
長押し | ANC/外音取り込み | 再生/一時停止、 次の曲、 前の曲、 音量を上げる、 音量を下げる、 Googleアシスタント/Siri、 タップでAlexa、 マイクオン/ミュート、 無効 |
デフォでは左右共通の操作が割り振られています。
1・2・3タップ、長押しに左右それぞれ、好きな操作を指定できます。
珍しいところではマイクオン/ミュートなど、ビデオ会議や配信に便利な機能があります。
個人的には欲しかった「電源のオン/オフ」「ペアリングモードへの移行」はできません。
ノイズキャンセリング(ANC)・外部音取り込み
基本的にEcho Budsでは
- ノイズキャンセリング【オン】
- 外部音取り込み(アンビエントサウンドモード)【オン】
のどちらかを選びます。
どちらもオフにするには、アプリからの操作が必要です。
レビュワーの中には「どちらもオフ不要論」を唱える方も多いですが、個人的には「どちらもオフ」は欲しい人です。
ただ、Echo Buds は「どちらもオフ」にした状態でも、ホワイトノイズが気になります。おそらくですがAlexaが待機しているからではないか、と推測されます。
ANC(アクティブノイズキャンセリング)
先述のように、若干、遮音性が低いため、ANCによって静寂をつくることは苦手です。
一方で、屋外の工事音のような、低く響いてくるような騒音に対しては、威力を発揮すると感じました。
静寂を作り出すタイプではなく、不快な音を減らすことが得意な印象を受けました。
あと、個体差なのかもしれませんが、ANCオン時のカタカタとした機械音、ホワイトノイズがかなり気になりました。
もちろん、音楽やメディアを再生してしまえば、気になりません。
外部音取り込み(アンビエントサウンドモード)
取り込みの強度は5段階で設定できます。
機械で音を増幅させている感が半端なく「自然な感じ」とは言えません。
■ 静寂をつくりたいなら「省電力モード」に
アプリから「省電力モード」にすると、ANC、外部音取り込み、Alexaを完全にオフにできます(イヤホンからはできません)。
すると「ANC」以上の静寂が訪れます(笑)。
Echo Budsができること(アプリ)
Echo BudsはAmazonのAlexaデバイス用のアプリで管理します。
Amazon Alexa
AMZN Mobile LLC無料posted withアプリーチ
アプリの充実度は、完全ワイヤレスイヤホンの中でもトップレベルかと。
- バッテリー残量の確認
- 省電力モードへの移行
- ペアリングモードへの移行
- マルチポイント接続しているデバイスの確認
- 外部音取り込みのレベル調整(5段階)
- 通話時に自分の声を聞く「サイドトーン」の設定
- タップ操作のカスタマイズ
- イコライザ設定
- イヤーチップのフィットテスト
- ワークアウト履歴の閲覧
- 「探す」機能
広く浅くいろいろできる、という感じです。
アプリからペアリングモードへ移行できるのは珍しいです。
音質
- 低音はさほど強くない
- ANCをオフにすると低音の厚みが増すが、全体的にぼやっとした感じになる(けっこう印象が変わる)
- ボーカルはハッキリ聴こえる
- 高音の打楽器系は「刺さる」系。しっかり聴こえる
- 感動するような繊細さ、解像感はない
- 音場はかなり広め
最初の印象はこんな感じでした。イコライザを調節したり、イヤーチップを変えることで、印象は変わるかもしれません。
ちなみにコーデックは公表されていませんが、SBC、AAC接続でした。
マイク音声はこんな感じ。
マルチポイント接続の挙動
個人的には今回の購入の動機になった、マルチポイントについて。
購入当初のソフトウェアバージョン「578821692」では、マルチポイント接続はできませんでした。
こちら、気になったので、実際に購入して試してみましたが、現時点ではマルチポイントへの対応を確認できていません。
公式で確認できる最新ソフトウェアバージョン: 578821692にて検証しています。 https://t.co/Kg4ITwfmqv
— spkNote (@spk__note) November 27, 2022
しかし、数日経ったあと、「603267242」にアップデートしたタイミングで、マルチポイントが使えるようになっていました。
思わず興奮してしまった……!
ちょおおおおおおおお!!!!!!!!!!
BFで絶賛セール中の「Echo Buds 第2世代」、マルチポイント対応を確認しました!!!!!!!
