2025年10月、1世代落ちになったタイミングでHUAWEI WATCH GT 5を購入しました。
以前、HUAWEI WATCH GT Runnerを使用したとき、同社製品のさすがの完成度に好印象だったため、2年ごしにランニングウォッチとしての使用感を改めて調査してみました。
==この記事の結論==
- 結論、HUAWEI WATCH GT 5 はランニングウォッチとして使える?
使える。特に夜間に走ることが多いランナーなら、豊富な機能を不満少なく、コスパよく使える- 日中の視認性:★★★☆☆
- GPS精度:★★★★★
- 心拍センサー精度:★★★★★
- 記録項目:★★★★★
- 操作性:★★★★☆
- 気分アガる度:★★★★☆
- ランニングウォッチとしてのデメリットは?
日中に使う場合、点灯速度・感度に不満を感じるかも - HUAWEI WATCH GT 5 はどんな人におすすめ?
- 夜間をメインにランニングを行う
- AMOLEDのランニングウォッチに抵抗がない
- ランニングだけでなくスマートウォッチとしての機能も重視したい
- 同社の製品に抵抗がない
- 後継モデルが出た2025年以降、コスパ良いモデルが欲しい
HUAWEI WATCH GT 5 のスペック
以前紹介したAmazfitのフラッグシップモデル「Amazfit Balance 2」と比較しておきます。
| HUAWEI WATCH GT 5 (46mm) | Amazfit Balance 2 | |
|---|---|---|
![]() | ![]() | |
| 本体素材 | フロントケース: ステンレススチール リアケース: 高性能コンポジット | フレーム:アルミニウム合金製 ケース:繊維強化樹脂 |
| サイズ | 約45.8×45.8×10.7 mm | 約47.4 x 47.4 x 12.3mm |
| バンド幅 | 22mm | 22mm |
| 重量 | 約48g (本体のみ) 約78g (実測/バンド含む) | 約42g (本体のみ) 約59,7g (実測/バンド含む) |
| ボタン | 2 (1つはクラウン) | 2 (1つはクラウン) |
| OS | HarmonyOS 5.1 (2026.9現在) | Zepp OS 5 |
| 常時表示(AOD) | あり | あり |
| 対応デバイス | Android 8.0以上、iOS 13以上 | Android 7.0以上, iOS 15以上 |
| ディスプレイ | 1.43インチ AMOLED | 1.5インチ AMOLED |
| 解像度 | 466 x 466 | 480 x 480 |
| PPI | 326 | 323 |
| ピーク輝度 | 非公開 | 2,000nit |
| タッチスクリーン | サファイアクリスタルガラス 指紋防止コーティング | |
| バッテリー容量 | 非公開 | 658mAh |
| 充電時間 | 非公開 (実測約40分で20%程度充電) | 約2時間 |
| ワイヤレス充電機能 | あり | ー |
| バッテリー持ち (標準) | 約14日間 | 約21日間 |
| バッテリー持ち (ハード) | 約5日間 (AOD使用時) | 最大10日間 |
| バッテリー持ち (省電力) | ー | |
| 防水 | 5ATM / IP69K | 10ATM ※ ダイビングに適合 |
| MIL規格 | なし | MIL-STD-810G-2014 |
| マイク | あり | あり |
| スピーカー | あり | あり(2個) |
| Bluetooth通話 | あり | あり |
| ストレージ | 約4GB? (非公開) | 約32GB |
| Bluetooth | 5.2 | 5.2 |
| Wi-Fi | なし | あり (2.4GHz) |
| NFC | 日本なし | 日本なし |
| 外部センサー への接続 | あり | あり |
| HUAWEI WATCH GT 5 (46mm) | Amazfit Balance 2 | |
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| 体組成測定 | なし | なし |
| 生理周期 トラッキング | あり | あり |
| 身体バッテリー指標 | なし | BIOCHARGE |
| GPS連続使用 | 非公表 | 最大33時間 (GPSモード) |
| 測位システム | デュアルバンド5衛星測位 ・L1:GPS + GLONASS + GALILEO + BDS + QZSS ・L5:GPS + GALILEO + BDS +QZSS | デュアルバンド6衛星測位 (GPS, GLONASS, Galileo, BDS, QZSS, NavIC) |
| 健康センサー | HUAWEI TruSenseシステム | BioTracker™ 6.0 (5PhotoDiode+2LED) |
