2025年1月に発売したGarminのタフネスシリーズ「Instinct」の廉価モデル「Instinct E 45mm」を購入しました。
2026年に入ってからメーカーによって約3.5万円に値下げされたこのモデル。MIP液晶かつ基本的なランニングウォッチとしての性能も備えており、「今からGarminのエントリーランニングウォッチを買うなら、ありじゃね?」と思い、購入した次第です。
サブ3〜3.15付近で走っている筆者が、Garmin Instinct E 45mmをランニングウォッチとして使って感じたことを共有します。
==この記事のポイント==
- Garmin Instinct E のメリットをまとめると?
- 2026年にメーカーが3.5万円に値下げ
- MIPモデルの日中屋外での圧倒的な視認性
- 小さいディスプレイ内に多様な情報を表示させる工夫、ギミック
- ランニングウォッチとしての基本性能(心拍、位置測位精度はエントリーランニングウォッチ以上)
- Garmin Instinct E の物足りない部分は?
- ディスプレイタッチに対応していない
- スペック上は4衛星シングルバンド
- 出力系データ(W数)を計測できない
- Garmin Instinct E はどんな人におすすめ?
- 日中にランニングすることが多い
- エントリーランニングウォッチを探している
- 30代以上(子どもの頃に遊んだゲーム機のような懐かしさを味わえる)
- 高性能な大画面AMOLEDモデルよりも他の人との差別化、シンプルさが重要
- Garmin Instinct E がおすすめできない人は?
- タッチディスプレイが必要
Garmin Instinct E 45mm のスペック
Amazfitで比較的同じ価格帯で購入できるモデルと比較しておきます。
| Garmin Instinct E (45mm) |
Amazfit T-Rex 3 Pro (48mm) |
Amazfit Balance 2 |
|
|---|---|---|---|
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|
| ディスプレイ | 0.9 inch MIP液晶 (2ウィンドウデザイン) |
1.5 inch AMOLED |
1.5 inch AMOLED |
| 解像度 | 176×176px | 480*480 | 480*480 |
| 輝度 | ー | 3,000 nit | 2,000 nit |
| スクリーン | 化学強化ガラス | サファイアクリスタルガラス | サファイアクリスタルガラス |
| サイズ | 45 x 45 x 14.2mm | 48 x 48 x 14mm | 47.4 x 47.4 x 12.3mm |
| 重量 |
本体 48g | 本体 49g ストラップ込 約74.5g |
本体 42g ストラップ込 約59,7g |
| 本体材質 | 繊維強化ポリマー | チタン合金(Grade5) | アルミニウム合金 繊維強化樹脂 |
| ボタン数 | 5 | 4 | 2 |
| ストラップ | 22mm QuickFit互換 シリコン |
22mm シリコン |
22mm シリコン |
| 心拍センサー | Garmin Elevate 光学式心拍計 |
5PD + 2LED (BioTrackerTM PPG 生体センサー) |
5PD + 2LED (BioTrackerTM 6.0 PPG 生体センサー) |
| GPS | シングルバンド 4衛星測位システム (GPS, GLONASS, Galileo, みちびき) |
デュアルバンド 6衛星測位システム (GPS, GLONASS, Galileo, BDS, QZSS,NavIC) |
デュアルバンド 6衛星測位システム (GPS, GLONASS, Galileo, BDS, QZSS,NavIC) |
| ストレージ | 128MB | 32GB | 32GB |
| 接続 | Bluetooth, ANT+ |
Bluetooth | Bluetooth |
| バッテリー容量 | ー | 700mAh | 658mAh |
| バッテリー性能 (日常使用) |
最大16日間 (スマートウォッチモード) |
最大25日間 | 最大21日間 |
| バッテリー性能 (高精度GPS) |
最大16時間 (マルチGNSSモード) |
最大38時間 | 最大33時間 |
| 常時表示 | ◯ (MIP液晶) |
◯ | ◯ |
| 耐水性 | 10ATM | 10ATM ダイビング適応 |
10ATM ダイビング適応 |
| MIL規格 | MIL-STD-810 | MIL-STD-810G-2014 | MIL-STD-810G-2014 |
| 気圧計 | ◯ | ◯ | ◯ |
| Bluetooth通話 | ー | ◯ | ◯ |
| Wi-Fi | ー | ◯ (2.4GHz) | ◯ (2.4GHz) |
| スピーカー | ー | ◯ | ◯ |
| マイク機能 | ー | ◯ | ◯ |
| モーター | ー | ローターモーター | リニアモーター |
| 懐中電灯 | ー | デュアルモード 懐中電灯 |
ー |
