Edifier W320TN実機レビュー。上書き接続にも対応したマルチポイント×インナーイヤー

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以前、インナー×マルチポイント対応の「SOUNDPEATS Air4」を紹介しました。

2023年8月、SOUNDPEATS Air4を強く意識した競合製品「Edifier W320TN」が発売されたので、さっそく購入。

実際に使用してみて感じたことを共有します。

==この記事の結論==
貴重なマルチポイント対応のインナーイヤーで、なおかつ端末側からの上書き接続にも対応しており、3台以上の接続で非常に使い勝手が良い。

ただし、LDAC接続時はマルチポイント機能自体をオフにしないといけないのは、使いづらい。ちなみに単独接続時でも上書き接続ができる。

✅ Edifier W320TNの長所

  • 上書き接続に対応
  • 防塵防滴はIP54
  • LDAC接続可
    (マルチポイント無効時)
  • 外部音取り込み
  • 解像感が高い

🤔 Edifier W320TNの短所

  • バッテリーが公称よりもやや持たない
  • アプリの接続が不安定
  • AACに対応していない
  • 操作のクリック感が弱い
  • マルチポイント or LDAC 二択
  • マルチポイント接続時の機敏な対応は苦手
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Edifier W320TNのスペック

タイプ インナーイヤー型 ANC
カラー ・ホワイト
・グレー
外部音取込
重量 ・片耳 約4.3g(実測)
・ケース込 約51g
装着検出
連続再生 ・単体:5.5時間(ANCオフ)
・ケース込:27,5時間(ANCオフ)
片耳
充電時間 ・イヤホン 60分
(10分で1時間再生)
・充電ケース 約90分
ワイヤレス
充電
充電コネクタ USB Type-C 専用アプリ
防水 IP54 低遅延
(80ms)
対応
コーデック
SBC / LDAC 価格 11,990円
Bluetooth 5.3 その他 ・感圧センサー式
コントロール

スペックシートを見た段階で感じたメリデメは以下。

  • メリット
    感圧センサー式のコントロール
    防水がIP54と高め
  • デメリット
    ACCに非対応

Edifier W320TN 実機レビュー

今回購入したのはグレーカラー。

ケース本体のサイズはAirPods Proとほぼ同じくらい。ケースは傷がつきやすそうな光沢のある樹脂で、高級感があるとは言い難いです。

つくり自体はしっかりしています。

本体もケースと同様に光沢のある仕上げ。これ、グレーだからプラスチック感が出てしまいますが、ホワイトならもう少し見栄えは良いかも。

スティック部は最近の同タイプの製品としては少し長めな印象。

AirPodsの様に曲線ではなく、ストレートなスティックです。個人的にはこちらの方がシュッとしていて好きかも。

音の出口は2つに分かれている珍しいつくりです。

装着感

インナーイヤーはイヤーチップで装着感を調整できないので、自分の耳に合うかが重要です。

個人的には、初めて装着したときは「少しだけ小ぶりかな」と感じました。ただ、頭を振ったりしてグラグラしてしまうようなレベルではありません。

最近のインナーイヤーらしく、初めて使った日から長時間装着していても、ストレスや痛みを感じることはありませんでした。

操作性

Edifier W320TNの操作は本体のスティック部分をつまむことで操作する「AirProds Pro」方式です。

イヤホンが耳に装着されているときのみ、操作できます。

しかし、クリック感がAirPods Proよりもかなり軽く、人によっては反応したかどうかの判別がつきづらいかもしれません。

※一応、アプリでクリック感の強度を0〜15段階で調整できますが、1〜15までほとんど(というか、全く)クリック感が変わりません……。

デフォルトでは以下のように操作が割り当てられています。

音量の操作はできませんが、アプリで割り当てることができます。

1クリックは「再生/一時停止」で固定されており、2クリック、3クリック、2秒長押しを左右、それぞれカスタマイズできます。

※手動で電源を切ることはできませんが、アプリから即時で電源を切ったり、10分〜1.5時間後までの指定した時間に電源を切ることができます。

ただし、イヤホン単体では電源を入れることはできません。一度、ケースに戻して、再度取り出す必要があります。

※本体単体でペアリングモードへ移行することはできません。また、現在接続されているデバイスをすべて切断しても、ペアリングモードには移行しません。ケースに戻して、蓋を空けた状態でケースのボタンを3秒長押しします。

※後述しますが、2台接続した状態で、登録済の3台目の端末側から上書きで接続できます。

バッテリー持続時間

公称値は以下のとおり。

  • イヤホン単体 5.5時間(ANCオフ)
  • ケース込み 27,5時間(ANCオフ)