| 運動センサー | 加速度センサー/ジャイロセンサー 磁気センサー/光学式心拍センサー 気圧センサー/温度センサー 環境光センサー | 加速度センサー、ジャイロセンサー、 地磁気センサー、気圧高度計センサー、 環境光センサー、温度センサー |
| スポーツモード | 100種類以上 ゴルフ機能あり(2200コース) | 170種類以上 ゴルフ(約4万コース) ダイビング(水深45m) |
| インターバル作成 | あり ウォッチ上で作成可能 | あり ウォッチ上で作成可能 |
| トレーニングテンプレ作成 | あり アプリで作成 | あり アプリで作成 |
| ランニングサポート | ・メトロノーム ・レースガイダンス ・乳酸閾値の測定 ・スマートペースランナー (仮想ペーサー) | ・トラックラン ・仮想ペーサー ・アチーブメント予測 |
| ワークアウトステータス | Vo2Max、完全回復時間 | PeakBeats™ (Vo2Max、完全回復時間、 トレーニングの負荷・効果など) |
| 国内発売日 | 2024年10月9日 | 2025年6月24日 |
| 発売時価格 | 27,718円 | 43,900円 |
HUAWEI WATCH GT 5 レビュー(スマートウォッチとして)
本体はブラックカラー。写真はサードパーティ製のバンドを装着しています。
HUAWEI WATCH GT 5にはさらに上位モデルのHUAWEI WATCH GT 5 Proもあります。直接比較したわけではありませんが、Proでなくとも安っぽさはありません。
素材はステンレススチール、内側は「高性能コンポジット(樹脂)」とされています。
バンド込で約78gとずっしり感があります。
右側上部にリューズ式の回転ボタン、下部に通常ボタンがあります。クリック感もしっかりしています。
バンド幅は22mmです。
ディスプレイ
ディスプレイは1.43インチの大画面に部類されるサイズです。
特に記載がないため、おそらくサファイアガラスは使用されていないと思われます。上位モデルは採用されています。
ディスプレイのピーク輝度も非公開です。感覚的には1,000nitを超えるかどうか、くらいです。屋外でもめちゃくちゃ明るいわけではありませんが、視認する分には問題はありません(ワークアウト中の視認性は後述します)。
個人的に残念だったのが、「ディスプレイタッチで点灯」には対応していないこと。特にワークアウト時の利便性に大きくかかわってきます(例えばAmazifit Balance 2などの同社製品は対応していました)。
バッテリー
バッテリー容量も非公表です。
標準使用で約14日間持つと言われているので、極端に気にする必要はありません。
実際に1日1.5時間程度運動したとしても、24時間で10〜15%程度の消費です。
またHUAWEI WATCHシリーズは専用のマグネットクレードルを用いて無線で充電します。また他社製の無線充電器(Qi充電)でも充電できます。これは他社にはない大きなメリットです。
充電速度はあまり速くありません。実測では約40分で20%程度しか充電できませんでした。これは非純正の無線充電器を使用したことが原因かもしれません。
全体的な操作感
スマートウォッチとしてはトップレベルの「ヌルサク感」ではないでしょうか。この辺りはさすがはスマホメーカーのHuaweiです。
リューズの操作は少し空回りする感があります。リューズは少し内側に押し付け、ゆっくり回すと、うまく回転します。
- 右から左へスワイプ(←):カスタム機能カード(睡眠やストレスモニタリングなど設定した任意の機能)
- 左から右へスワイプ(→):スマートアシスト(天気、オーディオコントロール)
- 上から下スワイプ(↓):コントロールパネル
- 下から上スワイプ(↑):通知表示
- 右上ボタン(リューズ)1クリック:画面点灯、ホーム画面に戻る→アプリリスト
- 右上ボタン(リューズ)2クリック:最近使用したアプリ・機能を表示
- 右下ボタン:設定した任意のアプリ起動
- 右上・右下同時押し:スクリーンショット
スマートウォッチとして気になったところ
スマートウォッチ全体としては、以下の点に改善の余地を感じます
- 画面タップで点灯できない
- メモ帳(ボイスメモ)が外部出力できない
- 「情緒」と「ストレス」など、指標の理解が難しい
- カメラシャッターなど、Huaweiスマホでしか使えない機能あり
- メモ帳(ボイスメモ)をアプリや外部出力できない
ランニングウォッチとしてのレビュー
一市民ランナーがランニングウォッチとしてHUAWEI WATCH GT 5 を使用して感じたこと、取得データなどを共有します。
日中の視認性
走りやすくなってきて、ウォッチを手当たり次第試したい欲が来襲……
中古でHUAWEI WATCH GT 5を購入。日中の視認性は……いまのところAMOLEDの中ではトップレベルでは?