| 超低温モード | ー | -30℃ | ー |
| NFC | ー | 日本なし | 日本なし |
| 外部センサー 接続 |
◯ | ◯ | ◯ |
| 生理周期 トラッキング |
◯ | ◯ | ◯ |
| グローブモード | ー | ◯ | ー |
| レディネス | ー | ◯ | ー |
| BIOCHARGE | ー | ◯ | ◯ |
| 運動センサー | 加速度センサー、 気圧高度計、 コンパス(電子3軸)、 温度センサー |
加速度センサー、 ジャイロスコープ、 地磁気センサー、 気圧高度計、 環境光センサー、 温度センサー |
加速度センサー、 ジャイロスコープ、 地磁気センサー、 気圧高度計、 環境光センサー、 温度センサー |
| インターバル作成 | あり | あり ウォッチ上で作成可能 |
あり ウォッチ上で作成可能 |
| トレーニングテンプレ作成 | あり | あり アプリで作成可能 |
あり アプリで作成可能 |
| 乳酸閾値計測 | ー | ◯ ※ OTAアップデート |
◯ ※ OTAアップデート |
| ランニングサポート |
・Garmin コーチ ・VO2 Max ・ランニングダイナミクス ・仮想パートナー ・インターバルトレーニング ・トレーニング効果 ・リカバリータイム など |
・Zepp コーチ™ ・運動の目標設定 ・運動中のアラート機能 ・トラックラン ・仮想ペーサー ・アチーブメント予測 ・ケイデンスアシスタント ・3Dデータモード ・ギア登録 ※ アプリUDで対応 など |
・Zepp コーチ™ ・運動の目標設定 ・運動中のアラート機能 ・トラックラン ・仮想ペーサー ・アチーブメント予測 ・ケイデンスアシスタント ・3Dデータモード ・ギア登録 ※ アプリUDで対応 など |
| スポーツモード | 多数(ラン、バイク、 スイム、ハイキング、 スキー等) |
180種類以上 ダイビング(水深45m) |
170種類以上 ゴルフ(約4万コース) ダイビング(水深45m) |
| ボタンモード (ボタンだけで操作) |
◯ (ボタン操作のみ) |
◯ | ◯ |
| 地形図 | ー | オフラインマップ、 等高線、スキー場 |
オフラインマップ、スキー場 |
| YAMAP YAMARECO |
ー | ◯ | ◯ |
| ウォッチ単体での ルート作成 |
ー | ◯ | ー |
| 発売 | 2025年1月 | 2025年9月 | 2025年6月 |
| 税込想定 小売価格 |
34,800円 (2026年4月値下) |
59,900円 (発売時) |
43,890円 (発売時) |
Garmin Instinct E(45mm)レビュー
Garmin Instinct Eには40mmモデルと45mmモデルの2サイズがあります。今回購入したのは45mmモデル。
本体がオール樹脂なので軽いです(本体のみ48g)。ランニングウォッチとして使っても全く重さが気になりません。
もう、一目惚れですわ。
MIL規格(MIL-STD-810)にも準拠したタフネスモデルにもかかわらず、収まりの良いサイズ感。小さいのに頑張っている感がたまりません。ちいかわです。
Garmin Forerunner 255までのMIP液晶モデルと同様に左側に3つ、右側に2つ、合計5つのボタンを搭載。
ストラップは22mm幅でQuickFit機構です。サードパーティ製のものにも変更できます。
ディスプレイ、視認性
購入前に最も懸念していたことは、ディスプレイの小ささでした。0.9インチで、しかも右上に小窓が付いており、メイン領域はさらに狭まります。最近は1.5インチのAMOLED「Amazfit Cheetah 2 Ultra」を使っていたこともあり、実際に比べても画面が小さい。
日常使いであれば、小ささは気になりません。むしろ、最近のスマートウォッチのディスプレイサイズは過剰過ぎると感じるほどです。
一方でランニングウォッチとして使ってみると、やはこの大きさの弊害は感じられました。
上記のような「4項目(3段)+右上小窓」設定だとフォントサイズがかなり小さく、私が視認するためにランニングのスピードを落とす必要がありました。
個人的には「2項目+右上小窓」がランニングウォッチとしては最も現実的な配置だと感じました。どうしても1ページに多くの情報を収めたいなら「3項目+右上小窓」でもギリギリいけるかな、という感じです。
「右上小窓」の中にも心拍数やペース、ケイデンスなど、好きな項目を割り振ることができますが、さすがに小さすぎて4分台前半/kmくらいのスピードになってくると、画面をかなり顔に近づけても見えません(限界)。
そして、久しぶりに使ったMIP液晶は、やはり最高でした。最近は自分の身体がAMOLEDの点灯速度にも対応してきていましたが、MIP液晶の「見たいときに目をやるだけで見れる」こと、つまり、手首を返す必要がないのは別次元の視認体験です。
大迫傑選手のCOROS NOMADだったり、2026年にフルマラソンで初の1時間台で世界記録を樹立したセバスチャン・サウェ選手もGarmin Forerunner 55を使っていたりと、高速で走るランナーほどMIP液晶の優位性を理解されているように感じます。
何度でも言いますが、各メーカーはMIP液晶モデルの開発を続けてください!