デバイスのソフトウェアバージョンは「603267242」です。
まじでみなさん、これは「買い」です!!https://t.co/lfCasJZQNV https://t.co/8lwIbH0S6K pic.twitter.com/oHnCJfgyFj
— spkNote (@spk__note) November 29, 2022
以下、マルチポイント接続の挙動を検証した結果です。
操作 | 挙動 |
---|---|
端末側からペアリングモードへ移行 | できない。 Alexaアプリ、ケースで可能 |
A再生中に停止 →続けざまにBを再生 | 切り替えはスムーズ。 Bの再生の遅れは気にならない。 |
A再生時にBを再生 | Aの再生は止まらないし、 Bの再生も始まらない |
A再生時にBが着信 | Bの着信音が鳴動 |
A再生時にBが通知 | Bの通知音は鳴らず、Aの再生が続く ※アプリ、サービス、環境によって 異なると思われます。 |
A・B接続時に、登録済み端末C のBluetooth設定から選択 | 上書き接続(オーバーライド接続) できる |
オーバーライド接続したときの挙動
Echo Budsは以前より、端末側から操作をしてBluetooth接続を上書きする「オーバーライド接続」に対応していました。
今回、マルチポイントに対応したことで、2台までは同時接続、3台目からはデバイス側からBluetooth接続することで、「2席あるイスの1席を奪う仕様」に変更されました。
ただし、AとBを接続中にCを接続したとき、AorB、どちらの接続が解除されるのか、法則性は見つけられませんでした。
おそらく「接続の強度」が関わっていると思われますが、ユーザー側では制御できません。
特定のデバイスとの接続を固定できるような機能があれば、より便利になりそうだと感じました。
(2022年11月にマルチポイントに対応したソニーのLinkBudsシリーズでは、再生機器を固定できる、という報告がなされています。)
#LinkBuds なるほどこうなるのか
このマルチポイント便利過ぎ
再生機器固定できるとか神アプデやろ#Sony pic.twitter.com/uGDkFiXL6w— さおやす (@yasao_0112) November 18, 2022
「◯◯に接続しました/◯◯の接続を解除しました」
ちなみにEcho Budsはデバイスに接続すると「iPhoneに接続しました」、解除すると「iPhoneの接続を解除しました」のようにアナウンスされます。
(これもマルチポイントと同時期のアップデートで対応したみたい。)
- iPhone→iPhone
- Androidスマホ→スマートフォン
- Mac→パソコン
- iPad→タブレット
僕の環境で確認できたデバイス名は、上記の4種類でした。
イヤホンにAlexaが内蔵されているメリット
実はEcho Buds以外にも、Amazon Alexaを搭載したイヤホン(Alexa Buli-in)は、けっこうあります。
- Jabra Elite 7 ProなどのJabra製品
- WS-A1などのKENWOOD製品
- WF-1000XM3などのソニー製品
これまでにもいくつかの製品を使ったことがありますが、ぶっちゃけ、Alexaがイヤホンに内蔵されているメリットを見出すことができずにいました。
基本的にBluetoothイヤホンはスマホやMacに接続しているので、Alexaがなくても、SiriやGoogleアシスタントで事足りてしまいます。
今回、数日間かけて、「Alexa Buli-in」だからこそのメリットを考えながら使ってみましたが、Amazon Musicをシームレスに再生できることくらいしか、使い道が見つかりませんでした。
(Siriでは一発でAmazon Musicを再生できない。)
一方、自宅をAlexaによってスマートホーム化している人にとっては、Alexa Buli-inのイヤホンの有用性はハンパないと思います。
【注意】Alexaアプリがインストールされている端末との接続が必須
Alexa Buli-inはAmazon echo などのように、それ単体でネットワーク通信をするわけではなく、スマホやタブレットなどのAlexaアプリを利用します。
そのため、Alexaアプリがインストールされている端末と接続されていない状態では、ウェイクワード(「アレクサ」)でAlexaを使えません。
いつでもAlexaを呼び出したいなら、iPhone、Android、iPadなど、接続する可能性があるすべての端末に、Alexaアプリを入れておく必要があります。
Echo Budsの微妙なところ
しばらく使って感じた微妙なところは以下のとおり。
- 「ANC/外部音すべてをオフ」時でも、ホワイトノイズが気になる
- バッテリーが心もとない
- マルチポイント接続時の挙動が不安定
特に気になったのが、ホワイトノイズ。
「イヤホンは付けているけれど、何も再生しない時間」って、1日の中でも長いと思うんですが、そんなときでも、ノイズが気にって仕方ありません。
先述のとおり「省電力モード」にすることでノイズを低減できますが、すると、ANC、外部音取り込みはもちろん、Alexaまで使えなくなります。
また、対応したばかりということもあり、マルチポイントの接続(主に切り替えの場面において)が、少し不安定だと感じることがありました。
この辺は、今後のアップデートによって安定してくると思うので、そこまで心配していません。
セール時に買うなら「アリ」。使い方を探す楽しみも
Echo Buds 第2世代がマルチポイントに対応したことは、最近のマルチポイントシーンにおいては大きな出来事であり、とても興奮しました。
定価なら微妙ですが、今回のブラックフライデーのように、5、6,000円台で買えるなら、マルチポイントモデルの中では随一のコスパモデルとなります。
Alexa Buli-inで、自分なりの使い方を探していくのも楽しめるデバイスです。
特にAlexaでスマートホームを構築している人にとっては、有力な選択肢になるはずです。
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