安価ながら質の高いイヤホンをバンバン投入してくるEarfunから、新しいマルチポイント対応モデル「Air Pro 3」が発売しました。
2023年1月10日の発売日に注文して、さっそく使ってみたので、まとめておきます。
今回も発売前にめちゃくちゃ商品提供あったみたいですね。このレビューは自腹で何の忖度もないので、安心してください。
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Earfun Air Pro 3 のスペック
タイプ | カナル型 | ANC | ◯ |
---|---|---|---|
カラー | ブラック | 外部音取込 | ◯ |
重量 | ・片耳 5.2g ・ケース込 52g | 装着検出 | ー |
連続再生 | ・単体:7時間 (ANCオフで9時間) ・ケース込:45時間 | 片耳 | ◯ |
充電時間 | ・2時間 ・10分で120分再生 | ワイヤレス 充電 | ◯ |
充電コネクタ | USB タイプC | 専用アプリ | ◯ 操作カスタム EQ など |
防水 | IPX5 | 低遅延 | ○(55ms) |
対応 コーデック | SBC / AAC / aptX Adaptive / LC3(予定) | 価格 | 8,990円 (Amazon) |
Bluetooth | 5.3 | その他機能 | ・ |
Amazonでは8,990円で発売しました。
Earfun製品はほぼ常にクーポンかセール価格で購入できるので、実売価格は7,000円台で推移しそうです。
スペックで特筆すべきは、単体で7時間(アクティブ・ノイズキャンセリングオフなら9時間)というバッテリー持ち。
そして、次世代の音声規格「LEオーディオ」のコーデック「LC3」にも対応予定なこと。
Earfun Air Pro 3 実機レビュー
カラーはブラックのみ。
ケースに高級感はありません。
ケース込みの重量は実測で52.2gで、めちゃくちゃ軽いわけではありません。ただ、見た目が安っぽいので、初めて持ったときに本体が入ってないんじゃないか、と錯覚するくらい軽く感じました。
一方でイヤホン本体は塗装によって、高級感を演出しています。
光が当たる角度によって見え方が変わります。
イヤーピースを外すと、ノズル口は少し変わった作りです。ノズルの長さは約3mm。
装着感
スティックタイプは付け外しやすいのが良いですね。
装着感は可もなく、不可もなくという感じです。少なくとも数時間の装着で、ずれ落ちてしまうようなことはありませんでした(ってか、最近のイヤホンって、ほんまに耳に吸い付くようになりました)。
スティックタイプということもあってか、遮音性はそこまで高くありません。備え付けのイヤーチップは安っぽい、よくある感じのやつ。これを変えると、多少、密閉感は高まるかもしれません。
操作性
センサーはイヤホン上部の円形の部分です。
誰が見てもわかりやすく、タッチ感度もいい感じ。
デフォルトの操作は以下のとおり。
左 | 操作 | 右 |
---|---|---|
音量ダウン | 1タップ | 音量アップ |
再生/一時停止 通話の応答・終話 | 2タップ | 再生/一時停止 通話の応答・終話 |
曲戻し 2つの通話に応答・転送?? | 3タップ | 曲送り 2つの通話に応答・転送?? |
ANC/外部音/ノーマル 通話を拒否 | 2秒長押し | 音声アシスタント 通話を拒否 |
すべての操作を任意にカスタマイズできます(「1タップ」はこの操作の中から選びなさい、のような制限もありません)。
個人的には欲しかった「端末側で電源オン・オフ」「端末側からペアリングモードへの移行」はできませんでした。
アプリ
EarFun Audio
Earfun Technology (HK) Limited無料posted withアプリーチ
【アプリできること】
- モード変更(ANC/外部音取り込み/ノーマル)
- ゲーム(低遅延)モードへの切り替え
- イコライザ設定
- タップ操作のカスタマイズ
- ファームウェアアップデート
イコライザはプリセットが4つ。
オリジナルのカスタマイズも登録できます。
ノイズキャンセリング(ANC)・外部音取り込み
公式によるとアクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)の性能は「-43db」。
AirPods Pro(第1世代)ほどの効力はありませんが、車のエンジン音のような低い音に対しては、そこそこ効果を感じます。
外部音取り込みモードは、周囲の音を集音して大きくする系。不快感はなく実用的ですが、自分の声は少しこもります。
マイク音質は以下のとおり。
