SOUNDPEATS Air4 自腹レビュー。マルチポイント×ノイキャン×インナーイヤー

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2023年5月頃から積極的にマルチポイント対応製品のリリースを始めたSOUNDPEATSから、遂にインナーイヤー型のマルチポイントモデル「SOUNDPEATS Air4」が登場。

インナーイヤーユーザーから根強い支持を集めるAirシリーズということで、間違いない感が漂っています。

発売日に購入してサッと使ってみた1stインプレッションを共有します。

==この記事の結論==
インナーイヤー型イヤホンの最適解、終着点のひとつになり得る。

ANCは音楽体験のサポートに徹している感じ。バッテリーを優先するならオフでも良いかも。

マルチポイントの挙動は優秀。

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SOUNDPEATS Air4のスペック

SOUNDPEATS Air4

タイプインナーイヤー型ANC
カラー・マットブラック外部音取込
重量・片耳 約4g
・ケース込 約38g
装着検出
連続再生・単体:6.5時間(ANCオフ)
・ケース込:26時間(ANCオフ)
片耳
充電時間・イヤホン 90分
・充電ケース 約120分
ワイヤレス
充電
充電コネクタUSB Type-C専用アプリ
・イコライザー など
防水IPX4低遅延
対応
コーデック
SBC / AAC / aptx /
aptX adaptive /
aptX Lossless
価格8,980円
Bluetooth5.3その他Snapdragon Sound

スペックシートを見た段階で感じたメリデメは以下。

  • メリット
    インナーイヤーでANC、aptX Lossless、Snapdragon Sound認証モデル
  • デメリット
    防水はIPX4と普通

SOUNDPEATS Air4 実機レビュー

SOUNDPEATS Air4

ほぼ正円で小ぶりなケース。こちらは裏側でヒンジ部にはSOUNDPEATS製品おなじみのカッパーゴールドのあしらい。これ、ホンマに好きです。

SOUNDPEATS Air4

男性の手の中に収まるくらいのサイズ感。AirPods Proよりも、さらに一回り小さいくらい。

SOUNDPEATS Air4

正面にペアリングスイッチ。

SOUNDPEATS Air4

本体はこんな感じ。

センサーが付いているSマークの部分は、光が当たる角度によって表情が変わります。

SOUNDPEATS Air4

SOUNDPEATS Air4

先代のAir3は手放してしまったので直接比較はできませんが、おそらく筐体のサイズはそれほど変わってないんじゃないかと。

柄の長さは実測2.2cm。最近はコレくらいの少し短めが主流。

SOUNDPEATS Air4

AirPodsよりは気持ち長いかなぁ、くらい。

装着感

SOUNDPEATS Air4

インナーイヤーなのでイヤーピースを使った微調整はできません。自分の場合は装着感に問題なし。数時間程度の装着では痛くなることはありませんでした。

軽い装着感は言うまでもありません。後述しますが。このイヤホンの性能を最大限に発揮するためには、スティック部を可能な限り下に向けることがポイントです。

操作性

デフォルトでは以下のコマンドが割り当てられています。

操作
・音量ダウン1タップ・音量アップ
・再生/一時停止
・受話/終話
2タップ・再生/一時停止
・受話/終話
・ゲーミングモード3タップ・ボイスアシスタント
・ANCオン↔オフ
・着信拒否
1.5秒長押し・曲送り
・着信拒否
・電源オン(手動)
・通話切り替え2秒長押し・通話切り替え
・電源オフ10秒長押し・電源オフ

