EarFun Free Pro 3自腹実機レビュー。Air Pro 3がそのままバッズタイプに

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2023年、U1万円TWSの覇権を獲ったEarFun Air Pro 3

そのEarFunから待望のバッズタイプのマルチポイント対応モデル「EarFun Free Pro 3」が登場しました。

これは間違いなくレビューのニーズがあるだろうという下心から、発売日に自腹で購入して検証してみました。

==この記事の結論==
Free Pro 3はU1万円で売れまくったAir Pro 3をよりコンパクトで軽量なバッズタイプに忠実に落とし込んだ製品、といった印象。間違いなく、コスパは良いです。

ただしAir Pro 3との違いは形状以外にほとんどありません。スティックタイプが苦手だった……、という人は検討しても良いでしょう。

✅ EarFun Free Pro 3の長所

  • 軽量・コンパクト
  • 出っ張らず見た目がスマート
  • イヤーフック付属で万人の耳の形状に対応

🤔 EarFun Free Pro 3の短所

  • Air Pro 3との差異が少ない
  • 上書き接続に非対応
  • ANCはそこまで強くない
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EarFun Free Pro 3のスペック

タイプカナル型ANC
(-43dB)
カラー・ブラウンブラック
・シルバーホワイト
・ネイビーブルー
外部音取込
重量・片耳 約5g
・ケース込 約41.5g
装着検出
連続再生・単体:7.5時間(ANCオフ)
・ケース込:33時間
片耳
充電時間・イヤホン 約60分
(10分で2時間再生)
・充電ケース 約120分
ワイヤレス
充電
充電コネクタUSB Type-C専用アプリ
防水IPX5低遅延
(55ms)
対応
コーデック
SBC / AAC /
aptX Adaptive / LC3
価格9,480円
Bluetooth5.3その他

スペックシートを見た段階で感じたメリデメは以下。

  • メリット
    多色展開
    LC3対応
    ワイヤレス充電
  • デメリット
    LDACに非対応

EarFun Free Pro 3 実機レビュー

今回購入したのはシルバーホワイト。

中華系のTWSは最初は無難にブラックを発売し、ある程度、軌道に乗ったタイミングで他のカラーを展開することが多いです。

今回、日本では最初から多色を用意しています。自信の表れでしょうか。

これほど小ぶりなケースも、最近では珍しくなくなってきました。以下、Air Pods Proとの比較。

TechnicsのEAH-AZ40M2、先日レビューしたTranya T6などに近いサイズ感と思われます。

EAH-AZ40M2

Tranya T6

ケースはそこまで高級感を感じません。

本体も小ぶりで、イヤーフックが3サイズ付属します。

近年はイヤホンの筐体が「人間工学に基づいて開発」など、多くのユーザーの耳にフィットするものが増えており、イヤーフックでサポートするものは少数派になりつつあります。

装着感

装着感は非常に軽いです。

外見上、耳からの出っ張りはありません。しかし、寝ホンとして使うのは、少し厳しかったです。耳を下にすると、普通に痛いです。

(アプリでセンサーを無効にできるため、誤操作は防げます。)

また、想像していたほど遮音性は高くない印象です。音楽を止めれば、外部音取り込みモードにしなくても会話ができるくらいのレベルです。

ちなみに僕は耳への負担を減らしたかったので、イヤーフックは装着せずに使用しましたが、それでも然るべきスポットに収まりました。

(追記)

執筆後に気づいたんですが、FreePro3 には低反発のウレタンイヤーピースが付属しています(説明書や公式サイトには記載なし……!)。

EarFun的には、遮音性はユーザーの判断で調整してや!ということなんでしょう。確かに合理的……!