左右に各3基のcVc8.0ノイズキャンセリングマイクが搭載されています。
比較的静かな環境であれば、マイクのレベルは高めかと。これはスティックタイプの強みです。
音質
使い始めの1st インプレッションです。ちなみにiPhoneなのでAAC接続。
- 低音の迫力が地鳴り
- でも、ボーカル、高音が埋もれている感じもなく、それぞれの音がはっきりと聴こえる
他のレビューでも再三言われていると思いますが、低音は地震前の遠くから響く地鳴りの如くで、恐怖すら覚えました。
しかし、ボーカルや高音の楽器が、底から響いてくる低い音に負けることなく、楽しめる印象。
一通り視聴した後にAirPods Proに切り替えると、スカスカな物足りなさを感じます。
重厚感で音楽が引き締まる感じが、めちゃくちゃわかりやすいです。
最近はAirPods Proの空間オーディオばかり使っているので、音場の広さの感覚がバグって来てますが、いろんなところから、それぞれの音が聞こえてくる空間の存在がそこにある感じは得られました。
接続・マルチポイントの挙動
ペアリングモードへの移行は、イヤホンをケースに戻し、ケースの中央にあるボタンを3秒程度長押しします。
以下、マルチポイント接続の挙動を検証した結果です。
操作 | 挙動 |
---|---|
端末側からペアリングモードへ移行 | できない。 ケースのボタンを3秒長押し |
A再生中に停止 →続けざまにBを再生 | 端末によっては、再生後に 5秒程度音が流れないことがある |
A再生時にBを再生 | 端末の組み合わせによって挙動が異なる。 ・AからBに音声が移るが、Aは無音で再生が続く ・Aが止まり、Bに音声が移る ・そもそもBの再生ができない |
A再生時にBが着信 | Bの着信音が鳴動 →通話終了後、自動でAの再生が復帰 |
A再生時にBが通知 | Bの通知音は鳴らず、Aの再生が続く ※アプリ、サービス、環境によって異なる |
A・B接続時に、登録済み端末C のBluetooth設定から選択 | 上書き接続(オーバーライド接続)不可 |
Earfunの公式は2台同時接続時の再生について、以下のように説明しています。
※デバイス1からデバイス2にスムーズに切り替えるには、デバイス1の音楽を一時停止してからデバイス2に切り替えてください。
予めこのような予防線を張っているところを見るに、接続の切り替えにはまだまだ改善の余地があることを自認されているのかもしれません。
確かにA再生中にBを再生したときの挙動は、その時々で異なり、うまく切り替えられないことが多いようです。
ただ、実際の利用シーンでは、そんな使い方をすることはないんで、実用面での問題はありません。
個人的には2台の接続枠が埋まっているときの、3台目の端末側からの上書き接続(オーバーライド接続)を期待していましたが、対応していませんでした。
2台の内、どちらかの接続を解除した上で、新たな端末に接続する必要があります。
Earfun Air Pro 3とEarFun Air Sのスペック比較
マルチポイント対応モデルとして大ヒットした下位モデル「EarFun Air S」とスペックを比べておきます。
Earfun Air Pro 3 | EarFun Air S | |
---|---|---|
タイプ | カナル型 | カナル型 |
カラー | ブラック | ブラック |
重量 | ・片耳 5.2g ・ケース込 52g | ・片耳 ー g ・ケース込 52g |
連続再生 | ・単体:7時間 (ANCオフで9時間) ・ケース込:45時間 | ・単体:5時間 (ANCオフで6時間) ・ケース込:30時間 |
充電時間 | ・2時間 ・10分で120分再生 | ・2時間 ・ー |
充電コネクタ | USB タイプC | USB タイプC |
防水 | IPX5 | IPX5 |
対応 コーデック | SBC / AAC / aptX Adaptive / LC3(予定) | SBC / AAC / aptX |
Bluetooth | 5.3 | 5.2 |
ドライバ | 11mm径 ダイナミックドライバー | 10mm径 ウール複合素材振動板 |
チップ | QCC3071 | QCC3046 |
ANC | ◯(43db) | ◯(30db) |
外部音取込 | ◯ | ◯ |
装着検出 | ー | ー |
片耳 | ◯ | ◯ |
ワイヤレス 充電 | ◯ | ◯ |
専用アプリ | ◯ 操作カスタム EQ など | ◯ 操作カスタム EQ など |
低遅延 | ○(55ms) | ○(100ms) |
価格 | 8,990円 (Amazon) | 6,999円 (Amazon) |
