【5,000円以下】QCY Crossky C30 実機レビュー。SOUNDPEATS CCとのスペック比較

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イヤーカフ型TWSが広く普及した2024年。そんな1年を締めくくるべく、10月に発売したQCY Crossky C30を購入しました。

今年のイヤーカフ型TWSと言えば競合の「SOUNDPEATS CC」。それよりも先に発売していましたが、完全に話題を持っていかれた感があるQCY Crossky C30を実際に使ってみて感じたことを共有します。

==この記事の結論==

競合モデルに話題を持っていかれてしまったとはいえ、5,000円以下で購入できるイヤーカフ型という市場を切り開いた功績は大きい。

そもそもイヤーカフ型に極上の音質を求める人は少ないと思われる。イヤーカフ型を試してみたい、ラフに音楽が聴けて、少しでも安く、でも安心できるメーカーから買いたい、という人にはおすすめできる。

✅ QCY Crossky C30の長所

  • 5,000円以下の出どころがしっかりしたイヤーカフ型TWS
  • 聴き疲れしないウォーミーな音質
  • 十分な音量が確保されている
  • マルチポイントの挙動が安定

🤔 QCY Crossky C30の短所

  • 人によってはベールのかかったような音質に物足りなさを感じるかも
  • イヤーカフ型の特性上、耳に合うかはその人次第(小さい人は垂れ下がってしまう)
  • 音漏れ
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QCY Crossky C30のスペック

QCY Crossky C30

タイプイヤーカフ型ANC
カラー・ブラック
・ホワイト
・パープル
外部音取込
重量・片耳 5g
・ケース込 42.5g
装着検出
連続再生・単体:最大5.5時間
・ケース込:最大25時間
片耳
充電時間120分
(10分で2時間再生)
ワイヤレス
充電
充電コネクタUSB Type-C専用アプリ
操作カスタム
EQ など
防水IPX5低遅延
(60ms)
対応
コーデック
SBC / AAC価格6,580円
(Amazon)
Bluetooth5.4その他2024年10月

スペックシートを見た段階で感じたメリデメは以下。

  • メリット
    IPX5の高めの防滴性能、最新Bluetoothバージョン
  • デメリット
    単体再生時間が少し短め、対応コーデックはAAC止まり、

QCY Crossky C30 実機レビュー

QCY Crossky C30

執筆時点では国内では楽天市場店のみで販売されているパープルを購入。自分はアリエクで購入しましたが蓋の内側には技適マークがしっかり入っていました。

追記:2024年12月からAmazonでもパープルが購入できるようになりました!

QCY Crossky C30

この色、そしてメッキデザインから、なんとなくGalaxyの製品を思い起こさせます。国内の実売価格は約5,000円。ケースにはいつものQCY感が漂っているものの、本体はわりと高級感があります。パープルだからなおさら上品に感じるのかも。

QCY Crossky C30

QCY Crossky C30

初見では分かりづらいですが、粒の大きい方が耳の後ろ側に、音の出口が付いている粒の小さい方が耳の表側(耳の穴側)に来ます。写真のような向きでケースに入っており、つまんでそのままの向きで装着すればよいので、迷うことはありません。

QCY Crossky C30

本体をつなぐ部分は柔軟なつくりで、グッと広げることができます。表面はシリコンのような肌触りの良い加工がなされています。

説明書

今回はアリエクで購入したため英語/中国語によるものが入っていました。英語の面は以下のとおり。クリックで拡大できます。

QCY Crossky C30 説明書

装着感

QCY Crossky C30

前提として自分は耳たぶの形が問題なのか、イヤーカフ型を装着すると筐体が下の方まで下がってしまいがちです。この製品も例外ではなく、いわゆる「耳たぶ」の部分でようやく下げ止まるくらいのポジションに収まりました。

自分の場合は以下の宣材写真のように「3時〜4時」くらいの位置では固定されません。

QCY Crossky C30

自分の場合クリップによる締付はほとんど感じられず、逆に外れてしまいそうな気持ち悪さがあります(実際に外れることはありません)。最初は気持ち悪いですが「こんなもんだ」と思えるようになるまでに時間はかかりませんでした。

あと運用的な視点で感じたイヤーカフ型のメリットに、メンテナンスが楽なことが挙げられます。

カナル型のようにイヤーチップの汚れを気にする必要がないのはストレスフリーです。

操作性

QCY Crossky C30

操作は耳の裏側からタップすることになります。

従来のTWSは耳の表側をタップ、クリックして操作するものがほとんどで、「裏側をタップ」という行為は新鮮に感じるかもしれません。耳に入っている表側を人差し指で押さえて、親指でタップする(両指で挟む感じ)と操作しやすいです。