今回、50%程度の音量で約1時間、ANCオフで音楽を再生したところ、以下の結果となりました。

このペースだと1回の充電で約4時間程度といったところでしょうか。あと、少し左右で減りのバランスが悪いのが気になります。

バッテリー持ちはソフトウェアのアップデートで改善したりすることもあるので、期待したいところです。

音量の段階

  • iPhone:0〜16段階(端末操作では0〜16)
  • Android:0〜15段階(端末操作では0〜30)
    ※Xperia 5 IV

ちなみにEdifier W320TNは操作音の音量を調整できます。

アプリ

アプリでできることは以下のとおり。

  • イコライザー設定
  • 低遅延モードオン・オフ
  • ANCオン・外部音取り込み・オフ
  • アンビエントサウンド(睡眠音楽)の再生
  • 操作カスタマイズ
  • イヤホンを探す(イヤホンから音を出す)
  • 電源のオン・オフ
  • おやすみタイマー(時限シャットダウン)

イコライザーはプリセットの4種類の中から選べます。

正直、この4つの違いはわかりませんでした……。あと、オリジナルのカスタマイズはできません

あとAndroidのアプリは接続がやや不安定でした。

遅延

動画視聴においては、通常モードでも遅延はそこまで感じませんでした。

動画編集は遅延がありますが、低遅延モード(ゲームモード)にすることで、不自由なく編集できるレベルになります。

ゲームモードにすると少し接続が不安定になることがあるので、常時はオフで問題ないと思います。

ANC(アクティブ・ノイズキャンセリング)

インナーイヤーのANCはあくまでおまけ程度。

そんな気持ちであまり期待はしていませんでした。

屋内ではその効果はほとんど感じられませんでしたが、これが屋外で散歩をしたときに化けました

もちろんインナーイヤーという前提ではありますが、「カナル型のパッシブ・ノイズキャンセリング」くらいのレベル感で、不快な低音を除去できました。普通に実用的です。

ただANCをオンにしていると、少しボーボーという風切り音が気になりました。

外部音取り込み

インナーイヤーで外部音取り込み機能はさすがに不要です。

(無駄に)-3〜+3まで強度を調整できます。

デフォルトではアンビエントモードの切替え(左スティック2秒長押し)は「ANCオン↔ANCオフ」のみで、外部音取り込みへの切り替えはできません。

アプリで追加できますが、特に使わなくても良いと思います。

音質

一聴してその解像感の高さを感じることができました。

  • 最近、一軍として利用していたTRUEFREE T3(実売3,000円台)と比べれば、明らかに鮮明
  • ボーカルが近く、透明感が気持ち良い
  • 低音は程よく、ドスドス効かせるタイプではない

装着感同様に、軽やかに、颯爽とした楽曲を聴くのが楽しいと感じました。

ちなみに対応コーデックは「SBC」と「LDAC」のみ。この価格帯でAACに対応していないのは、少し謎みがあります。

マイク音質は以下のとおりです。

接続・マルチポイントの挙動

マルチポイント接続に関する挙動は以下のとおり。

操作 挙動
端末側からペアリングモードへ移行 できない
ケースに入れ、蓋を開けた状態で蓋のボタンを3秒長押し
電源オン時の挙動 前回、電源をオフにしたときに接続されていた
端末(最大2台)に自動で接続
通信圏外に移動して接続解除
→再び通信圏内に戻ったとき
自動で復帰する
A再生中に停止
→続けざまにBを再生
5秒くらいは間を空けないと、Bの音が出力されない
A再生時にBを再生 Aの再生は止まらず、Bが無音で再生される
A再生時にBが着信 Aの再生が無音になって(止まらず)Bが鳴動
→通話終了後にAの音声に自動で復帰する
(自分で止めない限り、Aの再生は通話中も続いている)
A再生時にBが通知 Aの再生は止まらず、Bの通知音は鳴らない
※アプリ、サービス、環境によって異なる
A・B接続時に、登録済み端末C
のBluetooth設定から選択
上書き接続(オーバーライド接続)可能!
原則は「先入れ先出し」。
ただし、直前で利用していた端末が優先してロックされる
マルチポイント接続時のコーデック SBC止まり
アプリでLDAC機能をオンにするためには
マルチポイント機能そのものをオフにする必要がある

Edifier W320TNはすでに2台の端末と接続された状態で、3台目の端末側からの操作による上書き接続に対応していました!