操作性

タッチセンサーで操作します。

デフォルトでは以下のコマンドが割り当てられています。

操作
・音量−1タップ・音量+
・再生/一時停止
・通話応答/終話
2タップ・再生/一時停止
・通話応答/終話
・曲戻し
・2つ目の通話に
応答・転送
3タップ・曲送り
・2つ目の通話に
応答・転送
・ANC↔外部音↔ノーマル
・通話拒否
2秒長押し・音声アシスト
・通話拒否

モード切替は3種類を順番に行き来します。現時点ではノーマルモードをオフにすることはできず、必ず通過しなければいけません。

また、端末単体でペアリングモードへの移行、電源のオフはできませんでした。

バッテリー持続時間

公称値は以下のとおり。

  • イヤホン単体 7.5時間(ANCオフ)
  • ケース込み 33時間

充電左右70%の状態から、音量50%、ANCオンで約1時間Amazon Musicを視聴しました。

結果、右が60%、左が50%に。

ざっくり、ANCオンで1時間15〜20%くらいの消費となりそうです。

音量の段階

  • iPhone:0〜17段階(端末操作では0〜16)
  • Android:0〜16段階(端末操作では0〜30)
    ※Xperia 5 IV

アプリ

アプリでできることは以下のとおり。

  • モード切替(ANC↔外部音↔ノーマル)
  • 風切り音モードオン・オフ
  • ゲームモードオン・オフ
  • イコライザー設定
  • aptX Adaptiveのオン・オフ
  • センサー操作のカスタマイズ
  • マルチポイント接続のオン・オフ
  • 通話マイクの設定
  • 音声ガイダンスの言語設定
  • イヤホンを探す(音の鳴動)

少しアプリの接続がうまくいかないことがありました。

ANC(アクティブ・ノイズキャンセリング)

正直、ANCの性能はそこまで高くないと思います。

  • 静かな環境ではホワイトノイズが認識できるくらいに気になる
  • 効果はそれなり。めちゃくちゃ強いわけではない

イヤホン自体の遮音性がそこまで高くないこともあってか、ANCの効果が限定的に感じました。

逆にANCのツーンとした感じが苦手な人には、良い塩梅に低音のみを重点的にかき消してくれそうです。

 ※付属のウレタンイヤーピースを装着すれば、遮音性が高まり、ANCの効果を最大限引き出せるでしょう。

また特筆すべきポイントとして、ANCオン時の「風切り音防止モード」があります。多少、ANCの効果が落ちますが、風切り音を抑制できる、とのこと(個人的には効果がわからなかった)。

(追記)2023年11月10日に新ファームウェアが配信

外部音取り込み

外部音取り込みもがっつり集音する、という感じではありません。でも、必要十分な性能です。

先述のとおり、EarFun Free Pro 3はデフォの遮音性が低めで、僕の場合は外部音取り込みをオンにしなくても、会話が出来るレベルです。

なんで大きな問題ではありません。

遅延

YouTubeなどの動画視聴では、「気になる人もいるかも」くらいのレベル感。動画編集をするのは少し厳しかったです。

ゲームモードにすれば、ストレスなくカット編集できるくらいの遅延に抑えられました。

音質

少し聴いている内に、最初は感じなかったドンシャリ傾向を感じるようになりました。万人受けする聴こえ方だと思います。

  • 低音の量が多め
  • 全体的な解像感はそこまで高いとは感じないが、楽器の細かい音は聴き取りやすい
  • 音場の広さは普通、もしくは、狭め?少なくとも開放的な感覚は得られなかった
  • どちらかというと柔らかめな音

EarFun Air Pro 3を初めて聴いたときには「地鳴りが鳴っていると錯覚するような低音」という感想を残していますが、少なくともFree Pro 3ではそのような体験はありませんでした。

マイクの音質は以下のとおり。

接続・マルチポイントの挙動

マルチポイント接続に関する挙動は以下のとおり。

操作挙動
端末側からペアリングモードへ移行できない
・ケースに入れ、蓋を開けた状態で蓋のボタンを3秒長押し
・アプリの「デュアルデバイス接続」から
「新たしいデバイスを接続する」を選択
電源オン時の挙動前回、電源をオフにしたときに接続されていた
端末(最大2台)に自動で接続
通信圏外に移動して接続解除
→再び通信圏内に戻ったとき
自動で接続される
A再生中に停止
→続けざまにBを再生
端末によっては切り替えに5秒くらい時間がかかる
A再生時にBを再生Bが無音で再生されるも、すぐに停止する。
Aの再生が継続される
A再生時にBが着信Aの再生が停止し、Bが鳴動
→通話終了後にAの音声に自動で復帰する
A再生時にBが通知Aの再生は止まらず、Bの通知音は鳴らない
※アプリ、サービス、環境によって異なる
A・B接続時に、登録済み端末C
のBluetooth設定から選択
上書き接続できない。
AまたはB、いずれかの接続を解除する必要あり
マルチポイント接続時のコーデックAptX Adaptiveでの接続を確認
(Xperia 5 IV)