デフォルトでは以下のコマンドが割り当てられています。

【ステレオ(両耳)使用時】

操作
1タップ
・再生/一時停止
・通話応答/終話
2タップ・再生/一時停止
・通話応答/終話
・ボイスアシスタント3タップ・曲送り
・通話拒否
・電源オン
1.5秒長押し・通話拒否
・電源オン

デフォルトでは1タップが無効になっています。

アプリで操作を追加・カスタマイズでき、音量調整やゲームモード・空間オーディオモードのオンオフも割り当てられます。

またモノラル(片耳)使用時の操作は両耳時の設定が引き継がれます。例えばデフォルト設定では左側のみ使用時に3回タップするとボイスアシスタントが起動し、曲送りはできません。

バッテリー持続時間

公称値は以下のとおり。

  • イヤホン単体 5.5時間
  • ケース込み 25時間

充電左100%、右90%の状態から、音量30%程度で30分間、radikoを視聴。

結果、右が90%表示のまま、左が90%になりました。ざっくり、30分で7、8%との消費と見て良いでしょう。1時間で約15%。この条件であれば公称値以上の再生が期待できそうです。

音量の段階

  • iPhone:0〜16段階(端末操作では0〜16)
  • Android:0〜16段階(端末操作では0〜30)
    ※Xperia 5 IV

アプリ

アプリでできることは以下のとおり。

  • バッテリー残量の確認
  • イコライザー設定(6種+カスタム可)
  • 左右音量バランスの調整
  • 操作カスタマイズ
  • イヤホンを探す(地図+ビープ音鳴動)
  • 電源オフタイマー(15分 / 30分 / 60分 / 90分 / カスタマイズ)
  • タッチ感度の調整(3段階)
  • 自動スリープまでの時間設定
  • ゲームモード・空間オーディオのオン/オフ
  • スリープモード(操作無効)のオン/オフ
    (ケースに戻すと自動でオフになる)
  • ファームウェア更新

アプリの初回接続はスムーズでした。また使用中に繋がりづらくなるようなこともありませんでした。

ANC(アクティブ・ノイズキャンセリング)

当機種にANC機能はありません。

外部音取り込み

当機種に外部音取り込み機能はありません。

遅延

デフォルトの状態でYouTubeの対談番組を見ると、口の動きと声に多少のギャップを感じました。とは言え、ストレスを感じるほどのものではありません。

ゲームモード(低遅延モード、60ms)にしたところ少しはマシになるかな……という程度で、バッチリ改善する感じでもありませんでした。ゲームユースには向いていないかもしれません。

音質

以下、個人的な感想。

  • フラットで聴きやすい
  • 高音やサ行の刺さりがなく、疲れにくい
  • 解像感は少しベールがかかった感があるものの、ウォーミーな感じが出ている
  • 低音も普通に聴こえる。低音がほぼ抜けてしまっているスカスカな安価な製品とは一線を画す
  • 音楽体験的にはインナーイヤー型と大差ない
  • 音量は十分

前提としてイヤーカフ型は本体が固定される場所(=その人の耳の形)によって、音質が大きく変わりそうな気がします。

音楽体験(音質ではなく音の聴こえ方)的には、以前レビューしたAVIOT Openpiece M (TE-M1)に近いかもしれません。インナーイヤーイヤホンで音楽を聞いているような感覚で、「カフェでBGMを聴いているような感覚」ではありません。

この手のイヤーカフ型は屋外で使うとき、音量が環境音に負けてしまうイメージがありましたが、しっかりと音量を確保できています。静かな場所であれば、音源によるものの、30%程度(iPhone)の設定で十分です。ただし、30%程度でも音漏れはするので、第三者がいる場所での使用はご注意ください。

マイクの音質は以下のとおり。

接続・マルチポイントの挙動

マルチポイント接続に関する挙動は以下のとおり。

操作挙動
端末側からペアリングモードへ移行できない
・すべての接続されている端末から接続を解除
電源オン時の挙動前回、電源をオフにしたときに接続されていた
端末(最大2台)に自動で接続
通信圏外に移動して接続解除
→再び通信圏内に戻ったとき
自動で再接続される
A再生中に停止
→続けざまにBを再生
ほぼ遅延なく切り替え可能
非常に優秀
A再生時にBを再生Aの再生が停止し、Bの出力に切り替わる
上書き再生可能
※ただしこのような使い方は推奨されない。
A再生時にBが着信Aの再生が停止し、Bが鳴動
→通話終了後にAの音声に自動で復帰する
※Mac再生中にiPhone着信、
Mac再生中にAndroid着信で検証。
接続中の端末の組み合わせによって、
異なる挙動をする可能性あり
A再生時にBが通知Aの再生が止まり、Bの通知音が鳴る
(通知によって再生を中断される)
※アプリ、サービス、環境によって異なる
A・B接続時に、登録済み端末C
のBluetooth設定から選択
上書き接続できない。
AまたはB、いずれかの接続を解除する必要あり
マルチポイント接続時のコーデックAACでの接続を確認
(Xperia 5 IV)

