Anker Soundcore P40i レビュー。Life P後継モデルで狙う王座奪還

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2024年4月、Ankerから1万円以下の全部入りTWS「Soundcore P40i」が発売されました。

Earfun一強とも言えるU1万円カテゴリに、風穴を開けるべく送り込まれた「旧王者の刺客」の実力とは、いかほどか。

実際に購入して使ってみた感想を共有します。

==この記事の結論==

Ankerが1万円以下カテゴリに殴り込む1台。万人受けしそうなサウンドや接続・アプリの安定感など、これを選べば、少なくとも大失敗はしない。シンプルに、売れそう。

✅ Soundcore P40iの長所

  • 7,000円台で全部入り
  • ブランド力、ソフトウェアまで含めた安定感・完成度が高い
  • 万人受けしそうなドンシャリ、解像感の高いサウンド
  • 2台接続時の切り替えがめちゃくちゃスムーズ

🤔 Soundcore P40iの短所

  • 個人的にはANCの圧迫感がキツい
  • 標準モードは若干遅延が気になる
  • 3台目の端末側からの上書き接続、端末単体のペアリングモード移行に非対応
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Soundcore P40iのスペック

Soundcore P40i

タイプカナル型
(スティックタイプ)
ANC
(ウルトラノイズ
キャンセリング2,0)
(自動調節機能)
カラー・オフホワイト
・ネイビー
・パープル
・ブラック
外部音取込
重量・片耳 約5g
・ケース込 約58g
装着検出
連続再生・単体:10時間
(ANCオフで12時間)
・ケース込:50時間
(ANCオフで最大60時間)
片耳
充電時間・イヤホン 約60分
(10分で約5時間再生)
・充電ケース 約180分
(ワイヤレス 約240分)
ワイヤレス
充電
充電コネクタUSB Type-C専用アプリ
防水IPX5低遅延
対応
コーデック
SBC / AAC価格7,990円
Bluetooth5.3その他・充電ケースの
スマホスタンド機能
・ムービーモード
(3Dサラウンド)
・Hear ID
(聴覚・お好み診断)
・風切り音低減

スペックシートを見た段階で感じたメリ・デメは以下のとおり。

  • メリット
    10分の充電で約5時間の再生/ワイヤレス充電/3Dサラウンド機能/風切り音低減
  • デメリット
    コーデックがAACまで

Soundcore P40i 実機レビュー

Soundcore P40i

今回はブラックを購入。

縦約52mm、横約56mmの正方形に近いケース。

Soundcore P40i

写真では分かりづらいですが、ケースの底面は滑りづらく傷もつきにくそうなゴム素材になっています。

Soundcore P40i

Soundcore P40i

本体は光沢のあるプラスチック。スティックのサイド部分はメタリック調です。

Soundcore P40i

イヤホン口は楕円形で軸は短め。一般的なイヤーピースは流用できないかも。

Soundcore P40i

AirPods Proとのサイズ比較はこんな感じ。AirPodsの方が一回り小さいです。

Soundcore P40i

Soundcore P40i

ケースにはスタンド機能があります。イヤホンを収納した状態では利用できません。

装着感

Soundcore P40i

普段使っているイヤーピースで装着してみたところ、遮音性能は低めでした。

アプリで装着テストを行ったところ、イヤーピースの交換を推奨されたため、もう少し大きめのものに変更することで、それなりの遮音性を得られました。パッシブノイキャンはイヤーピースに依存しそうです。

スティックタイプらしい軽い装着感です。

操作性

Soundcore P40i

dのマークのセンサー部に突起が付いており、直感的にタッチする場所を把握できます。

デフォルトでは以下のコマンドが割り当てられています。

【ステレオ(両耳)使用時】

操作
1タップ
・曲送り
・通話応答
2タップ・再生/一時停止
・通話応答
3タップ
・ANC/標準/外部音取り込み
・終話・通話拒否
2秒長押し・ANC/標準/外部音取り込み
・終話・通話拒否

【モノラル(片耳)使用時】

操作動作
1タップ
2タップ・再生/一時停止
・通話応答
3タップ
2秒長押し・標準/外部音取り込み
・終話・通話拒否

工場出荷時は1タップ、3タップは無効ですが、アプリで操作を割り当てられます。

ANC・外部音取り込みいずれもオフ(標準)状態は、アプリで無効化できます。

端末単体で電源オフにはできません。

バッテリー持続時間

公称値は以下のとおり。

  • イヤホン単体 10時間(ANCオフで12時間)
  • ケース込み 50時間(ANCオフで最大60時間)

左右ともバッテリー残量83%の状態から、Android端末で音量30%程度、ANCオフで1時間、Apple Musicを視聴したところ、76%の残量を確認しました。