「運動中は常時表示」に設定。もちろん、照度は下がるが、完全に真っ暗にはならず、「ぬら〜」っと明るくなります。 pic.twitter.com/8ZRTbO7kEo
— spkNote (@spk__note) September 23, 2025
HUAWEI WATCH GT 5の日中の運動時の画面の挙動は以下のような特徴がありました。
- 日中は「運動中は常時表示」に設定していても、照度は下がる(他社のAMOLED製品同様)
- 腕を上げるとほんの一瞬暗くなる
- その後、「ぬら〜」っと明るくなる
腕を上げMAX輝度まで上がれば、屋外でも問題なく視認できます。
初めて使用したとき、自分は「視認性はいまのところAMOLEDの中ではトップレベルでは?」とポストしていましたが、結論、使っていく中でストレスも感じるようになりました。
走りやすくなってきて、ウォッチを手当たり次第試したい欲が来襲……
中古でHUAWEI WATCH GT 5を購入。日中の視認性は……いまのところAMOLEDの中ではトップレベルでは?
「運動中は常時表示」に設定。もちろん、照度は下がるが、完全に真っ暗にはならず、「ぬら〜」っと明るくなります。 pic.twitter.com/8ZRTbO7kEo
— spkNote (@spk__note) September 23, 2025
- 上記の動画は運動していないとき(走っていないとき)の動作であり、腕を振っている運動中は、こんなにスムーズには点灯しないし、多少のラグがある
- ウォッチを内向きにつけると、さらに点灯感度が悪くなる
- 画面タッチでは点灯しない
ウォッチを内向きにしたときの点灯の様子は以下のとおり。
実はウォッチは内側に向けて装着する系ランナーなんですが、HUAWEI WATCH GT 5 の点灯、明らかに外向きにつけたときよりもラグい……これは残念 https://t.co/fVmClRRB9N pic.twitter.com/Wt68T6JBfx
— spkNote (@spk__note) September 26, 2025
おそらく外向きに装着する前提でセンサーが調節されており、内向きだと体感でもわかるくらい、反応が悪くなりました。
また夜間の視認性は以下のとおり。めちゃくちゃ見やすい。何度も言いますが、夜間ランナーとAMOLEDの相性は抜群です。「運動中は常時表示」に設定しておけば、常に発光した状態で、どんな角度からでも視認できます。
ディスプレイの表示項目
ランニング中の表示項目は任意にカスタマイズできます。
以前、HUAWEI WATCH GT Runnerを使ったときに、表示できる項目数の変更ができませんでしたが、HUAWEI WATCH GT 5では1ページに何個の項目を置くかまで細かく設定できるようになっていました。これは素晴らしい改善です。
ランニング中、表示項目はディスプレイのスワイプ、またはリューズボタンの回転で切り替えられます。ランニング中の操作は、多少、慣れが必要です。
GPS精度
HUAWEI WATCH GT 5はデュアルバンドの5衛星測位に対応しています。
Garmin Forerunner 255S(同じくデュアルバンド対応)と2回のワークアウトを比較した結果がこちらです。
| ①HUAWEI WATCH GT 5 | ②Garmin Forerunner 255S | ① – ② ( (① – ②)/ ② ) | |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 24.4km | 24.31km | +0.09km (+0.37%) |
| 2回目 | 14.35km | 14.37km | -0.02km (-0.13%) |
ハーフ以上の距離を走っても90m程度、1%以下の誤差に収まっています。比較的信頼できるGarminと比べてこの精度であれば、通常の使用では問題ないでしょう。
運動中の心拍センサーの精度
HUAWEI WATCH GT 5の心拍センサーのハード的な詳細は公開されていません。
今回、外気温23〜25℃の9月下旬に、HUAWEI WATCH GT 5のセンサーと胸に装着する外部心拍センサー(Coospo H6)を比較しました。それぞれのアプリに記録されたグラフを、比率を変更せず重ね合わせた結果がこちらです。
- HUAWEI WATCH GT 5
- 胸センサー
HUAWEIのウォッチの心拍センサーの精度は以前から信用していたので、今回も想定の範囲でした。
9月下旬の外気温であれば、ほぼ、胸センサーと同じ水準で正確な記録ができました。目視でもほぼリアルタイムで追従されていました。
またHUAWEI WATCH GT 5自身も、Bluetoothなどの外部の心拍センサーと接続して、心拍数を受信できます(設定→その他の接続→フィットネスのデバイス)。
記録できる内容(Garmin Forerunner 255Sと比較)
以下はランニングで計測できる項目と、約14.8km走ったときの測定記録です。
空白のセルはそのウォッチでは測定できない項目です。
| 項目名 (カッコ内はGarmin における項目名) | HUAWEI WATCH GT 5 | Garmin Forerunner 255S |
|---|---|---|
| 距離 | 24.40km | 24.31km |
| エクササイズ時間 (合計タイム) | 2:04:36 | 2:04:36 |
| 平均ペース | 5’06” | 5’08” |
