ずっっっと気になっていながら、なかなか足を踏み出せずにいた自作キーボード。
HHKBユーザーの僕が、2022年11月から12月にかけて、初めての自作キーボードに7sProを購入して組み上げた記録を残しておきます。
少しでもこれから作られる方の参考になれば幸いです!
7sProを購入
約3年、HHKBのProfessional HYBRID Type-Sを利用してきました。
今でも大きな不満はありませんし、人生でも指折りの自己投資だったと思っています。それくらい最高な仕事道具です。
ただ、365日、タイピングをすることで飯を食っている身からすると、自作キーボードの世界を知らないことは、大きな機会損失になるんじゃないか、という気持ちが大きくなってきました。
- もっと作業を効率化できるのではないか
- 疲れを軽減できるのではないか
- 新しいことを始められる
など、いろいろと理由を付けて「そちら側」に足を踏み入れました。
初めての自作キーボードに7sProを選んだ理由
まず、前提として、自作キーボードへ移行したとしても、HHKBは併用したいと考えていました。
そのためには、キーボードを行き来したときにどちらを使ったとしても普段どおりにタイピングできることが重要になります。
- HHKBとほぼ同じ使用感
- できるだけ簡単に作れる(時間をかけたくない)
- わからないことを調べやすい(口コミが多い)
以上の理由で、遊舎工房さんで7sProを購入しました。
初めての自作キーボードづくりで準備したもの
本当にゼロからのスタートだった僕が、今回、購入したものは以下のとおり。
他にも揃えた方が良いものがあるかもですが、最低限の道具だけ用意して、必要になったら買い足していくスタンスで始めました。
【キーボードの材料】
品名(購入先) | 価格 |
---|---|
7sPro(遊舎工房) | 16,500円(送料 別途550円) |
Shenpo キーキャップ (Amazon) | 4,701円 |
キースイッチ 70個 CHERRY MX SILENT REDスイッチ (FILCO ダイヤテック) | 6,010円(送料込み) |
マグネット Micro USBケーブル(Amazon) | 849円 |
auxケーブル(Amazon) | 524円 |
【道具】
品名(購入先) | 価格 |
---|---|
はんだごて ※温度調節できるもの(Amazon) | 1,399円 |
はんだ こて先クリーナー台(Amazon) | 297円 |
はんだ吸い取り線(Amazon) | 174円 |
はんだ(Amazon) | 265円 |
エポキシ系接着剤(Amazon) | 238円 |
ニッパー(Seria) | 110円 |
ピンセット(Seria) | 110円 |
黒マジック(Seria) | 110円 |
キーボードに必要な材料が28,584円、最低限の道具一式で2,643円、トータル31,227円……。
制作にかかった時間
- 事前調査、材料購入:6時間51分
- 制作:16時間4分
- 制作日数:24日
普通に作ればこんなに時間はかかりません。3時間でできた、というツイートも見かけました。
僕のように想定され得るほぼ全てのトラブル忠実に再現してしまうと(笑)、これくらい時間がかかることもあります。
7sPro制作の流れ
基本的には7sPro開発者のサリチル酸さんの「ビルドガイド(説明書)」どおりに進めれば問題ありません。
あと、みんな大好き瀬戸弘司さん、「散財は人生や」のなおしまさんの動画も見ておくと、なんとなく自作キーボードの雰囲気が分かります。めっちゃ見ました。
ProMicroへのファームウェアの書き込みだけ後回しにした
ビルドガイドでは、一番最初にProMicroというキーボードの頭脳に、7sPro用のファームウェアを書き込んでいます。
僕はいきなり難しくて挫折しかけたので、以下の方の記事の順番を参考にして、後回しにしました。
7sPro を組み立てた – cobachie’s diary
初心者が7sProを作ったときにわからなかったこと、苦戦したこと
先述のとおり「これでもか!」というくらい、わからないことばかりで、めちゃくちゃ時間がかかりました。
これから作られる方には、少しでも時間と労力を節約して欲しいので、僕が苦戦したことと、解決した方法をシェアします。
少しでも参考になれば幸いです。
事前調査に時間かけ過ぎ
ビルドガイドはもちろん、いろんな人のブログやYouTubeを見まくって、時間を溶かしました。
結局、いくら事前に情報収集したとしても、ミスるときはミスりますし、実際に手を動かしてみないとわからないことの方が多いです。
ある程度、全体の流れを確認したら、必要なものを購入して作業に入りましょう。
ProMicro、スイッチ用LEDをどこに付けるのかわからない
まず、基盤の裏表を理解します。
温泉のマークと「Front side」と書かれている方が表
「LED Tape」と書かれている方が裏です。