今回の条件だと、ざっくりANCオフで14時間程度、再生できる計算になります。

また10分の充電で5時間も再生できます。この速度は他に聞いたことがありません。

音量の段階

  • iPhone:0〜16段階(端末操作では0〜16)
  • Android:0〜16段階(端末操作では0〜30)
    ※Xperia 5 IV

アプリを使うと、いま再生されているオーディオ音量(dB)の確認と、最大音量の制限ができます。

音量レベルが耳に与える影響がわかりやすく紹介されています。

Soundcore P40i アプリ 最大音量の制限

アプリ

アプリの接続性は全く問題ありません。

アプリでできることは以下のとおり。できることは非常に充実しています。

  • ANC↔オフ↔外部音取り込み切り替え
  • 風切り音の低減オン/オフ
  • HearID(聴覚診断とオリジナルプロファイル作成)
  • イコライザ
  • イマーシブサウンド
    • ゲームモード
    • ムービーモード
  • 操作カスタマイズ
  • 音量制限
  • 装着テスト
  • タッチ音・バッテリー残量低下通知音のオン/オフ
    (就寝時の着用に便利!)
  • マルチポイント接続オン/オフ
  • 自動電源オフ
  • イヤホンを探す(音を鳴らす)
  • ファームウェアの更新

ANC(アクティブ・ノイズキャンセリング)

ANCは人工的で強度が強め。ゴリゴリに工事や車のエンジン、空調の音を消しにいくパワープレイタイプです。最初は少し、圧迫感がキツイと感じました。

その分、この価格帯の性能としては、かなり高いと思います。

一点、終始「スーっ」という、かすかな機械音が聞こえます。気になる人は気になるかもしれません。

と、ここまで書いたところで、Soundcore P40iはアプリでANCの強度を細かく調整できることに気づきました。

ただし強度を下げたとしても、圧迫感は低減されませんでした。

Soundcore P40i ANC

外部音取り込み

逆に外部音取り込みはマイルドな感じで、安い製品でありがちなホワイトノイズをほとんど感じません。

必要最低限の外音を取り込める性能です。

Soundcore P40iの外部音取り込みは「全ての外音」と「音声フォーカス」から選択できますが、正直なところ、違いはよくわかりませんでした。

またiPhone・Androidともにホーム画面にウィジェットを追加でき、ANC・外部音取り込みを切り替えられます。

Soundcore P40i

遅延

通常モードだとYouTube動画でも少し遅延が気になるレベルです。

動画視聴での使用が多いなら、普段から「ゲームモード」をオンにしておいた方が良いかもしれません(ただし、ゲームモードは僕でもわかるくらいには音質(解像感)が劣化します)。

音質

数時間使用して感じた1stインプレッションは以下のとおり。

  • 万人受けしそうなドンシャリサウンド
  • 音源によっては低音の迫力が凄い
  • 迫力↔繊細、どちらもユーティリティに対応
  • 解像感はわりと高く音楽の輪郭を把握できる

明瞭でくもりの少ないハキハキとして音が印象的です。

マイクの音質は以下のとおり。

イマーシブサウンド「ムービーモード」

ムービーモードは音源にかかわらず「3Dサラウンドサウンドにより、楽器と歌声に囲まれ、まるで劇場の中心に座っているような感覚を味わえる」機能とのこと。

有効にすると低音が弱まり、音が反響するような聴こえ方に変わります。いつもと気分を変えて音楽を楽しみたいときに面白いかもしれません。でも、この機能の存在を忘れて、すぐに使わなくなってしまいそうな気もします。

接続・マルチポイントの挙動

マルチポイント接続に関する挙動は以下のとおり。

操作挙動
イヤホン側からペアリングモードへ移行条件付きで可能
・マルチポイント2枠のうち1枠を空けた状態で
両耳を3秒長押し
・ケースに入れ、蓋を開けた状態でケースのボタンを3秒長押し
電源オン時の挙動前回、電源をオフにしたときに接続されていた
端末(最大2台)に自動で接続
通信圏外に移動して接続解除
→再び通信圏内に戻ったとき
自動で復帰する
A再生時にBを再生Aが停止されBが出力される
→Bを停止するとAが自動で再開(出力)される
→以下繰り返し
(こんな挙動は初めてかも。めちゃくちゃ優秀……!)
A再生中に停止
→続けざまにBを再生
最長でも1秒ほどのラグで出力される。優秀
(ただし、Bを停止すると、
停止していたAが勝手に再生されることがある)
A再生時にBが着信以下の2パターンの挙動を確認
(接続端末の組み合わせにより挙動が異なる)

