ソフトバンクの新トクするサポート、一部白ロム(移動機物品販売)で加入不可に

スマホ・通信
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2024年7月、ソフトバンクの新トクするサポートの条件が一部、変更されていることが判明しました。

ソフトバンクで端末のみを購入する際、今回の改定に該当する可能性があります。

==この記事の結論==

一部端末で新トクするサポートに加入した上で白ロムの購入ができなくなっていることが判明した。

これは23年末の電気通信事業法施行規則の改正による影響と見られ、今後も、キャリアにメリットが少ない白ロムの販売(レンタル)は縮小していくと予想される。

新トクするサポートはこれまで「回線契約がなくてもOK!」だったが

新トクするサポート

新トクするサポートはソフトバンクが提供する端末の購入プログラムです。

端末を48回分割で購入し、24回支払い後(2年後)または12回支払い後(1年後)に返却することで、残りの支払いが免除されるというものです。

各社購入プログラムは「回線契約とは紐づかない」

2024年現在、キャリア各社が同様のプログラムを提供しています。

これらのプログラムは原則、各社の回線契約がなくても(=白ロムでも)加入できます。

その根拠は2019年10月に施行された「改正電気通信事業法」にあります。

このときの改正で「通信料金と端末代金の完全分離」が規定されました。通信料金を原資とした過度な端末の割引を根絶することが目的で、端末のセット販売の割引上限が2.2万円に規制されました。

それまで、各社のプログラムはそのキャリアの回線契約者のみが加入できましたが、「2.2万円」の割引上限額とは別に購入プログラムの還元を行うために、各社、一斉で回線契約がないユーザーにも、プログラムの加入を開放しました。

いつでもカエドキプログラム

スマホトクするプログラム

上記の画像のように、各社の購入プログラムのページには「回線契約がなくてもOK」の表記が強調されています。

23年12月の施行規則改正で「トータルの還元額が最大4.4万円に」

上記の「改正電気通信事業法」では、回線契約に紐づかない端末(白ロム)の購入には割引の制限がなかったため、「1円端末」が横行し、転売ヤーが跋扈(ばっこ)しました。

そのため、2023年12月には電気通信事業法施行規則が改正され、回線契約がなくても適用される割引(=白ロム割)まで含めて、最大4.4万円に規制されました。

4.4万円規制 電気通信事業法施行規則等の一部改正

ソフトバンクの新トクするサポートが一部の白ロムで加入できなくなった

そんな中でソフトバンクが動きを見せました。

以下は2024年4月当時の新トクするサポートのページのトップビューです。このときは確かに「回線契約がなくてもOK!」の記載がありました。

新トクするサポート

そして、以下が2024年7月現在の画像です。当該記載がなくなっています……。

新トクするサポート

その理由はズバリ、一部の端末は回線契約がないと新トクするサポートに加入できなくなったからです。

2024/07/04現在、以下の端末で新トクするサポートに加入するには、回線契約が必須となっています。

これらの端末はそもそも、ソフトバンクオンラインショップの白ロム販売ページに掲載されておらず、白ロムで購入できないようになっています。

上記の端末の価格は以下のとおり。

いずれも返却タイミングまでの支払いが1円/月に設定されている、超お得端末です。

※ちなみに

motorola razr 40s(97,200円)の分割金額は

  • 1〜24回目:1円/月
  • 25回〜48回目:4,049円/月

と設定されており、24回支払い後に返却することで97,176円もの還元を受けられます。

これ、完全にアウトのように見えますが、公開が義務付けられている「買取等予想価格一覧」によれば、当該端末の2年後の買取予想額は53,500円となっており、利益供与とみなされるその差額「43,676円(97,176円-53,500円)」は、割引上限額の4.4万円以内に収まっています。

購入プログラムによる利益供与を含めて、還元の上限が4.4万円に制限されてしまった今となっては、キャリアが自社の回線を契約していないユーザーに対して、購入プログラムを提供する理由はなくなったと言えます。

ただ、ソフトバンクとしては、白ロム購入者に購入プログラムを提供しないための理由が必要です。そこで、いっそのこと、該当端末は白ロムも販売もやめちゃえ!となったのではないかと推察されます。

2024/07/27 追記

2024/08/01 追記

ソフトバンクが取り扱うAndroidの全端末が、白ロム販売を停止しました。

端末ごとに白ロム販売を制限することは許されるのか

結論、筆者が調べた限りでは問題なさそうです。

回線契約に紐づく割引額には上限があるものの、回線契約者にのみ端末を販売することを制限する法律・規制を見つけることはできません。

本来「回線契約者=顧客」にのみ「端末の販売=サービスの提供」を行うことは、商業活動的にも、何ら不自然なことではありません。

公共の資産(回線)を使って行っているサービスで、このような行為が許されるのか、といった点をツッコむ人が出てくるかもですが、個人的にはしょうがないことなのかな、と思います。

まとめ:今後、白ロムの格安レンタルはできなくなるかも

購入プログラムと白ロム販売の経緯をまとめておきます。

  • 2019年10月まで:購入プログラムはそのキャリアの回線契約者しか加入できなかった
  • 2019年10月:法改正による「通信料金と端末代金の完全分離」を施行
    回線契約に紐づく利益供与の上限が「2.2万円」に制限されてしまったため、各社、プログラムを非回線契約者にも解禁(2.2万円の割引上限の対象外に)
  • 2023年12月:施行規則改正で白ロム、プログラムの還元を含めたトータルの還元が最大4.4万円に規制
  • 2024年春頃:ソフトバンクが一部端末で、購入プログラムの加入を通信契約者に制限(一部端末で白ロム販売を抑制)

ソフトバンク的にはルールの範囲内で行っていることだと思われます。

ただ、ユーザーとしては、今後、キャリアの白ロム販売がさらに制限されていくことを危惧しています。

物価高が進む昨今にあって、比較的新しい端末が白ロムでもレンタルしやすい今の状況は、とても喜ばしいことです。一ユーザーとしては今の環境をなんとか残してもらいたいと願っていますが、きっと、この流れは止まらないと思います。

各社の白ロムを格安レンタルしたいなら、早めに動いたほうが良いかも知れませんね。

 

ソフトバンクの白ロム販売のページ

 

 

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