M1搭載のMacBook Airを購入してから約10ヶ月間、DELLのハイコスパ4Kディスプレイ「S2721QS」を利用してきました。
その後2021年10月に上位モデルの「U2720QM」に買い替えて約3ヶ月利用しました。
両方利用した筆者からお伝えできるのは、今から買うなら、最初から「U2720QM」をおすすめする、ということです。
両機種の比較と、なぜU2720QMを選ぶべきなのか、お伝えします。
「S2721QS」から「U2720QM」に乗り換えました
僕は2020年12月、M1 MacBook Air購入と同時に、DELLの「S2721QS」を購入して利用してきました。
ただM1 Macとの相性があまり良くなく、だましだまし利用し続けていました。
2021年10月、Amazonのタイムセールで、以前から気になっていて「U2720QM」が約1.5万円オフの約5万円なっていたので、買い替えました。
スペック比較
「U2720QM」と「S2721QS」は、ともにDELLで人気の4Kディスプレイです。
スペックシートで違いを比較してみましょう。
U2720QM | S2721QS | |
---|---|---|
サイズ | 27インチ | |
解像度 | 3,840×2,160 (4K) | |
DisplayHDR | DisplayHDR 400 | – |
色域 | sRGB:99% Rec.709:99% DCI-P3:95% | sRGB:99% |
応答速度 | 5ms(GtoG、Fast) | 4ms(GtoG エクストリーム) |
スピーカー | – | ◯ |
音声出力端子 | ◯ | – |
USB ハブ | ・USB-C ダウンストリーム×1 ・USB-3.0 ダウンストリーム×3 | – |
接続端子 | ・USB-C アップストリーム×1 ・DisplayPort×1 ・HDMI×1 | ・DisplayPort×1 ・HDMI×2 |
スタンド機能 | ・画面回転 ・水平回転 ・垂直角度調節 | ・画面回転 ・水平回転 ・垂直角度調節 |
発売年 | 2020年 | 2020年 |
価格 | 64,800円 | 44,800円 |
■ DisplayHDRとは
HDR(High Dynamic Range)とは、明るいところから暗いところまで、広い範囲の明るさを正確に表現する技術。
HDRの性能の示す規格がDisplayHDRで、ざっくり、数字が大きいほど輝度が明るく、性能が良い。
■ 色域とは
ディスプレイやプリンタなどが再現できる色の範囲。
国際電気標準会議(IEC)が定めた「sRGB」という規格がもっともスタンダードなもので、より広い色域を持つ規格として「Rec.709」や「DCI-P3」などがある。
U2720QMは「DisplayHDR」や「Rec.709」「DCI-P3」といった、S2721QSではカバーできていない規格を網羅しています。
ただ正直なところ、テキストベースの仕事がメインで、たまに写真のレタッチや、かんたんな動画編集ををするくらいの僕にとっては明らかな違いはわかりません。
ただ実際に利用することで、それ以外の部分で明らかに「U2720QMを選んだ方が良い」と言い切れる理由を見つけることができました。
U2720QMを選ぶべき3つの理由
予算に余裕があるなら、約2万円を余分に出してでも「U2720QM」を選ぶべきです。
確実に2万円以上の恩恵を受けられる、と自信を持っておすすめできます。
その理由とは以下の3点です。
- 接続の安定感が全く違う
(USB type-C 1本で接続できる) - ハブが不要になる
- スタンドがシンプルでモニターアームいらないかも
接続の安定感が全く違う(USB type-C 1本で接続できる)
U2720QMとMacBook Airは接続の安定感が半端なく良いです。
S2721QSはUSB type-C出力には対応しておらず、「DisplayPort」または「HDMI」によって、MacBook Airと接続する必要がありました。
言わずもがな、MacBook AirにはUSB type-Cポートしかないため、変換ハブ、または変換ケーブルを使って接続することになります。
それもあり、僕のMacBook AirとS2721QSは、とにかく相性がよくありませんでした。
- スリープに入ると、トラックパッドやキーボードを連打しないと、復帰しなかった(復帰までに時間がかかった)
- スリープに入って復帰すると、ディスプレイの解像度が変わってしまっていることがあった
MacBook Airの方のアップデートで、少しでもマシになるかな〜と期待していましたが、結局最後までどこか我慢して使っていたことは否めません。
一方でU2720QMはUSB type-C出力が可能で、MacBook Airとケーブル1本で接続できます。
パワーデリバリ(PD)にも対応していて、U2720QM→MacBook Airへ給電でき、その分のUSBポートも空けることができます。
C to Cケーブル1本という超シンプルな接続は、安定感に寄与しているようで、S2721QSにあった不安定な挙動は一切改善されました。
毎日利用するものですから、これだけでも十分、2万円の差額を出す価値があると思います。
ハブが不要になる
U2720QMには
- USB type-C×2
(うち1本は出力用) - USB 3.0×3
の接続ポートが付いています。
つまりディスプレイ自体がUSBのハブの役割を担ってくれるため、以下のような外付けのハブが不要になります。
ハブがなくなることなんて、そんなに大したことではないと思っていました。
しかしいざなくなってみると、MacBook Airから垂れていたハブが知らない内に大きなストレスになっていたことに気付かされました。
スタンドがシンプルでモニターアームいらないかも
以前はモニターアームを2、3年使っていましたが、U2720QMにしてからは使うことをやめました。