発売日 | 2023年1月 | 2022年7月 |
Earfun Air Pro 3は、正にEarFun Air Sの上位互換という言葉がふさわしいスペック。
EarFun Air Sは「全部入りのマルチポイントモデル」として、圧倒的なヒットを叩き出しました(このサイトでもたくさん売れている……!)。
すべての機能をもう1段階上のレベルで楽しみたい人には、Earfun Air Pro 3を検討する余地はあるかと。
Earfun Air Pro 3とEarFun Air Pro 2のスペック比較
先代モデル「Earfun Air Pro 2」とも比べておきます。
Earfun Air Pro 3 | Earfun Air Pro 2 | |
---|---|---|
タイプ | カナル型 | カナル型 |
カラー | ブラック | ブラック |
重量 | ・片耳 5.2g ・ケース込 52g | ・片耳 ー ・ケース込 53g |
連続再生 | ・単体:7時間 (ANCオフで9時間) ・ケース込:45時間 | ・単体:6時間 (ANCオフで7時間) ・ケース込:34時間 |
充電時間 | ・2時間 ・10分で120分再生 | ・2時間 ・ー |
充電コネクタ | USB タイプC | USB タイプC |
防水 | IPX5 | IPX5 |
対応 コーデック | SBC / AAC / aptX Adaptive / LC3(予定) | SBC / AAC |
Bluetooth | 5.3 | 5.2 |
ドライバ | 11mm径 ダイナミックドライバー | 10mm径チタンコーティング 複合振動板 |
チップ | QCC3071 | AIROHA |
ANC | ◯(43db) | ◯(40db) |
外部音取込 | ◯ | ◯ |
装着検出 | ー | ◯ |
片耳 | ◯ | ◯ |
ワイヤレス 充電 | ◯ | ◯ |
専用アプリ | ◯ 操作カスタム EQ など | ◯ 操作カスタム EQ など |
低遅延 | ○(55ms) | ー |
価格 | 8,990円 (Amazon) | 7,990円 (Amazon) |
発売日 | 2023年1月 | 2021年10月 |
今作は1年以上ぶりのアップデートです。
前作を使ったことがないので、断言はできませんが、スペックシートを見る限り、やはり、音質の向上には期待しても良いかも知れません。
一点、先代にはあった装着検出による自動再生/停止機能がなくなっています。
上書き接続機能が欲しいなら、HUAWEI FreeBuds 5i
2023年3月にHUAWEIから発売したFreeBuds 5iはマルチポイントのみならず、端末側からの上書き接続にも対応しています。
実売で2、3,000円程度の価格差がありますが、音質よりも複数端末での安定した接続性を重視したいなら、FreeBuds 5iを選ぶ価値は十分あります。
くわしい比較は以下の記事で行っています。
バッズタイプ「EarFun Free Pro3」が発売
2023年10月には、EarFunからほぼAir Pro 3と同スペックで、バッズタイプの「EarFun Free Pro3」が発売しました。
スペック、使い勝手に大きな差はありません。
スティックタイプが苦手だった人は、検討してみても良いでしょう。
この価格帯でワンランク上の全部入り
最近は「全部入り」でアンダー1万円のマルチポイント対応モデルも増えてきました。
正直なところEarfun Air Pro 3を2、3日使っただけでは「ここがスゴイから使い続けたい」という、飛び抜けた部分を見い出せませんでした。
でもよく考えたら
- マルチポイント対応
- スティックタイプ
- 音楽もそこそこ楽しめる(LEオーディオ対応予定)
- ANC、外部音取り込みあり
- 無線充電に対応
これだけの全部入りで実売7,000円台。十分、競合製品とも戦えるのではないでしょうか。
下位モデルのEarFun Air Sは、マルチポイントを求めるユーザーによって、大ヒットしました。
数千円の差ではあるものの、下位モデルともしっかりと差別化されているEarfun Air Pro 3も、引き続きヒット商品になるポテンシャルを秘めています。
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コメント
貴重な自腹レビュー感謝です。特にマルチポイントの挙動についてはこちらが一番詳しくて助かります。さて、いくつか質問させてもらえないでしょうか。
Twitterに上がっていた報告の中で、イコライザーはイヤホンが切断されると、毎回デフォルトの音に戻ってしまうとあったのですが、そうなのでしょうか?
