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2023年3月に発売したマルチポイント対応のHUAWEI FreeBuds 5i。
クオリティに定評があるHUAWEIの製品。今回自腹で購入して使ってみたので、感じたことを共有します。
さすがHUAWEIだな……という一品でした!
==この記事の結論==
音質よりも接続性、使い勝手に振り切った1台。とは言え、音質も悪いわけではない。
2023年6月現在、マルチポイントかつ端末側からの上書き接続(オーバーライド接続)に対応したモデルとしては、最安水準で購入できる1台。
新しいイヤホンと合わせて、ぜひ!

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HUAWEI FreeBuds 5iのスペック
タイプ | カナル型 | ANC | ◯ (最大42dB) |
---|---|---|---|
カラー | ・アイルブルー ・ネビュラブラック ・セラミックホワイト | 外部音取込 | ◯ |
重量 | ・片耳 4,9g ・ケース込 38.8g | 装着検出 | ◯ |
連続再生 | ・単体: – ANCオン 6時間 – ANCオフ 7.5時間 ・ケース込: – ANCオン 18.5時間 – ANCオフ 28時間 | 片耳 | ◯ |
充電時間 | ・イヤホン 60分 (約15分で80% まで充電) ・充電ケース 110分 (合計170分) | ワイヤレス 充電 | ー |
充電コネクタ | USB Type-C | 専用アプリ | ◯ ・イコライザー ・イヤホンを探す など |
防水 | IP54 | 低遅延 | ◯ |
対応 コーデック | SBC / AAC / LDAC | 価格 | 11,800円 |
Bluetooth | 5.2 | その他 |
スペックシートを見た段階で感じたメリデメは以下。
- メリット
IP54と防塵防滴はしっかりめ、LDAC対応、装着検出 - デメリット
Bluetoothのバージョンが1世代古い、ワイヤレス充電非対応
HUAWEI FreeBuds 5i の実機レビュー
今回購入したのは「アイルブルー」。
グレーに近いブルーで、河原に転がっている石のような可愛らしさがあります。
ケース底面にType-C端子口、右側にペアリングボタンが付いています。
ケースのビルドクオリティも、さすがHUAWEI製品という作り。安っぽさはありません。
こちらが本体。
スティック部の長さは約28mm。
筐体の全体的なサイズはAirPods Proとほぼ同じと言って良いでしょう。
軸もAirPods Proのような、短めなオリジナル形状。
他のイヤーピースの流用は難しく、基本的には付属のもの(SML3種)から選んで使用することになります。
装着感
悪くありません。スティックタイプならではの装着のしやすさと、軽い付け心地。個人的には数時間の装着で痛くなることはありませんでした。
遮音性は特別に高いわけではなく、かと言って、スカスカでもなく、至って普通です。
操作性
センサーの感度はよく、思ったように操作できます。
デフォルトでは以下のコマンドが割り当てられています。
左 | 操作 | 右 |
---|---|---|
・再生/一時停止 ・(曲送り) ・(曲戻し) ・(音声アシスタント) ・受話 | 2タップ | ・再生/一時停止 ・(曲送り) ・(曲戻し) ・(音声アシスタント) ・受話 |
・ANC↔オフ↔アンビエント ・(曲を識別) ・着信拒否 | 長押し | ・ANC↔オフ↔アンビエント ・(曲を識別) ・着信拒否 |
・音量調整 | スワイプ | ・音量調整 |
誤操作防止のため、1タップは無効です。イヤホン単体でペアリングモードへの移行、電源のオン・オフはできません。
アプリからカッコ内の操作を割り当てることができます。
またこの価格帯の製品では貴重なスワイプでの音量調整と装着検出に対応しています。
ただし、「2タップ」に選べる操作が集中してしまっているので、すべての操作を割り当てることはできません。
また装着時は、ご覧のように、かなり内向きに傾斜します。
初めはセンサーに指を沿わせるようにしてタッチするのが難しいかもしれません。
バッテリー持続時間
30%くらいの音量、ANCはオンの状態で、約1時音楽を視聴した結果、バッテリーは15%程度減りました。
単純計算で7時間程度持つことになります。ほぼ公称のとおりです。
アプリ
アプリでできることは非常にシンプルです。
- ANC↔オフ↔外部音取り込み
(どちらも「オフ」の項目の削除可) - イコライザー設定(デフォルト/低音強調/高音強調)
※カスタム設定は不可 - ジェスチャー操作のカスタマイズ
- イヤーチップの適合テスト
- イヤホンを探す(音を鳴らす)
- ソフトウェアの更新
- その他設定(装着検出オンオフ、低遅延モードオンオフ)
ANC(アクティブ・ノイズキャンセリング)
この価格帯のANCとしては、質は高い方だと思います。
公称では最大42dBの低減効果があるとのこと。屋内の扇風機、空気清浄機、クーラーくらいの音であれば、ほぼかき消せます。
またホワイトノイズは、ほとんど気になりません。
ANCの強度は3段階(くつろぎ/標準/ウルトラ)から選択が可能。
最強の「ウルトラ」は、水に潜ったようなツーンとした圧迫感を感じるかもしれません。
外部音取り込み
非常に自然な聞こえ方に近いです。
安いイヤホンにある、人工的に音を集音して拡大しているような粗悪な感じはありません。
音質
