2024年2月、EarFunからエントリーモデル「EarFun Air 2」が発売しました。
ちょうど1年前に発売して大ヒットした「EarFun Air Pro 3」との違いが気になり、発売日に自腹で購入して検証してみました。
==この記事の結論==
5,000円台(セール時には4,000円台)で買えるマルチポイント対応モデル。エントリーモデルながら、接続の安定感や音質にも妥協なし。
個人的にはワイヤレス充電よりも外部音取り込みに対応して欲しかった。
✅ EarFun Air 2の長所
- 5,000円台。マルチポイント対応TWSの最安水準
- LDAC接続可能
- IPX7の高い防滴性能
🤔 EarFun Air 2の短所
- 外部音取り込みに対応しておらず、利用シーンを選ぶ
新しいイヤホンと合わせて、ぜひ!
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EarFun Air 2のスペック
タイプ | カナル型 | ANC | ー |
---|---|---|---|
カラー | ・ブラック | 外部音取込 | ー |
重量 | ・片耳 約5.5g ・ケース+イヤホン 約45g | 装着検出 | ー |
連続再生 | ・単体:9時間 ・ケース込合計:40時間 | 片耳 | ◯ |
充電時間 | ・イヤホン 約90分 (10分で2時間再生) ・充電ケース 約120分 | ワイヤレス 充電 | ◯ |
充電コネクタ | USB Type-C | 専用アプリ | ◯ |
防水 | IPX7 | 低遅延 | ◯ (55ms) |
対応 コーデック | SBC / AAC / LDAC | 価格 | 5,990円 |
Bluetooth | 5.3 | その他 | ・ |
スペックシートを見た段階で感じたメリデメは以下。
- メリット
単体で最大9時間再生、IPX7の高い防滴性能、EarFun初のLDAC対応、ワイヤレス充電 - デメリット
ANC・外部音取り込みなし
EarFun Air 2 実機レビュー
ケースは真っ黒ではなく、ガンメタカラー。お世辞にも高級感があるとは言えず、値段相応な質感です。
サイズは大き過ぎず、小さ過ぎず。
ほぼAirPods Proと同じくらい。
本体は内側が光沢感のある黒いプラスティック。センサーになっている外側はシルバーの塗装にearfunのロゴが施されています。
イヤホンの口は正円です。
装着感
装着した第一印象は「軽い」です。
筐体は少し小さく感じました。それが理由なのか、遮音性はそこまで高いとは感じず。
EarFun Air 2にはANC、外部音取り込み機能ともにありません。
外部音取り込みがないイヤホンで遮音性が高いと、日常で使いづらいシーンがあります。
そう考えると、そこまで高くない遮音性は逆に良かったんじゃないでしょうか(多分、開発段階で、そこまで考えられてはなさそうだけど)。
操作性
デフォルトでは以下のコマンドが割り当てられています。
左 | 操作 | 右 |
---|---|---|
・音量− | 1タップ | ・音量+ |
・再生/一時停止 ・通話応答/終話 | 2タップ | ・再生/一時停止 ・通話応答/終話 |
・曲戻し ・・2つめの通話の対応/転送 | 3タップ | ・曲送り ・2つめの通話の対応/転送 |
・音声アシスト ・通話拒否 | 2秒長押し | ・音声アシスト ・通話拒否 |
デフォルトでは、タップ操作ではゲームモード(低遅延モード)への切り替えができません。アプリの操作カスタマイズで、割り当てることができます。
バッテリー持続時間
公称値は以下のとおり。
- イヤホン単体 9時間
- ケース込み 40時間
充電左右90%の状態から、音量30%で約1時間、ストリーミングでApple Musicを視聴しました。
結果、左右ともに80%の残量(10%の消費)を確認できました。公称に近いロング再生を期待できそうです。
音量の段階
- iPhone:0〜16段階(端末操作では0〜16)
- Android:0〜16段階(端末操作では0〜30)
※Xperia 5 IV
アプリ
アプリでできることは以下のとおり。
- ゲームモードのオン・オフ
- イコライザー設定
- 操作カスタマイズ
- LDACのオン・オフ
- デュアルデバイス(マルチポイント)設定
- イヤホンを探す(音を鳴らす)
デフォルトではLDAC接続ができず、アプリから機能をオンにする必要があります。
(LDACの切り替えを行う際は、赤字の「確認」をタップしなければ、切り替わりません……!)