「曲戻し」以外の操作がすべて割り当てられています。

手動で電源のオン・オフができるのも良き。どちらか片側を10秒長押しで電源を切れます。電源のオンは、左右、それぞれで1.5秒長押しする必要があります。

単体でのペアリングモードへの移行はできず、ケースに戻してボタンを3秒長押します。

バッテリー持続時間

  • ANCオン、50%くらいの音量で1時間の音楽を視聴:約22%減
  • ANCオンで待機:1時間で約15%の減

公称値では「単体で最大6.5時間」を謳っていますが、ANCオンだとそこまで持たないでしょう。単純計算で5時間持つかどうか、くらいだと思います。

個人的な感覚としてはバッテリーの減りが早いようにも感じました。まぁ、インナーイヤーはこんなものなのかも。

アプリ

アプリでできることは、他のSOUNDPEATS製品と同じです。

  • 聴力テストによる聴こえ方の最適化(アダプティブイコライザー)
  • イコライザーの設定(プリセット/カスタム)
  • ANC/オフ 切り替え操作
  • ゲームモード
  • ワンクリック操作の無効化
  • ファームウェアアップデート

聴力テストによって、自分に最適化された聴こえ方で楽しめます。

ANC(アクティブ・ノイズキャンセリング)

これは評価がめちゃくちゃ難しいです。どこまで求めるか、何を求めるかで、評価は大きく変わります。

個人的には「低音のほんまに一部の音域の不快な音が低減される」くらいの効果は感じました。

この機能は静寂をつくるためではなく、あくまで騒がしい場所での音楽視聴の最適化が目的だと感じました。自宅などの静かな場所ではオフでも良いかも。

ただ、そもそもこの時代にあえてインナーイヤー型を選ぶユーザーは、カナル型の閉塞感やANCの水に潜ったような感覚が苦手なんじゃないかと思われます。

僕も今回、初めてANCをオンにしたときに、ツーンとする感覚が「ちょっと、しんどいかも」と感じました(1時間もすれば慣れました)。

あと先述しましたが、ANCの効果を最大限に発揮するためには、可能な限りスティックを下方向に向け、フィットする箇所に落ち着かせてみてください。

【良い例】

SOUNDPEATS Air4

【悪い例】

また、試してませんが、もしかしたら、インナーイヤー向けのイヤーフィン(カバー)を装着すると、さらにANCの効果を高められるかもしれません。

あ、屋外で使うと、少し風切り音が気になりました

音質

SOUNDPEATS Air4は

  • aptX Adaptive:最大96kHz/24bitのハイレゾ相当
  • aptX Lossless:最大44.1kHz/16bit(転送ビットレート約1.1〜1.2Mbps前後)のCD音質相当

での音楽再生に対応しています。

ちなみに転送ビットレート(1秒間にどれだけのbitを転送できるか)は、LDACよりも
aptX Losslessの方が高い数値のようです。SOUNDPEATS Air4
参照 SOUNDPEATS

自分の環境ではaptX Losslessを再生できる環境がないため、今回はaptX Adaptiveまでの視聴を体験しました。

  • インナーイヤーの割には低音の効きが強く、沈み込む感じを得られる
  • 想像していたよりも解像感は高くなかった
  • 少しボーカルが奥まったところにいるように感じられた
  • 繊細さよりも迫力寄り、硬めよりも柔らかめ

あくまで最初の印象で、今後変わってくる可能性は高いです。

マイク音質は以下のとおり。

音量の段階

  • iPhone:0〜17段階(端末操作では0〜16)
  • Android:0〜16段階(端末操作では0〜26)
    ※Google Pixel 7

遅延

インナーイヤー全体の傾向かもしれませんが、低遅延モードをオフの状態だと、遅延が気になるかもしれません。

低遅延モードをオンにすると、動画編集でカット編集できるくらいのレベルには遅延を減らすことができました。

接続・マルチポイントの挙動

マルチポイント接続に関する挙動は以下のとおり。

操作挙動
端末側からペアリングモードへ移行できない
ケースに入れ、蓋を開けた状態で蓋のボタンを3秒長押し
電源オン時の挙動前回、電源をオフにしたときに接続されていた
端末(最大2台)に自動で接続
通信圏外に移動して接続解除
→再び通信圏内に戻ったとき
自動で接続が回復する
A再生中に停止
→続けざまにBを再生
かなりスムーズ
A再生時にBを再生Aの再生が停止し、Bの再生が出力される
→Bの再生を止めると、Aの再生が自動で復帰する
※A,BともにYouTube視聴の場合
※出力されるオーディオの種類によって挙動が変化しそう??
A再生時にBが着信Aの再生が停止してBが鳴動
→通話終了後にAの再生が自動で復帰する
A再生時にBが通知Aの再生は止まらず、Bの通知音は鳴らない
※アプリ、サービス、環境によって異なる
A・B接続時に、登録済み端末C
のBluetooth設定から選択
上書き接続(オーバーライド接続)はできない
接続するには2枠の内、1枠を空けておく必要あり
マルチポイント接続時のコーデックaptX adaptive
※aptX Lossless対応端末では未確認