というのもスタンドが究極にシンプルで、別にモニターアームがなくても不自由しないと感じたからです。
スタンドの足元にモノを置くこともできます。
モニターアームがないと、高さなどの微調整ができないのでは?と思われるかもですが、FLEXI SPOTの昇降デスクを使っているので、高さ調整は問題ありません。
※画像は「S2721QS」時代のもの
U2720QMはスピーカーがない
S2721QSと比べたときに劣っている点として、スピーカーがないことが挙げられます。
とは言え、S2721QSのスピーカーも褒められるようなものではありませんし、とりあえず付いている程度でした。
僕はMacBook Airから直接音を出すか、イヤホンを使うので、デメリットでも何でもありません。
そもそも音にこだわる方は、別途スピーカーを購入されると思います。スピーカーがついてないことは、U2720QMを買わない理由にはならないでしょう。
U2720QMと比較対象になる製品
とはいえU2720QMの通常価格は6万円を超えるので、そんなに簡単に買えないよ、という声も聞こえてきそうです。
コスパの高いDELL製品の中から、S2721QS以外でU2720QMと比較するならば、以下の2機種になるかなと思います。
- S2722QC
- S2722DC
どちらもUSB type-Cにて出力できます。
「S2722QC」はtype-C接続ができて安い
出典:Dell 27インチ4K UHD USB-Cモニター – S2722QC | Dell 日本
2022年1月現在、価格.comのPCモニター売れ筋ランキングで1位を獲得している製品です。
2021年8月に発売した、比較的新しいモニターです。
- 4K(3,840×2,160)
- USB type-C接続(65WのPD給電対応)
- 内蔵スピーカー搭載
type-C接続ができて、価格はU2720QMよりも1.5万円ほど安いです。そりゃ売れない理由はないですよね……!
U2720QM | S2722QC | |
---|---|---|
サイズ | 27インチ | |
解像度 | 3,840×2,160 | |
DisplayHDR | DisplayHDR 400 | – |
色域 | sRGB:99% Rec.709:99% DCI-P3:95% | sRGB:99% |
応答速度 | 5ms(GtoG、Fast) | 4ms(GtoG エクストリーム) |
スピーカー | – | ◯ |
音声出力端子 | ◯ | ◯ |
USB ハブ | ・USB-C ダウンストリーム×1 ・USB-3.0 ダウンストリーム×3 | ・USB 3.2 ダウンストリーム ×2 (内、1つはBC 1.2充電対応) |
接続端子 | ・USB-C アップストリーム×1 ・DisplayPort×1 ・HDMI×1 | ・USB-C アップストリーム×1 ・HDMI×2 |
スタンド機能 | ・画面回転 ・水平回転 ・垂直角度調節 | |
価格 | 64,800円 | 48,800円 |
色域などの表現は、価格相応にU2720QMが上回ります。
ハブ機能もtype-Cが使える部分などはU2720QMに分があります。
逆に「type-C出力ができて、とにかく安いもの」というのであれば、S2722QCも積極的に検討しても良いかと思います。
執筆時点ではDELL直販だと20%オフクーポンが適用できて、42,384円。amazonよりも5、6,000円安く買えますが、納期が「2週間以上」となっており、いささか不安です。
確実に手に入れるならamazonが良いでしょう。
「S2722DC」は4Kじゃないけどさらに安い
出典:Dell 27インチUSB-Cモニター:S2722DC | Dell 日本
こちらは上記の「S2722QC」と同時期に発売した、比較的新しいディスプレイです。
U2720QM | S2722DC | |
---|---|---|
サイズ | 27インチ | |
解像度 | 3,840×2,160 (4K) | 2,560×1,440 (QHD) |
DisplayHDR | DisplayHDR 400 | – |
色域 | sRGB:99% Rec.709:99% DCI-P3:95% | sRGB:99% |
応答速度 | 5ms(GtoG、Fast) | 4ms(GtoG エクストリーム) |
スピーカー | – | ◯ |
音声出力端子 | ◯ | ◯ |
USB ハブ | ・USB-C ダウンストリーム×1 ・USB-3.0 ダウンストリーム×3 | ・USB 3.2 ダウンストリーム ×2 (内、1つはBC 1.2充電対応) |
接続端子 | ・USB-C アップストリーム×1 ・DisplayPort×1 ・HDMI×1 | ・USB-C アップストリーム×1 ・HDMI×2 |
スタンド機能 | ・画面回転 ・水平回転 ・垂直角度調節 | ・画面回転 ・水平回転 ・垂直角度調節 |
価格 | 64,800円 | 41,864円 |
先に紹介した「S2722QC」と「S2722DC」は基本的な機能はほぼ同じで、解像度が異なります。
S2722DCは2,560×1,440のQHD(WQHD)です。
「type-C接続は必須だけれど、4Kは不要」という方なら、こちらを選んだ方が安いです。
シンプルさが想像以上に満足度を上げてくれる
S2721QSではなくU2720QMを選ぶべき理由として3点を挙げさせていただきました。
- 接続の安定感が全く違う
(USB type-C 1本で接続できる) - ハブが不要になる
- (人によっては)モニタアームも不要になる
安定性が格段に増し、ごちゃごちゃしたケーブルや付属品が不要になったことで得られた心の余裕は大きいです。
またハブやモニタアームも買わないなら、純粋にモニター代だけに抑えることができます。
U2720QMはセール時には5万円を切ることもあるので、とりあえずお気に入りに入れておいて、買い時を狙うのもよいですね。
合わせて参考にして欲しい記事
コメント