(その方はiPhoneで使用とのこと)
また、音量の間隔が大きめであるとも書かれていたのですが、他社のワイヤレスイヤホンと比べてmizunoさんはそうお感じになりますか?
それから、ANCをオンにするとただでさえ強い低音が更に強くなると聞くのですが、やはりそうなのでしょうか?
こんにちは!コメントをいただき、ありがとうございます。
1. イコライザ設定が戻る件
①iPhoneで試したところ、
– ケースに戻して接続を切断→デフォルトに設定に戻る
– ケースに戻さないで接続→設定を引き継ぎ
という挙動でした。
②Google Pixel 7で試したところ、ケースに戻しても、前回の設定が引き継がれました。
③iPhone、Google Pixel 7に接続した状で、ケースに戻し、再度、両機種に接続した場合、どちらのアプリで確認しても、設定が引き継がれていました!
2. 音量の間隔について
– iPhone:0〜17段階
(端末のサイドボタンだと0〜16段階)
– Android(Google Pixel 7):0〜15段階
(端末のサイドボタンだと0〜24段階)
確かに、Google Pixel 7では、端末のサイドボタンに比べて、音量の間隔が広いようです。
3. ANCオン時の低音
iPhone、Google Pixel 7、両方で試しました。確かにその傾向はあるかもです。ただし楽曲、音量次第では「言われてみれば……」という程度かもしれません。
以上、主観も含みますが、参考にしていただけると、うれしいです^^
かなり詳細な検証ありがとうございます!
1. イコライザ設定が戻る件
iOSとは相性が良くないということなんですねぇ。ケースに戻す場合、戻さない場合、マルチポイント接続時までの検証は恐れ入ります。私はBluetoothトランスミッターやfire tvでも使用を検討していますが、この結果だと試してみないとわからないですね。
2. 音量の間隔について
接続デバイスによって音量間隔が異なるのですね、知りませんでした。てっきりイヤホン側で全て決まるものかと…
3. ANCオン時の低音
mizunoさんはあまり強くは感じられなかったみたいですね。オンにすると低音強調との感想や、クリアに聞こえる、と言う人もいるようです。
中々クセのあるイヤホンのようですが、aptX無印接続時のゲームモードは他と比べても低遅延のようで、購入迷い中です。大変ご丁寧にありがとうございました。
先日はお返事いただきありがとうございました。あれから自分も購入して試しているのですが、左耳から「じりじり」というような異音がします。Amazonのレビューを見ても同様の症状を訴えている人が数人いたのですが、このような症状はありませんでしたか?アップデートしたら音は小さくはなったのですが消えず、初期化もちろん試しましたがやはり消えずでした。
異音やホワイトノイズには敏感な方なので、そのような症状であれば、確実に気付くはずですが……。僕の機体ではそのような症状はまったく起こっていませんね……!
個体差はありそうですね。メーカーへ問い合わせられてはいかがでしょうか?参考にして買っていただいたのに、なんだか申し訳ないです(._.)
自腹レビューがまったくなかったので非常にありがたいです。
質問なのですが、通話時だけトランシーバー以下の音質になってしまう現象がこのイヤホンに起きてまして、そちらでは起きてますでしょうか?
やはり初期不良ですかね…サポートには問い合わせ中ですがなかなか返答がなく…
うれしいコメント、ありがとうございます!
通話時だけですか……。僕のものでは、記事内のYouTubeにアップしたとおりで、「トランシーバー以下」とは感じませんでした。
やはり初期保証があるうちに、ご対応されるのが良いかと思います。
早く返答があることを願っております。
お久しぶりです。
サポートと連絡が取れまして
メーカーから新品が配送されましたが音質は変わらず…相性問題の可能性を考慮して今回は売ることにしました。
そうなんですね……。
貴重な情報、ありがとうございました!
やはり起こっていませんか。アプデ前の異音の大きさはかなりのものでしたので、やはり不良品に当たった可能性が高そうです。また、fire tvでの接続時に音飛びも発生するような…とにかくメーカーに問い合わせて対応してもらおうと思います。
>参考にして買っていただいたのに、なんだか申し訳ないです(._.)
とんでもないです、質問にも答えてくださり大変助かりました。