心拍センサーの精度
Garmin Instinct Eの心拍センサーは見た目から判断するに、以前、筆者が使っていたGarmin Forerunner 255Sと同じものだと思われます。
胸に装着するセンサー(CooSpo H6)と比較してみました。
5月下旬、18°C、湿度84%
この時季としては、えげつない高精度が叩き出されました。
心拍数が落ち切っていない部分も見られますが、胸センサーの上下動に見事に追従できています。
私の手首周りは14cmほどしかなく、また血管も薄いため、一般的なランニングウォッチのセンサーでは気温が20°Cくらいまで上がらないと正しい計測ができません。こういった最悪な条件下であっても、Garminの心拍センサーの取得精度が高いことを改めて感じることができました。
最近、何となく感じていたことですが、これは断言できるかもしれません。私の手首に限っては、GarminやCorosの心拍センサーは1段上のクオリティで計測できます。
位置測位精度
Garmin Instinct Eをランニングウォッチとして使う上で、位置測位の精度も少し不安でした。シングルバンド(4衛星)にしか対応していない本製品でどこまで正確な記録ができるのか。6衛星マルチバンドモデルのAmazfit Cheetah 2 Ultraと4回比較した結果が以下のとおり。
| ①Garmin Instinct E 45mm (シングルバンド) |
②Amazfit Cheetah 2 Ultra (マルチバンド) |
① – ② ( (① – ②)/ ② ) |
|
|---|---|---|---|
| 1回目 | 17.26km | 17.29km | -0.03km (-0.1%) |
| 2回目 | 14.87km | 14.92km | -0.05km (-0.3%) |
| 3回目 | 7.15km | 7.13km | 0.02km (0.2%) |
| 4回目 | 17.03km | 17.04km | -0.01km (-0.1%) |
Amazfit Cheetah 2 Ultraが完璧というわけではありませんが、マルチバンドモデルと比べてもかなり近似した結果になりました。17km走って10mの差分であれば、シングルバンドとしては上出来でしょう。距離測位の懸念も杞憂に終わりました。
軌跡を見てみると、確かにふらついている感・道を外れている感が見られる箇所はありますが、でも、最終的にはしっかり帳尻を合わせて来ています。さすが、Garmin。
計測項目
「ランニングウォッチ」ではないGarmin Instinct Eで、どこまでのデータを計測できるのか。以下が「屋外ランニング」のワークアウトで計測できる項目です。専門ランニングウォッチのGarmin Forerunner 255Sで記録できるものと比較しています。
| 項目名 | Garmin Instinct E 45mm | Garmin Forerunner 255S |
|---|---|---|
| 平均ペース | ◯ | ◯ |
| 平均移動ペース | ◯ | ◯ |
| 平均勾配ペース調整 | ー | ◯ |
| 最高ペース | ◯ | ◯ |
| ペースグラフ | ◯ | ◯ |
| 平均スピード | ◯ | ◯ |
| 平均移動速度 | ◯ | ◯ |
| 平均勾配速度調整 | ー | ◯ |
| 最高速度 | ◯ | ◯ |
| 合計タイム | ◯ | ◯ |
| 移動時間 | ◯ | ◯ |
| 経過時間 | ◯ | ◯ |
| ラン時間 | ◯ | ◯ |
| ウォーク時間 | ◯ | ◯ |
| ラン/ウォークグラフ | ◯ | ◯ |
| 休憩時間 | ◯ | ◯ |
| 平均心拍数 | ◯ | ◯ |
| 最大心拍数 | ◯ | ◯ |
| 心拍グラフ | ◯ | ◯ |
| 心拍ゾーングラフ | ◯ | ◯ |
| 有酸素トレーニング効果 | ◯ | ◯ |
| 無酸素トレーニング効果 | ◯ | ◯ |
| 運動負荷 | ー | ◯ |
| 平均パワー | ー | ◯ |
| 最大パワー | ー | ◯ |
| パワーグラフ | ー | ◯ |
| パワーゾーン | ー | ◯ |
| 風データの反映 | ー | ◯ |
| 平均ピッチ | ◯ | ◯ |
| 最高ピッチ | ◯ | ◯ |
| ピッチグラフ | ◯ | ◯ |
| 平均ストライド | ◯ | ◯ |
| 歩幅グラフ | ◯ | ◯ |
| 平均上下動比 | ◯ | ◯ |
| 上下動比グラフ | ◯ | ◯ |
| 平均上下動 | ◯ | ◯ |