マルチポイントの挙動については優秀な方だと感じます。

複数の端末の切り替えもスムーズ。とくに「A再生時にBを再生」したとき、Aの再生が停止された上でBの再生が出力されたことには驚きました。

(一般的にはそもそもBの再生ができなかったり、Bに切り替わってもAの再生が無音で続くパターンが多い)

ただ、これは出力するオーディオの組み合わせによって、挙動は変わりそうです。

SOUNDPEATS Air4とAir3 Deluxe HSの比較

一応は「前モデル」の位置づけとなる「Air3 Deluxe HS」とのスペックシートの比較は以下のとおり。

SOUNDPEATS Air4SOUNDPEATS
Air3 Deluxe HS
SOUNDPEATS Air4Air3 Deluxe HS
タイプインナーイヤー型インナーイヤー型
カラー・マットブラック・ブラック
・ホワイト
・マットパープル
重量・片耳 約4g
・ケース込 約38g
・片耳 約4g
・ケース込 約36.3g
連続再生・単体 6.5時間
(ANCオフ時)
・ケース込 26時間
(ANCオフ時)
・単体 5時間
・ケース込 20時間
充電時間・イヤホン 90分
・充電ケース 約120分
・イヤホン 90分
・充電ケース 分
充電コネクタUSB Type-CUSB Type-C
防水IPX4IPX4
対応
コーデック
SBC / AAC / aptx /
aptX adaptive /
aptX Lossless
SBC / AAC /
LDAC
Bluetooth5.35.2
ドライバ13mm径
ダイナミックドライバー
14.2mm径
ダイナミックドライバー
チップQCC3071
ANC
外部音取込
装着検出
片耳
ワイヤレス
充電
専用アプリ
・イコライザー など

・イコライザー など
低遅延◯(記載なし)○(60ms)
価格8,980円
(Amazon)
7,180円
(Amazon)
発売日2023年7月2022年10月
備考・マルチポイント対応
・Snapdragon Sound対応

特筆すべき違いは以下のとおり。

  • マルチポイント(あり / なし)
  • ANC機能(あり / なし)
  • 対応コーデック(aptX Lossless / LDAC)
  • ドライバー径(13mm / 14.2mm)
  • 価格(実売約1,500円の差)
  • Snapdragon Sound(あり / なし)

音質については、直接聴き比べたわけではないので、コメントができません。

前モデルとは書きましたが、音へのアプローチが異なっているので、わりと主観で好き嫌いが分かれるかもしれません。

ただ、マルチポイント、ANC、Snapdragon Soundへの対応(恩恵を享受できるかは人による)といった機能が純粋に上乗せされてのこの価格差なら、Air4のコスパは良いのでは。

マルチポイント×ノイキャン×インナーイヤーの終着点

SOUNDPEATS Air4

SOUNDPEATS Air4のリリースを見たとき「遂に登場したか」と唸りました。

インナーイヤーはカナル型と比べてニーズが少なく、各メーカーとも積極的には展開しづらい製品です。

そんな中でも、これまでインナーイヤーユーザーを見捨てることなくフォローし続けてくれたSOUNDPEATSが投入したAir4は、インナーイヤーユーザーの一つの終着点とも言える製品になるかもしれません。

Snapdragon Soundにも対応しているので、将来性もあります。

ちなみに過去のパターンだと、もしかしたら別カラーの展開があるかもなんで、それまで購入を待っても良いかもしれません。

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