Bluetooth5.4の恩恵もあってか、接続やマルチポイントにかかわる音声の切り替えは非常に優秀だと感じました。

ただ登録済みの第3端末での操作による上書き接続には対応していませんでした。QCYは上書き接続には積極的ではなく(もしくは技術的に難しい?)、今作でも残念ながら対応しませんでした。

QCY Crossky C30とSOUNDPEATS CC(PearlClip Pro)のスペック比較

やはり気になるのがSOUNDPEATS CC(PearlClip Pro)との差でしょう。

QCY
Crossky C30
SOUNDPEATS
CC(PearlClip Pro)
QCY Crossky C30PearlClip Pro
タイプイヤーカフ型イヤーカフ型
カラー・ブラック
・ホワイト
・パープル(楽天)
・ブラック
重量・片耳 5g
・ケース込 42.5g
・片耳 5g
・ケース込 47.34g
連続再生・単体:最大5.5時間
・ケース込:最大25時間
・単体:最大6時間
・ケース込:最大24時間
充電時間120分
(10分で2時間再生)
・イヤホン 約32分
(10分で2時間再生)
・充電ケース 約106分
充電コネクタUSB Type-CUSB Type-C
防水IPX5IPX5
対応
コーデック
SBC / AACSBC / AAC
Bluetooth5.45.4
QCY
Crossky C30
SOUNDPEATS
CC(PearlClip Pro)
QCY Crossky C30PearlClip Pro
ドライバ10.8mm径
ダイナミックドライバー
12mm径
ダイナミックドライバー
ANC
外部音取込
装着検出
片耳
ワイヤレス
充電
専用アプリ
操作カスタム
EQ など

操作カスタム
EQ など
低遅延
(60ms)

(60ms)
価格6,580円
(Amazon)
7,280円
(Amazon)
発売日2024年10月2024年11月
備考・マルチポイント
・左右区別あり(固定)
・マルチポイント
・左右区別なし

スペックシートではほとんど差がありません。お互いに一歩も譲らず。

実売価格はQCY Crossky C30の方が1,000〜2,000円安いです。後から発売したSOUNDPEATSにとってはブランド力を守るためにも、「QCYより少し高めかつ競争力を損なわない設定」にしたのかもしれません。

結論、両モデルを聴き比べない以上、片方の使用だけではどちらが良いという判断ができません。強いて言うなら、とにかく安く試したい人はQCYを選ぶのが良いでしょう。

一点、機能的な大きな違いに左右の筐体区別の有無が挙げられます。SOUNDPEATS CC(PearlClip Pro)は左右の筐体が全く同じで区別がなく、充電器に入れたタイミングで、左右の設定が上書きされる仕様です。

この仕様について個人的には「便利なのか?この機能いる?」と思っていたのですが、ユーザーの利便性よりも、コストカットの面で一役買っている、という意見を見て「なるほど」と思いました。

イヤーカフ型に何を求めて買うのか

QCY Crossky C30

QCY Crossky C30が発売するまで、イヤーカフ型は2万円くらいするか、2、3,000円の訳のわからないノンブランド品か、その二択を迫られていました。僕のように「試したいけど、試せない」という人は多かったと思います。

そこで信頼できるQCYというメーカーが気軽に手が届く価格帯でCrossky C30を発売したその意味は、非常に大きかったと思います。数ヶ月で競合のSOUNDPEATS CC(PearlClip Pro)が発売したことで、話題を持ってかれてしまったことには、不憫さすら感じます。でもこれは競争だから仕方がない。

直接の聴き比べができていないものの、SOUNDPEATS CCの音質への評価は非常に高いです。

ただ、そもそもイヤーカフ型で音楽をがっつり楽しみたいというニーズがどれくらいあるのでしょうか。音楽を聴き込みたいような人であれば、カナル型なり有線のイヤホンを別に持っているんじゃないでしょうか。

「イヤーカフ型はそこそこの価格で、そこそこの音質で気軽に楽しむために買う」「まともなイヤーカフ型を試してみたい。過去に訳のわからない数千円のもので失望した」そのような人にはQCY Crossky C30を選択肢に入れても良いでしょう。

 

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