ProMicro、LEDとも、基盤の裏側に取り付けます。
基盤を裏返しているので、LEDは左手側に付けることになります。
ProMicroとはんだ付けしたコンスルーをどこに刺したらいいかわからない
ProMicroとコンスルー(魚の骨みたいな部品)をはんだ付けすると、ProMicroに左右12本づつの足が生えた状態になります。
これを基盤の所定の位置に差し込みます。
左右それぞれ、一番外側に白枠に装飾された「BAT」という穴には刺しません。BAT以外の穴に差し込みます。
■ メモ
よくあるミスですが、はんだ付けをするのはProMicroとコンスルーのみで、コンスルーと基盤のはんだ付けは不要です。
はんだ付けしてしまうと、気軽にProMicroを基盤から取り外せなくなります。
コンスルーはどこまで基盤に刺したら良いのかわからない
最初はコンスルーを基盤に刺すのが怖いと思います。僕はめちゃくちゃ怖かったです。
どこまで刺したら良いのか分からず不安でした。
結論、コンスルーが基盤に当たるまで、刺し込み切っちゃってください。
ProMicroにファームウェアが書き込めない
上記の記事を参考に「Pro Micro Web Updater」を使ってファームウェアの書き込みを試みましたが、リセットがうまくいきませんでした。
そのため「QMK Toolbox」をインストールして進めたところ、無事に書き込めました。
ちなみに書き込みは左右それぞれのProMicroで、同じ作業を繰り返します。
左手のLEDが点かない
7sProではレイヤーを示すLEDを一つだけはんだ付けします。
最初はこの1つのLEDでさえも点灯させることができませんでした。
僕の場合、TRRSジャックをはんだ付けし直すことで、無事に点灯しました。
TRRSジャックは基盤にしっかりとはめ込んではんだ付けします。しっかりはまると、カチッとした感触があります。
ProMicroのUSB端子がもげた
事前情報で慎重になっていたのですが、やはりもげました。
こいつ、思っている以上にやわで、すぐにイッちゃいます。
幸いにして完全にもげなかったので、急いでエポキシ系接着剤を取り寄せて、急遽、対応しました。
接着剤が完全に乾くまで、24時間しっかりと時間を置きました。
Micro USBの差込口に接着剤が流れ込んでしまわないように注意さえすれば、しっかりめに塗っても問題ないようです。
けっこう、みなさん、こんもりと塗っていらっしゃるようでした。
一列・一行だけ効かない
今回の自作キーボードづくりで一番ドキドキしたのが、VIAのテスト機能を使って、キーボードが反応するか確かめるときでした。
初めてテストしたときの結果はこんな感じでした。
右手側の0の一列がきれいに反応しませんでした。
調べたところ、このように一列・一行がまとまって反応しない場合、ほとんどの確率でProMicroのはんだ付けがうまくできていないとのことでした。
僕はここから2週間以上、ProMicroのはんだ付けとテストをひたすら繰り返しました。
右手の0の列が反応するようになったと思ったら、今度は左手の最下行が反応しなくなり、心が折れました。
地道にProMicroのはんだ付け、はんだ吸い取り、はんだ付け……を繰り返しました。
すべてのキーが正常に反応したときは、得も言われぬ達成感がありました。
本当は安いものでも良いので、テスターを買って、導通確認(電気が通っているかを確認する作業)をするのが望ましいです。
キーが反応しない原因を特定できれば、ここまで時間がかかることはなかったはず……。反省。
TRRSジャックが割れた
完成した1週間後くらいに、左右のキーボードが接続できなくなりました。
TRRSジャックの片側が割れており、左右をつなぐauxケーブルがゆるゆるになってしまっていました。
遊舎工房さんでTRRSジャックのみ追加で注文して、はんだ付けし直しました。
達成感がやばい。まだまだ手探り状態
正直なところ、1、2週間使っただけなんで、まだまだ自作キーボードの良さを十分に感じるには至っていません。
打鍵ミスも多いですし、ストレスがないかと言われると嘘になります。たまにHHKBが使いたくなり、そんなときは素直にHHKBも併用しています。
ただ「たぶん慣れたら、これじゃないとムリ!ってなるんだろうなぁ感」はひしひしと感じます。
しばらく使ってみて感じたことや、配列のカスタマイズなんかは継続して報告できればと思っています。
3週間以上かかりましたが……ついに初の自作キーボード #7sPro が完成!
左手の最下段が反応せず、その期間のほとんどをPro Microのはんだ付け↔︎テストの永遠ループに費やしました
先達諸氏のブログ記事には、ほんまに助けられました。たくさん記事を書くぞ–👺 pic.twitter.com/aDz7JFHPEr
— 水野 (@spk_note) December 14, 2022
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