①Aの再生は止まらず無音になり、Bが鳴動
→通話終了後にAの音声に自動で復帰する
(ただし、A再生時の着信の際、Bが鳴動しないことあり)
②Aの再生は止まり、Bが鳴動
→通話終了後にAの音声には復帰しない
A再生時にBが通知Aの再生は止まらず、Bの通知音は鳴らない
※アプリ、サービス、環境によって異なる
A・B接続時に、登録済み端末C
のBluetooth設定から選択
上書き接続できない。
AまたはB、いずれかの接続を解除する必要あり
マルチポイント接続時のコーデックAACでの接続を確認
(Xperia 5 IV)

「端末単体でのペアリングモードへの移行」は条件付きで可能です。両耳を3秒長押しで移行できます。

ただし、2枠のうち1枠を空けた状態でないと発動しないため、例えば「すでに2枠が埋まっている状態で、強制的にペアリングモードへ移行して現在の接続をすべて解除する」といったことはできません。

なんか惜しい、使うシーンがあまり思いつかない機能です。

またアプリからも接続中の端末の管理やペアリングモードへの移行が可能です。

Soundcore P40i

あと気になったのが、端末との接続が切断されたときにアナウンスがないこと。接続しているつもりで接続されてなかった……という事故が起こる可能性もゼロではありません。

Soundcore P40iとEarFun Air Pro 3の比較

2023年から24年にかけて、1万円以下の全部入りTWSの覇権を握った競合モデル「EarFun Air Pro 3」とスペックを比較しておきます。

Anker
Soundcore P40i
EarFun
Air Pro 3
Soundcore P40iEarFun Air Pro 3
タイプカナル型
(スティックタイプ)
カナル型
(スティックタイプ)
カラー・オフホワイト
・ネイビー
・パープル
・ブラック
・ブラック
・オフホワイト
・ピンク
・ネイビー
重量・片耳 約5g
・ケース込 約58g
・片耳 5.2g
・ケース込 52g
連続再生・単体:10時間
(ANCオフで12時間)
・ケース込:50時間
(ANCオフで最大60時間)
・単体:7時間
(ANCオフで9時間)
・ケース込:45時間
充電時間・イヤホン 約60分
(10分で約5時間再生)
・充電ケース 約180分
(ワイヤレス 約240分)
・イヤホン 約60分
(10分で2時間再生)
・充電ケース 約120分
(ワイヤレス 約230分)
充電コネクタUSB Type-CUSB Type-C
防水IPX5IPX5
対応
コーデック
SBC / AACSBC / AAC /
aptX Adaptive /
LC3
Bluetooth5.35.3
Anker
Soundcore P40i
EarFun
Air Pro 3
Soundcore P40iEarFun Air Pro 3
ドライバ11mm径
ダイナミックドライバー
11mm径
ダイナミックドライバー
ANC
(ウルトラノイズ
キャンセリング2,0)
(自動調節機能)

(-43dB)
外部音取込
装着検出
片耳
ワイヤレス
充電
専用アプリ
低遅延
(55ms)
価格7,990円
(Amazon)
8,990円
(Amazon)
発売日2024年4月2023年1月
備考・充電ケースのスマホスタンド機能
・ムービーモード(3Dサラウンド)
・Hear ID(聴覚・お好み診断)
・風切り音低減

【Soundcore P40iの長所】

  • バッテリー持ちが抜群
  • ビルドクオリティが高い
  • 発売が1年新しい

【Air Pro 3の長所】

  • LC3(LEオーディオ)対応予定

バッテリー持ち、ビルドクオリティ、接続性やアプリの安定感、発売が新しいこと、安心のAnkerブランドなどなど、Soundcore P40iを選ぶべき理由は多いです。

そんな中であえてAir Pro 3を選ぶとすれば、その理由はLEオーディオに対応することくらいでしょうか。

まとめ

Soundcore P40i

「誰にでも売れるようにまとめてきた」という印象のSoundcore P40i。

個人的には「ANCがちょっとキツい」「標準だと少し遅延を感じる」「接続端末の設定から上書き接続できない」といった気になる点もありましたが、「Ankerにしてこの価格なら、そりゃ、売れそうやな」という製品です。

ここ数年は「ものは良いけれど、少し割高」というイメージがあったAnkerのTWS。

そんな中、AnkerのTWS躍進の火付け役になった「Life Pシリーズ」の正統後継モデルで、覇権を奪還しに来たことに、ストーリーを感じずにはいられません。

Ankerの逆襲に待ったをかけるメーカーは出てくるのか。

U1万円カテゴリが、熱気を帯びてきそうです。

 

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