その際「スムーズな再生のために、LDACとデュアルデバイス接続を同時に有効にしないでください」とのアナウンスが表示されます。
一応、スマホ(Xperia 5 IV)側からは、マルチポイント(デュアルデバイス)接続時でもLDAC接続できていることは確認できましたが、正常な動作が保証されません。
原則、LDACかマルチポイント、いずれかを選んで使うことになります。
さすがにこの価格で両方を安定して使うのは難しかったみたい。
ANC(アクティブ・ノイズキャンセリング)・外部音取り込み
EarFun Air 2にはANC・外部音取り込み機能は搭載されていません。
ANCと外部音取り込みはセットで語られることが多いです。
しかし屋外での利用シーンを考えると、外部音取り込みがないのは不便です。価格を抑えるためのコストカットは致し方ないことですが、個人的には無線充電よりも外部音取り込みの方が優先度は高いんじゃないかと感じました。
遅延
デフォルトだと、YouTubeのコンテンツ視聴で違和感を感じるくらいに遅延は大きめだと感じました。
基本的にはゲームモード(低遅延モード)をオンにしておいた方が良さそう。
音質
以下、ファーストインプレッションです。
- 解像度は「高い」とは感じなかった(価格を考えれば十分)
- 低音はEarFun Air Pro 3を彷彿とさせる、大胆さ。少し籠もった感じも
- 女性ボーカルの方がスッと入ってきて聴きやすい
- 繊細さよりも迫力寄り
- 音場は特別に広いとは感じない
実売4,000円台のエントリーモデルに、音質を期待する人は少ないでしょう。しかし少なくとも「がっかり」するようなものではありません。
さすがは音質のコスパに定評があるEarFun、今作も無難にまとめてきたという感じ。
最近は低価格でも最低限の音質が担保された製品が当たり前のように出てくるようになりましたね。
マイクの音質は以下のとおり。
接続・マルチポイントの挙動
マルチポイント接続に関する挙動は以下のとおり。
操作 | 挙動 |
---|---|
端末側からペアリングモードへ移行 | できない ・ケースに入れ、蓋を開けた状態で蓋のボタンを3秒長押し ・アプリの「デュアルデバイス接続」から 「新たしいデバイスを接続する」を選択 |
電源オン時の挙動 | 前回、電源をオフにしたときに接続されていた 端末(最大2台)に自動で接続 |
通信圏外に移動して接続解除 →再び通信圏内に戻ったとき | 自動で再接続される |
A再生中に停止 →続けざまにBを再生 | 切り替えは優秀な方 Bは最初の1秒くらい無音で再生 |
A再生時にBを再生 | Bが無音で再生される、Aの再生・出力が継続 |
A再生時にBが着信 | Aの再生は停止せず、Bの着信音も鳴動 →通話開始後もAの音声がイヤホンから聞こえてくる笑 |
A再生時にBが通知 | Aの再生は止まらず、Bの通知音は鳴らない ※アプリ、サービス、環境によって異なる |
A・B接続時に、登録済み端末C のBluetooth設定から選択 | 上書き接続できない。 AまたはB、いずれかの接続を解除する必要あり |
マルチポイント接続時のコーデック | LDACでの接続を確認。ただし非推奨 (Xperia 5 IV) |
マルチポイント接続で、パソコンでYouTubeを視聴時にスマホの着信を取ることを試みてみましたが、僕の環境では上記のような怪しげな挙動に。
このバグ?はアップデートで改善してくれると思います。
EarFun Air 2とEarFun Air Pro 3の比較
EarFun Air 2 | EarFun Air Pro 3 | |
---|---|---|
タイプ | カナル型 (スティックタイプ) | カナル型 (スティックタイプ) |
カラー | ・ブラック | ・ブラック ・オフホワイト ・ピンク ・ネイビー |
重量 | ・片耳 約5.5g ・ケース+イヤホン 約45g | ・片耳 5.2g ・ケース込 52g |
連続再生 | ・単体:9時間 ・ケース込合計:40時間 | ・単体:7時間 (ANCオフで9時間) ・ケース込:45時間 |
充電時間 | ・イヤホン 約90分 (10分で2時間再生) ・充電ケース 約120分 | ・イヤホン 約60分 (10分で2時間再生) ・充電ケース 約120分 ・ワイヤレス 約230分 |
充電コネクタ | USB Type-C | USB Type-C |
防水 | IPX7 | IPX5 |
対応 コーデック | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC / aptX Adaptive / LC3 |
Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
ドライバ | 10mm径 ダイナミックドライバー | 11mm径 ダイナミックドライバー |
チップ | ー | QCC3071 |
ANC | ー | ◯ (-43dB) |
外部音取込 | ー | ◯ |
装着検出 | ー | ー |
片耳 | ◯ | ◯ |
ワイヤレス 充電 | ◯ | ◯ |
専用アプリ | ◯ 操作カスタム EQ など | ◯ 操作カスタム EQ など |
低遅延 | ◯ (55ms) | ○ (55ms) |
価格 | 5,990円 (Amazon) | 8,990円 (Amazon) |
発売日 | 2024年2月 | 2023年1月 |
【EarFun Air 2の長所】
- 防滴性能が高い
- LDACに対応
- 安い
- 発売が1年以上新しい
【EarFun Air Pro 3の長所】
- ANC・外部音取り込み
- aptX Adaptive、LC3に対応
EarFun Air Pro 3がANC、外部音取り込み、次世代コーデックLC3に対応していることを考えれば、3,000円の価格差は妥当です(やっぱり、EarFun Air Pro 3安い……!)。
気になるのが、EarFun Air Pro 3は発売から1年以上が経過していること。
2024年6月に次世代モデル「EarFun Air Pro 4」の発売がアナウンスされており、LDACにも対応する予定です。
EarFun Air Pro 4は先代からの価格アップは免れないと予想されます。とすれば、LDACに対応したEarFun Air 2の価格は魅力的に映ります。
これぞEarFunの原点
セール時には4,000円台で買えるエントリーモデルながら、マルチポイントに対応。
これだけでも十分「買い」にもかかわらず、LDAC対応で音質にも抜かりなし。防滴等級もIPX7と高く安心して使えます。
「Air Pro 3」を大ヒットさせ、一躍、TWS界のトップランナーになったEarFun。元を辿れば、日本でその名前が知られるようになったのは「Free Pro 2」などのコスパ機でした。
Air 2はそんなEarFunの原点を思い起こさせる、コスパエントリーモデルです。
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