マルチポイントの接続精度はふつう。

機器にもよると思いますが、俊敏な端末間の再生切り替えは苦手かもしれません。少なくとも別の端末で再生するには、停止した上で5秒くらい時間を取るのが確実です。

すでに2台接続している状態での、3台目端末側からの上書き接続には対応していませんでした。

3台目を接続する際は、1台目もしくは2台目のBluetooth設定から、接続を解除する必要があります。

アプリで接続端末を切り替えられる

例えばiPhone 13 と Xperia 5 IVで接続しているときに、iPhone 13のアプリから

  • Xperia 5 IVの接続を解除
  • 以前接続したことがあるMacbook Airに接続

といったような切り替えができます。

ただ、この機能がどんなシーンで役に立つのか想像してみたのですが……、思いつきませんでした。

2台接続時に3台目の他の端末を接続したいのであれば、普通にAorB端末から解除→C端末から接続が最短ルートだと思われます。

ただし、2台中、1台の接続を解除すると「新しいデバイスを接続する」という項目が表示されます。

こちらをタップすると、イヤホンをケースに戻すことなく、ペアリングモードへ移行できます。

例えばケースが側にないときなどは、重宝するかもしれません(でも、そんなシーン、あまりないか……)。

EarFun Free Pro 3とAir Pro 3の比較

EarFun
Free Pro3
EarFun
Air Pro 3
EarFun Air Pro 3
タイプカナル型
(バッズタイプ)
カナル型
(スティックタイプ)
カラー・ブラウンブラック
・シルバーホワイト
・ネイビーブルー
・ブラック
・オフホワイト
・ピンク
・ネイビー
重量・片耳 約5g
・ケース込 約41.5g
・片耳 5.2g
・ケース込 52g
連続再生・単体:7.5時間
(ANCオフ)
・ケース込:33時間
・単体:7時間
(ANCオフで9時間)
・ケース込:45時間
充電時間・イヤホン 約60分
(10分で2時間再生)
・充電ケース 約120分
・イヤホン 約60分
(10分で2時間再生)
・充電ケース 約120分
・ワイヤレス 約230分
充電コネクタUSB Type-CUSB Type-C
防水IPX5IPX5
対応
コーデック
SBC / AAC /
aptX Adaptive /
LC3
SBC / AAC /
aptX Adaptive /
LC3
Bluetooth5.35.3
ドライバ7mm径
ダイナミックドライバー
11mm径
ダイナミックドライバー
チップQCC3072QCC3071
ANC
(-43dB)

(-43dB)
外部音取込
装着検出
片耳
ワイヤレス
充電
専用アプリ
操作カスタム
EQ など

操作カスタム
EQ など
低遅延
(55ms)

(55ms)
価格9,480円
(Amazon)
8,990円
(Amazon)
発売日2023年10月2023年1月

【EarFun Free Pro 3の長所】

  • ケース、本体が小さい
  • チップが新しい
  • イヤーフック付属で、万人の耳に順応

【EarFun Air Pro 3の長所】

  • バッテリー持ちが長い
  • ドライバーが大きい

正直なところ、スペックに大差はありません。

バッズタイプとスティックタイプ、自分が好みな方を選べば良いと思います。

EarFun Free Pro 3にはイヤーフックも付属しています。自分の耳に合うか不安なら、Free Pro 3を選んだ方が無難かもしれません。

紛れもなく、コスパは高い。ただ正直なところ、Air Pro 3のときのような感動はなかった

というのが、率直な感想です。

約10ヵ月前に登場したAir Pro 3はU1万円の常識を塗り替えることに成功し、とにかく売れまくりました。

Free Pro 3はAir Pro 3をよりコンパクトで軽量なバッズタイプに忠実に落とし込んだ製品、という印象です。Air Pro3以下ではありませんが、それ以上でもないと感じます。

「Air Pro 3が良さそうだけど、スティックタイプはあんまり好みじゃなかったんだよなぁ」という人には最適なモデルと言えるかもしれません。

あと、個人的には、ANCが不要であれば、型落ちで1万円以下に落ちてきたTechnicsの「EAH-AZ40」あたりを検討しても良いのかな、という感じです。

 

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