2022年夏に発売したAVIOTの「Openpiece M (TE-M1)」は、マルチポイント対応モデルでは珍しいオープンイヤータイプです。
これまでマルチポイント対応イヤホンの選択肢には、ほぼカナル型しかなかったこともあり、発売当初から気になる存在でした。
今回、購入して使ってみた感想をシェアします。
◎この記事の結論
- メガネをかけるかの如く、リアルに1日中、付けていられそう
- 外部との隔たりがまったくない。でも、イヤホンで聴いているという、新しい音楽体験
- 音質は想像以上に精細で良き
- アプリは相変わらず残念仕様
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Openpiece M (TE-M1)のスペック
タイプ | オープン型 | ANC | ー |
---|---|---|---|
カラー | ・ブラック ・ホワイト ・ライムイエロー ・ラベンダー | 外部音取込 | ー |
重量 | ・片耳 – ・ケース – | 装着検出 | |
連続再生 | ・単体:10.5時間 ・ケース込:29時間 | 片耳 | ◯ |
充電時間 | ・約1.5時間 ・10分で90分再生 | ワイヤレス 充電 | ー |
充電コネクタ | USB タイプC | 専用アプリ | ◯ 操作カスタム EQ など イヤホン探知 |
防水 | IPX5 | 低遅延 | ◯ |
対応 コーデック | SBC / AAC | 価格 | 9,880円 (Amazon) |
Bluetooth | 5.2 | その他機能 | ・音漏れ抑制 |
「Openpiece M」実機レビュー
ケースは約5cm×5cm、高さは3cmと、小ぶりな方。
光沢感がある、いかにもAVIOTらしい仕上げです。傷が付きそう……。
イヤホンの本体はこんな感じ。
↑こちらの面が耳に当たる側です
豆のような本体に、角(つの)が付いたイヤーウイングを装着して使います。
正直、イヤーウイングの安っぽさは否めません。
装着したときに、角(つの)の部分にテンションがかかることもあり、長期で使ったときの耐久性が不安です。
ウイングの取り付け、取り外しは簡単で、ランニングなどのアクティビティでイヤホンを使う場合、流水で洗って、常に清潔に保てるのはグッドです。
装着感と聴こえ方
最初に装着したときの感覚は、「付ける」と言うよりは「乗っている」という感じ。
とは言え、接地した3点でしっかりと固定されており、歩いたり激しい運動でもズレてくることはありません。
声を出したときに、自分の声が普段とまったく同じ様に聞こえることで、外部との隔たりが無いことに気付きます(これは、少し不思議な感覚)。
音の聴こえ方については、他のイヤホンと大きな体験の差はありません。
レビュワーさんの中には「カフェでスピーカーから流れているBGMを聴いているような感覚」とおっしゃっている方もいましたが、「イヤホンから流れている音を聴いているな」という感覚です。
装着感、軽さ、聴こえ方をまとめると、極めて、インナーイヤータイプのイヤホンに近い使用感です。
初めて装着したときは、1時間程度で痛くなってきました。自分に合ったイヤーチップを利用(僕はM→S)し、また、慣れたことで、1日中付けていられるようなりました。
操作性
センサーの感度は普通。
構造上、イヤーウイングの上からタップすることになります(うっすら見えるAVIOTマークあたりを目安に)。3タップは、若干、慣れが必要かもしれません。
また、タップする度に「ッターン」という効果音が絶対鳴るのは、好き嫌いが分かれそうです(アプリで消せるようですが、僕は消せませんでした、後述)。
初期設定の操作は以下のとおり。
左 | 操作 | 右 |
---|---|---|
電源オン | 3秒長押し | 電源オン |
電源オフ | 7秒長押し | 電源オフ |
ボイスアシスタント | 1.5秒長押し | 音漏れ抑制モード (再生中に操作) |
ー | 4.5秒長押し | ペアリングモード |
再生、一時停止、 通話受取・終了 | 1タップ | 再生、一時停止、 通話受取・終了 |
音量を下げる | 2タップ | 曲送り |
音量を上げる | 3タップ | 曲戻し |
デバイスをリセット | 10秒長押し | デバイスをリセット |