音質については正直なところ、特別に感動するようなものではありません。
1万円以下で、もっと解像感の高いものはいくらでもあります。
- 低音は控えめで中、高音が聴きやすい
- 特筆すべき解像度の高さは感じない
- 柔らかめな質感でオールマイティに使える
- ポッドキャスト、ラジオなど人の声との相性は良い
先に見たアプリのイコライザー設定の簡易さから、HUAWEI的にも「音質よりも利便性」と割り切っているように感じます。
マイクの音質は以下のとおり。
音量の段階
- iPhone:15段階(端末操作では0〜16)
- Android:15段階(端末操作では0〜26)
※Google Pixel 7
遅延
HUAWEI FreeBuds 5iは低遅延モードを搭載。
低遅延モードの効果ははっきりと感じます。
低遅延モードをオンにすることで、動画編集(カット編集)にも耐えうるくらいの遅延に低減されました。
ただし、低遅延モードのオン/オフはアプリからしか変更できません。
接続・マルチポイントの挙動
使いやすさを左右する接続精度、マルチポイントの挙動は以下のとおり。
操作 | 挙動 |
---|---|
端末側からペアリングモードへ移行 | できない ケースに入れ、蓋を開けた状態で蓋のボタンを長押し |
電源オン時の挙動 | 前回、電源をオフにしたときに接続されていた 端末(最大2台)に自動で接続 |
A再生中に停止 →続けざまにBを再生 | かなりスムーズ |
A再生時にBを再生 | A再生時にBを再生Aの再生は止まらず、 Bが無音で再生される |
A再生時にBが着信 | Aの再生が停止してBが鳴動 →通話終了後にAの再生には自動で復帰しない |
A再生時にBが通知 | Aの再生は止まらず、Bの通知音は鳴らない ※アプリ、サービス、環境によって異なる |
A・B接続時に、登録済み端末C のBluetooth設定から選択 | 上書き接続(オーバーライド接続)に対応 |
マルチポイント接続時のコーデック | 1台だけでもLDAC接続できない? |
マルチポイントの挙動はかなり安定しています。
特筆すべきは、すでに2台接続している状態で、3台目の端末側から接続を試みることで、上書きができること(オーバーライド接続)。
ただし、接続を固定する機能はないため、3台目を接続したときに、1台目と2台目、どちらの接続が解除されるのかは、やってみないとわかりません。
HUAWEI FreeBuds 5iとEarfun Air Pro 3の比較
おそらくHUAWEI FreeBuds 5iの最大のライバルとなるのが、U1万円で最強コスパを誇るEarfun Air Pro 3でしょう。
スペックシートの比較は以下のとおり。
HUAWEI FreeBuds 5i | Earfun Air Pro 3 | |
---|---|---|
![]() | ![]() | |
タイプ | カナル型 | カナル型 |
カラー | ・アイルブルー ・ネビュラブラック ・セラミックホワイト | ・ブラック ・ホワイト |
重量 | ・片耳 4.9g ・ケース込 43.5g(実測) | ・片耳 5.2g ・ケース込 52g |
連続再生 | ・単体:6時間 (ANCオフで7.5時間) ・ケース込:18.5時間 (ANCオフで28時間) | ・単体:7時間 (ANCオフで9時間) ・ケース込:45時間 |
充電時間 | ・170分 ・15分で240分再生 | ・120分 ・10分で120分再生 |
充電コネクタ | USB タイプC | USB タイプC |
防水 | IP54 | IPX5 |
対応 コーデック | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC / aptX Adaptive / LC3(予定) |
Bluetooth | 5.2 | 5.3 |
ドライバ | 10mm径 ダイナミックドライバー | 11mm径 ダイナミックドライバー |
チップ | ー | QCC3071 |
ANC | ◯(42db) | ◯(43db) |
外部音取込 | ◯ | ◯ |
装着検出 | ◯ | ー |
片耳 | ◯ | ◯ |
ワイヤレス 充電 | ー | ◯ |
専用アプリ | ◯ 操作カスタム EQ など | ◯ 操作カスタム EQ など |
低遅延 | ○(記載なし) | ○(55ms) |
価格 | 11,800円 (Amazon) | 8,990円 (Amazon) |
発売日 | 2023年3月 | 2023年1月 |
HUAWEI FreeBuds 5iの優位なポイントは
- 防塵防滴
- 装着検出
- 3台目以降の端末側からの上書き接続に対応(オーバーライド接続)
個人的にはHUAWEI FreeBuds 5iの使い勝手の方が良いと感じます。
特に僕は上書き接続を重視しているので、それだけでもHUAWEI FreeBuds 5iを選ぶ理由になると感じます。
一方で、そこそこ楽しめる音質も求めるなら、Earfun Air Pro 3を選んだほうが幸せになれるかもしれません。
マルチポイント×上書き接続×1万円前後の最適解
HUAWEI FreeBuds 5iは音質よりも使いやすさに振り切った1台。
逆に言えば、音楽鑑賞よりもYouTubeやポッドキャスト、ビデオ会議など日常使いが主な用途なら、この価格帯では有力な選択肢になるでしょう。
マルチポイント接続かつ端末側からの上書き接続ができる製品としては、現行最安水準です。
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