| 上下動グラフ | ◯ | ◯ |
| 平均接地時間 | ◯ | ◯ |
| 接地時間グラフ | ◯ | ◯ |
| 総上昇量 | ◯ | ◯ |
| 総下降量 | ◯ | ◯ |
| 最低高度 | ◯ | ◯ |
| 最高高度 | ◯ | ◯ |
| 温度グラフ | ◯ | ◯ |
| 高度グラフ | ◯ | ◯ |
| ワークアウトインターバル (ラン時間) |
ー | ◯ |
| ワークアウトインターバル (ランニング距離) |
ー | ◯ |
| ワークアウトインターバル (ランニングペース) |
ー | ◯ |
| パフォーマンスコンディショングラフ | ー | ◯ |
| 安静時消費カロリー | ◯ | ◯ |
| 運動消費カロリー | ◯ | ◯ |
| 消費済み合計カロリー | ◯ | ◯ |
| 推定発汗量 | ◯ | ◯ |
| 平均温度 | ◯ | ◯ |
| 最低温度 | ◯ | ◯ |
| 最高温度 | ◯ | ◯ |
| 風向・風速 | ◯ | ◯ |
| 週間運動量(中程度) | ◯ | ◯ |
| 週間運動量(高強度) | ◯ | ◯ |
| 週間運動量(合計) | ◯ | ◯ |
| Body Batteryへの影響 | ◯ | ◯ |
| ワークアウトの評価 | ◯ | ◯ |
| VO2Max | ◯ | ◯ |
| 乳酸閾値 | ◯ | ◯ |
パワー系の項目が記録できないため、特にサイクリストさんは気になるかもしれませんが、ランナー目線で言えば、個人的にはそこまで重視していない項目です(正直、心拍データで事足りる)。
ランニング中にリアルタイムのパフォーマンス状況がわかる「パフォーマンスコンディション」にも対応していませんが、この項目も「絶対に欲しい」というランナーがどれだけいるかはわかりません。
結論、エントリーランニングウォッチ以上の項目は記録できると言えます。
ランニングウォッチとしての使い勝手
ボタンの作り(サイズ、クリック感)がしっかりしており、操作に不便を感じません。物理ボタンの方が確実に操作できて安心というランナーも多いはずです。
またGarminらしくバイブレーションが強力なのもランニングウォッチとして評価できるポイントです。
ランニング時の表示項目に限ったことではありませんが、MIP&極小ディスプレイという制約があるにもかかわらず、ここまでの情報を表示できるのか……!というくらいに、作り込みや情報の見せ方が工夫されています。
Garmin Instinct 2 Dual Power(45mm)とのスペック比較
ランニングウォッチとして計測できる項目はGarmin Instinct Eの方が上回ります。一方でGarmin Instinct 2 Dual Powerはソーラー充電やGarmin Payに対応しているといったメリットがあります(Garmin Instinct Eのバッテーリー持ちに不満を感じるユーザーの声も見かけます。個人的にはそこまで気になりません)。
Garmin Instinct 2 Dual Powerはすでに終売しているので、これから買うなら中古で探すことになります。そうであるならば、個人的には2026年現在も販売しているGarmin Instinct Eを購入した方が長く安心して使えると思います。
Garmin Instinct Eは唯一無二のちいかわ
正直、AMOLEDの大画面を搭載したスマートウォッチの方が、したいことを直感的にパッとできると思います。でもGarmin Instinct E にはそうしたウォッチにはない魅力があります。
何だろう、ポチポチと物理ボタンで操作するのが、何だか、たまごっちやデジモンなどの往年のポケットゲームを操作しているような気持ちになります。スマートウォッチに支配されているのではなく、ユーザーがスマートウォッチをしっかり使っている感覚。スマホが出始めた頃に「物理ボタンがないから操作している感がなくて嫌だ」とガラケーを使い続けていた先輩方が感じていた感覚が、正にこれなのかもしれません。
近年、スマートウォッチのハード的な性能は早くも頭打ちしている感は否めません。最近のモデルは高くてスペック過剰、と感じている人ほど、Garmin Instinct Eのような原点回帰モデルに触れてほしいです。
約3.5万円、MIP液晶、0.9インチの極小ディスプレイで、しかも右上の小窓に表示領域を取られている中で、一生懸命、いろんな情報を表示しようとしている健気さが、最高に「ちいかわ」で愛おしいです。
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