2019年1月20日、亀岡市に建設中で2020年春にオープンを予定している球技専用スタジアム「京都スタジアム(仮)」(以下「京都スタ」という。)の工事現場見学会に参加してきました。工事の進捗などを写真を多めに紹介したいと思います。
(2019/01/20 19:51追記 ホームサポーター席を南側ゴール裏と勘違いしておりましたが、北側の誤りでした。本文内のホームサポーター席はアウェイサポーター席と変換して読んでください。アウェイサポにぐるりと一周させる、まさにアウェイの洗礼ですね。)
ご存知のように構想から着工までの間、本当に紆余曲折あった京都スタだが、昨年の1月の起工式以降は順調に作業が進んでいる様子。今回は昨年12月に行われた第1回京都スタ(仮称)工事見学会の追加開催として実施された。
2018年の1月に起工式が行われ、3月に着工。2019年12月に完成する予定。スタジアムは全体が一つの塊にみえる「モノフォルム・デザイン」で日本の伝統的な家屋の「軒」がモチーフとして採用されている。
出典:京都スタジアム(仮称)整備について/京都府ホームページ
JR亀岡駅からスタジアム方面を望む。徒歩3分ということを謳い文句にしているが、おそらく3分ではスタジアムには到着できない。
というのも、完成後の京都スタは亀岡駅北口から駅前のロータリーを北上してアクセスする。ホームのサポーターが陣取る南側ゴール裏はぐるっと大回りすることになる。
上の地図の南東にある「公園」はスタジアムに合わせて亀岡市が整備する。現在その敷地には建設事務所があり、最初にここで見学会の説明を受けた。
スタジアムの南ゴール裏から見学は始まる。建設工事も南から北、という順番で行われている。京都スタは当初ピッチと観客席最前列がほぼ同じ高さになる「ゼロピッチ」での設計を計画していたが断念。 最前列とピッチは1.2mの高さとなっている。
その理由はゴール裏席の真下に入るとよく分かる。座席とピッチの間に少しでも高さを設けることで、このように芝の育成に重要な通気口を確保することができる。
スタジアム内に入る。スタジアムの建設で活躍する大きなクレーンが数機鎮座している。京都スタは工事の「プレキャスト化」を行っている。鉄筋コンクリートの部材を予め工場でつくり、現場に持ち込んでブロックのように組み立てて、スタジアムを形作っていく。
上述の通り、京都スタは南から北、という順番で作業が進められる。南側のゴール裏スタンドに上がる。ここで京都サポは選手たちにエネルギーを送ることになる。南側ゴール裏からバックスタンドを望む。バックスタンドは下層4,117席、上層2,426席、スカイレストラン席174席が確保される。
南ゴール裏からメインスタンドを望む。メインスタンドは下層だけが一般の観客席(3,418席)となり、上階はスカイボックステラス席(14室314席)、記者席、放送席などが設けられる。
南ゴール裏からピッチを眺める。この写真だけでも普段からサッカー観戦をしている人ならば、その応援風景を脳内に楽勝に想像できると思う。ちなみに大型ビジョンは写真の右側(北東)と写真手前の左側(南西)の対角線上に設置される。
ゴール裏最前列、大旗隊が陣取るのはこの辺りか。ゴールラインまでは10.5m。写真のコーンが立っている場所がゴールポスト。
南ゴール裏に設置された座席のモックアップ。奥の明るい紫色が採用され、スタジアムすべてこの色で統一されるとのこと。
再びピッチに降りる。メインスタンドの選手の入場口。このあたりに試合球が設置されて両チームの選手が入ってくると思う。中継でよくあるアングル。
メインスタンドから外へ。中央に見えるスロープからはケータリングカーも昇り降りできるくらいに広いものになるとのこと。コンコースは上下観客席にあり、2階のインナーコンコースはスタジアムをぐるっと一周できるようになっている(広島のZoom-Zoomスタジアムもそんなつくり)。
2月から屋根の取り付けが始まる。屋根は観客席最前列よりも2m前にせり出すので、一応全席雨天でも観戦可ということになる(しかし、前列は風雨が吹き込むことが予想される)。
出典:京都スタジアム(仮称)整備について/京都府ホームページ
屋根は南ゴール裏だけガラス張りになっており、芝生の育成に不可欠な太陽光を取り入れることができるようになっている。
2月に屋根の取り付け、8月にフィールド工事がはじまり12月の完成を目指すことになる。
スタジアム改革が叫ばれていて、国としても快適なスポーツ観戦が実現できる、収益を生めるスタジアムの整備を掲げています。また地方の活性策として、スタジアムを中心とした複合型のレジャー施設の整備も期待されています。この京都スタの北側はボルダリング施設や図書館など街のにぎわいづくりにも貢献します。
これまでのところ京都における専スタの建設はネガティブなトーンで語られることが圧倒的に多かったです。しかし、今、まさに作られているのは、未来の子どもたちをはじめ、京都人が夢を見られる、希望を感じられる熱狂空間です。そんな素敵なスタジアムができるというのに、地元では待ち望む声があまりにも少ないのが寂しくてなりません。スタジアムの見学会に参加して、このスタジアムが完成するのがもっと楽しみになりました。
参考
京都・亀岡 新スタジアム情報館 (@kyotostadium) | Twitter
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