| (平均移動ペース) | 5’07” | |
| (平均勾配-ペース調整) | 4’59” | |
| ベストペース | 2’47” | 2’43” |
| 最高ペース/km | 4’35” | |
| 最低ペース/km | 5’50” | |
| 平均速度 (平均スピード) | 11.75km/h | 11.7km/h |
| (平均移動速度) | 11.7km/h | |
| (平均勾配-速度調整) | 12.0km/h | |
| (最高速度) | 22.1km/h | |
| 平均心拍数 | 136bpm | 136bpm |
| 最大心拍数 | 168bpm | 168bpm |
| カロリー消費 | 活動量 945kcal 総消費量 1,089kcal | 安静時 138kcal 運動消費 1,038kcal 消費済み 1,176kcal |
| (推定発汗量) | 2,076ml | |
| (平均呼吸数) | 39brpm | |
| (最小呼吸数) | 14brpm | |
| (最大呼吸数) | 51brpm | |
| 平均ケイデンス (平均ピッチ) | 178spm | 178spm |
| 最大ケイデンス (最高ピッチ) | 229spm | 233spm |
| 平均歩幅 (平均ストライド) | 110cm | 110cm |
| ピーク歩幅 (最大ストライド) | 149cm | |
| (平均上下動比) | 8.3% | |
| 歩数 | 22,208 | |
| 垂直振動 (平均上下動) | 9.0cn | 9.0cm |
| 最大垂直振動 | 10.1cm | |
| 平均接地時間 | 242ms | 238ms |
| 最小接地時間 | 197ms | |
| 左右バランス | 左49.7%/右50.3% | |
| 有酸素トレーニングストレス (トレーニング効果) | 3.7 体力向上 | 利点:ベース 有酸素 4.6 無酸素 1.2 |
| (運動負荷) | 237 | |
| VO2 MAX (ml/kg/min) | 65 | 64 |
| 最大海抜 (最高高度) | 129.2m | 137m |
| 最小海抜 (最低高度) | 14,1m | 11m |
| 累積標高ゲイン (総上昇量) | 383.2m | 424m |
| 累積標高損失 (総下降量) | 376.9m | 419m |
| (平均パワー) | 224w | |
| (最大パワー) | 383w | |
| (平均気温) | 30℃ | |
| 回復時間 | 20時間 | |
| その他記録項目 | ・心拍ゾーン ・ペースゾーン ・バーチャルランナー (設定したペースのランナー) | ・心拍ゾーン ・パワーゾーン ・リアルタイムパフォーマンス ・ボディバッテリー消費量 |
HUAWEI WATCH GT 5はランニング専用ウォッチではないにもかかわらず、Garminと比べても遜色なく記録できています。
別付けのセンサーなどを装着しなくても左右バランスを測れたりします。アプリでは「設置時間」「左右バランス」「垂直振動」といったフォームにかかわる分析やドリルを確認できます。
ランニングウォッチとしてのその他の機能
- スマートペーサー機能
あらかじめ設定しておいたペースで走るバーチャルペーサーと自分の位置をリアルタイムで表示させる - メトロノーム機能
- インターバルトレーニングの作成
1種類しか作成できない - 乳酸閾値の測定
- トレーニング計画の自動作成
- トラックラン機能
また以下のランニング系サービスと連携できます。
- adidas Running
- Strava
ランニングウォッチとしての操作感
リューズボタンで一時停止、右下のボタンで手動ラップを取れます。
また1kmごとのラップ通知を設定している状態で、途中で手動ラップをクリックすると
- A:スタートからの1kmごとのラップ通知
- B:手動ラップを取ってから1kmごとのラップ通知
の2つが並行して通知される仕様です。
以下はランニングウォッチとして使うときに不便だと感じた部分です。
- タップで画面を点灯させられない(再掲)
- おそらく画面が点灯していない状態では一時停止できない
(クリックしても一時停止されないときがある。ただし、夜間であれば100%に近い確率で正しく操作できる)
ランニング専用機と言って遜色ない。日中の視認性だけが惜しすぎる
約2年ぶりにHuawei社のスマートウォッチをランニングで使用しました。
スマートウォッチとしての機能や性能は申し分なく、またランニングウォッチとしても、表示項目数を任意に変更できるようになっていたり、本格的なトレーニングを補助する機能(スマートペーサー機能や乳酸閾値の測定など)はもはや、ランニング専用機と言っても遜色ないレベルです。
ただ個人的には期待が大きかっただけに、日中の視認性はまだまだ改善の余地があると感じました。
- 画面タップで点灯しない
- 日中は画面が点灯していないときにリューズボタンを押しても一時停止されないことがある
本当に細かい指摘かもしれませんが、ランナーにとっては重要な部分であり、前向きに乗り換えようと思えなかった理由です。
夜間がメインのランナーであれば、これらのデメリットはなく、十分、検討の余地があります。2025年10月現在、後継モデルが発売したことで、2万円台そこそこと、お買い得になっているので、狙い目と言えます。
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