出張やコワーキングスペースで作業することが増えたので、外出先でMacBook Airのディスプレイを拡張したいと思うようになりました。
そこで以前から気になっていたスマートグラスの中から「TCL NXTWEAR S」をkikitoでレンタルしてみました(記事末に紹介コードあり)。
特にTCL NXTWEAR SをPCの外付けディスプレイとして活用したいと思っている人には、参考になると思います。
==この記事の結論==
MacBook Airのディスプレイを拡張することには向いていないし、相性は良くない。
そもそも解像度が低い、実際の可作業領域はもっと狭い、2倍くらい疲れるなど、がその理由。
Windowsユーザー、Samsung DeXなどでの利用であれば、まだ検討の余地はありそう。
結論、自分には合わなかった
という結論に至りました。
「至った」というよりは、使用初日で「これは自分の用途には合わないな」と確信しました。
最低レンタル期間、3ヶ月……
その理由を大別して4点、お伝えします。
- 最大解像度の問題
- 周辺部のピントの問題
- 身体的な疲れの問題
- 没入感の問題
解像度の問題|1,920×1,080は内蔵ディスプレイと変わらない
スペックシートを見れば、購入前にもわかることですが、自分の目的に合致しなかった最大の理由がTCL NXTWEAR Sの解像度です。
自分は自宅外でも、外付けディスプレイのような広い画面で作業したいと考えていました。
ちなみに自宅では4Kモニター(Dell U2720QM)を利用し「2,560×1,440」の解像度に設定して利用しています。
TCL NXTWEAR S(下記画像の「SmartGlasses」)」をMacBook Air(M1、2020)に接続したときの解像度は、最大でも1,920×1,080です。
MacBook Airの内蔵ディスプレイの解像度は、スペースを最大に利用できる「スペースを拡大」設定で1,680×1,050です。
ディスプレイ | 解像度 |
---|---|
Dell U2720QM ※「WQHD相当」で利用 | 2,560×1,440 |
TCL NXTWEAR S | 1,920×1,080 |
MacBook Air(2020) ※「スペースを拡大」 | 1,680×1,050 |
つまりTCL NXTWEAR Sの作業スペースは、MacBook Airの内蔵ディスプレイと体感でほとんど変わらず、「作業スペースを拡張する」という目的に合致しません。
TCL NXTWEAR Sは「外部ディスプレイ」という扱いになるので、MacBook Airの内蔵ディスプレイを別途表示させることはできますが、グラスを装着した状態で、MacBook Airのディスプレイを併用するのは現実的ではありません。
「4m先の距離に130インチ相当のスクリーン」ということだけに注目してしまい、肝心の解像度を確認していなかったという、自分の凡ミスです。
ちなみに、Windows環境では複数のディスプレイを並べられる「TCL NXTWEAR Mirror Studio」が利用できます。
競合製品のXREAL Airでは、Macでも同じような機能(アプリ)が利用できます。
周辺部のピントの問題|作業できるスペースはさらに狭い
自分の場合、左右上下のピントがぼやけてしまい(コンタクトレンズを付けても)、まともに使用できるのが、ディスプレイ全体の70%くらい、といった感じす。
イメージ↓
これでは、ブラウザを左右に並べ、参照しながらテキストを書く……、といった作業をするにも、狭すぎます。
MacBook Airの内蔵ディスプレイよりも実際に利用できる作業スペースは狭く、もはや、何のためにスマートグラスを付けているのか分からなくなります。
自分は附属のノーズパッドの高さが合わず、「舟さん」みたいに、グラスが垂れ下がってしまうことで、さらにディスプレイ上部が見づらくなってしまいました。
↓ノーズパッドは2種類付属されていますが、どちらも実用的な差は感じられませんでした。
僕と同じような場合は、マスクの上から装着など高さを作ると、少しだけ見やすくなります。
身体的な疲れの問題|2倍疲れる
自宅の外部ディスプレイを利用して作業するよりも、体感で2倍くらい疲れます。
- 画面が揺れるので、頭を動かさないようにすることで身体が凝る
- 近視なのでコンタクトが必須で目が乾く
(メガネ屋さんでレンズを入れられるパーツが附属します) - 「舟さん」みたいな装着感になる→上目遣いで余計に目が乾く
- おでこが温かくなってくる(夏場の装着は絶対にムリ……)
- 耳が痛くなる
慣れである程度は改善するかもしれませんが、外部ディスプレイを使うよりも休憩の回数は増えます。
個人的には2時間の映画を見るのもキツかったです。
没入感の問題|結局、環境が大事
がっつりと手元が見えるくらいにグラス下部が開けているので、明るい場所では没入感は得にくいです。
日中に映画などのコンテンツを集中して見たいなら、結局、窓のカーテンを引くなど、その場の環境を暗くしなくてはいけません。
「いつでもどこでも映画館」みたいなことを想像していると、がっかりすると思われます。
TCL NXTWEAR Sを使ってよかったこと
- 視界の下部は開けているので、手元のキーボードの確認や、電卓などが使える
- 本体は想像していたよりも小さく、持ち運びのストレスは少ない
- 専用ケーブルの本体側のマグネットはかなり強力。簡単には外れない
- 特に映画との相性は良い
先述のとおり、上下左右の可視領域は狭いですが、上下に黒帯が入る映像コンテンなら、影響はほとんどありません。
やはり作業よりもコンテンツを楽しむための製品だと思います。
TCL NXTWEAR Sを活かす使い方
「外出先での作業スペースを拡大する」という当初の目的は早々に達成できないことがわかりました。
でも、レンタル期間が3ヶ月もあるので、少しでも元を取るために、もうしばらく活用方法を考えてみたいと思ってます。
現状では、すごく有りがちな結論ですが、
- iPad miniでの映像コンテン視聴
- Samsung DeX
といった、「ミニマムな環境→そこそこのスペースに拡張する」という目的であれば、TCL NXTWEAR Sを活かせるのかな、と感じています。
また最近では、ちょうど良いタイミングでiPhone 15がUSB Type-C接続に対応しました。
「iPhoneとTCL NXTWEAR Sだけもって、カフェで映画を見る」みたいな楽しみ方はありかもしれませんね。
ちなみに今回僕は、ドコモが提供する家電レンタルサービス「kikito」を使用しました。以下の紹介コードを使うと、初回のレンタル料金が20%オフになります。よろしければ、ご利用ください。
kikito紹介コード「friend150082b99072」
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