これによって、2023年9月現在、「インナーイヤー×マルチポイント×上書き接続」に対応したモデルとしては、僕が知る限り最も安価に購入できる製品に。

マルチポイントの挙動については「ゆっくり、確実に」というイメージ。

2台の端末で数秒の間に再生を切り替えると、ついて行けないところもありましたが、実用のシーンでは問題ありません。

マルチポイント or LDACの二択

この端末の最大の懸念点とも言えるのが、これ。

Edifier W320TNはマルチポイント接続、LDAC接続、どちらもアプリから「オン」にしておかないと機能しません。

で、マルチポイント接続の機能を「オン」にすると、LDAC接続をオンにできません。

2023年現在、マルチポイントとLDACを両立できない製品は珍しくありません。しかし、「LDAC接続したいなら、マルチポイントの機能そのものを無効にしなければいけない」というのは、ちょっと厳すぎやありませんか……。

(他の製品だと、LDAC接続したいときだけ、片側の接続を解除すればいいものもある)

※ただし、マルチポイント機能をオフにしても「上書き接続機能」は有効です。例えば、普段はAndroid(LDAC)単体で使っていても、iPhoneやMac、タブレットなどから接続を試みれば、簡単に上書き接続できます。

Edifier W320TNとSOUNDPEATS Air4の比較

Edifier
W320TN
SOUNDPEATS
Air4
SOUNDPEATS Air4
タイプ インナーイヤー型 インナーイヤー型
カラー ・ホワイト
・グレー
・マットブラック
重量 ・片耳 約4.3g(実測)
・ケース込 約51g
・片耳 約4g
・ケース込 約38g
連続再生 ・単体:5.5時間
(ANCオフ時)
・ケース込:27,5時間
(ANCオフ時)
単体 6.5時間
(ANCオフ時)
・ケース込 26時間
(ANCオフ時)
充電時間 ・イヤホン 60分
(10分で1時間再生)
・充電ケース 約90分
・イヤホン 90分
・充電ケース 約120分
充電コネクタ USB Type-C USB Type-C
防水 IP54 IPX4
対応
コーデック
SBC / LDAC SBC / AAC / aptx /
aptX adaptive /
aptX Lossless
Bluetooth 5.3 5.3
ドライバ 13mm径
ダイナミックドライバー
13mm径
ダイナミックドライバー
チップ QCC3071
ANC
外部音取込
装着検出
片耳
ワイヤレス
充電
専用アプリ
・イコライザー設定
・ゲームモード
・ANC/外部音取り込み/オフ
切り替え操作
・睡眠音楽の再生
・操作カスタマイズ
・イヤホンを探す
(イヤホンから音を出す)
・電源のオン・オフ
・LDAC、マルチポイント
の無効化
・おやすみタイマー
(時限シャットダウン) など

・聴力テストによる
聴こえ方の最適化
・イコライザーの設定
(プリセット/カスタム)
・ANC/オフ 切り替え操作
・ゲームモード
・ワンクリック操作の無効化
・ファームウェアアップデート など
低遅延
(80ms)

(記載なし)
価格 11,990円
(Amazon)
8,980円
(Amazon)
発売日 2023年8月 2023年7月
備考 ・マルチポイント対応
・感圧センサー式
コントロール
・マルチポイント対応
・Snapdragon Sound対応

【Edifier W320TNの長所】

  • 上書き接続に対応
  • 防塵防滴はIP54
  • LDAC接続可
    (マルチポイント無効時)
  • 外部音取り込み
  • 装着検出
  • 解像感が高い

【SOUNDPEATS Air4の長所】

  • 軽量
  • バッテリー持ち
  • aptX Lossless 接続可
  • AACににも対応
  • 低音もわりと出る
  • 価格が安い

それぞれ、わりと特徴がはっきりしているので、上記の長所にビビッときた方を選べばOKです。

僕だったら……上書き接続の使い勝手を取りたいのと、少しでも防塵防滴が期待できるEdifier W320TNを選びます。

ちなみに、SOUNDPEATS Air4には、LDAC対応バージョンの「SOUNDPEATS Air4 Lite」という派生モデルがあります。

LDACを求めるなら、こちらも選択肢に入ります。

上書き接続できるのが強い

✅ Edifier W320TNの長所

  • 上書き接続に対応
  • 防塵防滴はIP54
  • LDAC接続可
    (マルチポイント無効時)
  • 外部音取り込み
  • 解像感が高い

🤔 Edifier W320TNの短所

  • バッテリーが公称よりもやや持たない
  • アプリの接続が不安定
  • AACに対応していない
  • 操作のクリック感が弱い
  • マルチポイント or LDAC 二択
  • マルチポイント接続時の機敏な対応は苦手

何を優先したいのか、Android/iPhoneユーザーかでも、この製品への評価は大きく変わってきます。

執筆時点でiPhoneの利用の方が多い僕にとっては、

  • iPhoneにLDACは関係ないので、マルチポイントを選択できる
  • 上書き接続が安定して使える

この2点だけでも、デメリットを補って余りあると感じます。

SOUNDPEATS Air4とよりも、若干、価格が気になるところですが、おそらくセール時には1万円以下に下がってくると思います。そのタイミングで狙ってみるのが良きです。

前回「インナーイヤー×マルチポイント探しの旅が終わった」と自信満々に言っていましたが、前言撤回しますm(_ _)m

これは良い製品です。

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