左右1、2、3タップの操作はアプリから変更できます。
アプリ
Openpiece Mは、AVIOTのイヤホン向けアプリ「SOUND ME」を利用できます。アプリでは
- イコライザ設定
- タップ操作のカスタマイズ
- 低遅延モードへの移行
- イヤホンの探索
- ソフトウェアのアップデート
といった操作ができます。
ただ、これまでのAVIOTのイヤホンと同様に、アプリの完成度が非常にお粗末です。
イヤホンに接続できない、カスタマイズできない、アップデートできない……。
今後、改善される可能性もありますが、本当にいつも思うことは、発売前に最低限の基準をクリアして欲しいということ。
製品は良くても、本当に悲しい気持ちになります。
音質
このイヤホンは音質ではない部分(オープン型でマルチポイント)で他と差別化されています。
正直、音質は期待していませんでしたが、普通に良い、と思えたことは、うれしい誤算でした。
- 繊細な表現は◯。弦楽器は細かいところまで聴きやすい
- 低音は、オープン型ではあるものの、スカスカなわけではない
- 音のこもりがなく、ボーカルから高音まで、スッと聴こえる
- 外部と繋がっていることで、開放的な音場を楽しめる。他のイヤホンでは味わったことがない、不思議な感覚
アプリでのイコライザー調整も可能(アプリに接続できれば)。
オーディオ停止時にホワイトノイズが聴こえるのは、少し気になりました。
通話品質
静かな環境での音質はかなり良い方ではないでしょうか。
あまりに騒音が多い場所では、ノイキャンが発動することによって、水中に潜ったような声になってしまいます。
音漏れ抑制機能
音漏れ抑制モードを利用すると、確かにイヤホン外部に響く「シャカシャカ」という音は低減できます。
ただし、さすがに音量をMaxに近い状態まで上げていると、音漏れはします。
図書館などの本当に限られた場所や、家族で同じベッドで就寝するときなどで利用できるかもしれませんが、個人的には使わない機能です。
マルチポイントの接続性
個人的に最も重視するマルチポイント接続の挙動は以下のとおり。
操作 | 挙動 |
---|---|
端末側からペアリングモードへ移行 | 可能。右側を4.5秒長押し |
A再生中に停止 →続けざまにBを再生 | 切り替えはスムーズな方。 Bの再生の遅れも気にならない。 |
A再生時にBを再生 | Aの再生は止まらない。 Bは無音で再生が始まる。 |
A再生時にBが着信 | Bの着信音が鳴動 |
A再生時にBが通知 | アプリによる |
A・B接続時に、登録済み端末C のBluetooth設定から選択 | 上書き接続(オーバーライド接続) できない |
A・B接続時にペアリングモードに 移行した上で、端末Cに接続 | 可能。ペアリングモード移行で、 A・Bの接続が解除 |
「端末側からワンタップで接続切り替え(オーバーライド接続)」はできません。
ただし、イヤホン単体でペアリングモードに移行できるため、3台目も、わりとスムーズに接続できます。
結論:Openpiece M 、どんな場面で使う?
コンセプトのとおり、「場所を選ばず、1日中付けておく」というのが、このイヤホンの最も有効な使い方だと考えます。
自分に合ったイヤーチップを選べば、朝、家を出てから、夜に帰宅するまで、1日中、装着しておいても問題ありません。
例えるなら、メガネをかける感覚に近いかもしれません(常にかけておいて、疲れたらちょっと外す、みたいな運用)。
また、普段は外の音を聞き逃さないために、片耳で完全ワイヤレスイヤホンを使っている人にも、刺さりそうですね。
AVIOTさんって、アーティストを起用したモデルよりも、こういう「地味な」製品の方が、ヒットすることが多いような気がします。
あとは、アプリをなんとかしてくださいっ!
新しいイヤホンと合わせて、ぜひ!
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コメント
Indexとタイトルの一部がSkullcandy modのままになっています。
恐らくSkullcandy modの記事を流用して書き直した記事なのかと思いますが。
ご確認下さい。
ご指摘、ありがとうございます!
確認させていただきますm(_ _)m
大感謝です!